結局そのまま環さんや鏡夜さんと一緒にお昼に行くことにした。
私の場合、シェフにお弁当を頼んでいる。
じゃないと、庶民らしくないでしょ?
食堂で食べるなんて初めて☆
いつもはハルヒと教室だからね!
見事に双子は、初めての食堂をイヤな思い出の場所にしてくれたよ・・・
☆双子ケンカ(3)☆
‐食堂にて‐
「俺、食堂初めてなんですよ」
「そういえば、いつもは見なかったな。鏡夜と食べたりはしなくていいのか?」
「はいつもお弁当持参だからな」
「やっぱり、庶民はお弁当持参か・・・」
「環さん、庶民だからってバカにしないでくださいよっ!」
手元にお弁当は持っていない。
さっきハルヒにメールで持ってきてもらうように送ったから。
ザワザワ・・・・・
なんかものすごく騒がしい。
Dクラスの人でも騒ぎを起こしたのかな!?
「「Dのカッペリーニにバルバリー鴨とフォアグラのポワレパリグーソース添え!!!!」」
目の前にはかなり激怒中の常陸院ブラザーズ。
なぜか、ハニー先輩が巻きこまれていた。
さっきまで私の後ろにいた気が・・・
「騒がしいと思えば・・・あいつらまだやってんのか。部の恥だな」
私達の登場で一気に食堂が『ホスト部だ』『キャーホスト部の皆様よ』などの声で溢れた。
「ハルヒどうちたのー?学食で会うなんて珍しいー」
「イエ、2人にひきずって来られただけで。あっ、あとからお弁当持って来てもらうようお願いされて。いつもお弁当なのです」
ハルヒからお弁当の単語を聞いた環さんはなんか、想像しはじめたみたい。
「どうしよう鏡夜。ハートのやつだったら・・・!!」
「お前の妄想には脈絡というものがないのか?」
なんで環さんは私の時とハルヒの時の反応がこうも違うのかな・・・
そんなにハルヒLOVEですか。
別にいいですけど。
お弁当を受取りにハルヒの元へ行った。
「ハルヒ、お疲れ様。そしてお弁当ありがとう」
「どういたしまして!全く、はずるいよ。。。」
「ごめん。ごめん。ハルヒだったら大丈夫かと思って」
「もう逃げないでよ!?」
「はーい」
「あっ、は鏡夜先輩と食べるでしょ?」
「そうしよっかな!?じゃあありがと、ハルヒ」
ハルヒからお弁当を受取ると鏡夜さんの元へ駈け寄った。
「いいのか?」
「?なにがです?」
「ハルヒと食べなくて」
「今行くと被害に会いそうだし、鏡夜さんと学食で食べるなんて滅多に出来ないことじゃないですか」
「そうだな」
私と鏡夜さんは他のことには目もくれず、2人で黙々と食べていた。
そしたら、環さんが怒られていた。
なんでも双子のケンカで巻き添えを食らった教頭が主犯を訪ねると、双子の間に立っていた環さんが主犯と思われたのだ。
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「・・・というわけで連帯責任として食堂掃除を命じられた」
「なんで私まで・・・しかも張本人の双子は消えてるし」
かなり広い食堂の掃除。
夕方までかかってしまい、部活をすることができなかった・・・
「奴らのせいで俺達の方が憔悴しきっている気がする・・・」
「気のせいじゃありませんよ」
絶対双子のせいで疲れさせられてる。私達。
「・・・この状態が続くようなら兄弟愛設定も変えざるをえないが・・・指名率ダウンは確実だな。
ペナルティはおいおい考えるとして・・・ああ、ハルヒ。
何も責任を感じる必要はないんだよ?たとえ元凶が心ないお前の一言だったとしてもね・・・?」
怖い。。。笑顔で言う鏡夜さんは怖いです。。。
ハルヒも少し怯えてるし・・・
「ヒカちゃんとカオちゃんがケンカなんて初めてだよね〜」
「えっ?そうなんですか?」
ハルヒが不思議に思うのも分かる。
兄弟とあるもの、ケンカしないことなんてあるわけないし。
「僕、幼等部の時から知ってるもん。いっつも2人だけで遊んでたしねぇ」
「ああ・・・俺は中等部からしか知らないけど、かえって浮いてたよな。自分達以外誰も寄せ付けないってかんじで」
環さんは周りを見れる人だから双子のことをホストに誘ったのも2人の世界を広げる為だったのかな?
それとも偶然??
「そう考えりゃケンカなんていい傾向なのかもな。少しは“世界”が広がってきているって事じゃないの?
この際ほっとくのが1番・・・」
環さんが一足踏み出したところにロープがあり、ひかかった瞬間横から矢が飛んできた。
あーあ。いい場面が台無し。
本当に憐れだよね・・・双子はずっと隠れてたらしく、出てきたし。
「やっぱ制裁!!!!」
双子を追いかける環さん。
外まで追いかけていちゃった・・・
ん?ハルヒ・・・
「何考えてるの?」
「えっ!?」
「ハルヒ、何か考えてるでしょ?」
「分かった??」
「うん。でも何考えてるかまでは分からないな。双子じゃないし」
「馨と光なんだけど」
「うん。」
「いい傾向なのかな?」
「それは誰にも分からないんじゃない?」
「そうだよね。。初めてのケンカなら引き際を誰かが教えてあげなきゃいけない気がして」
「優しいね、ハルヒは」
「えっ!?そうかな?」
「うん。充分優しいよ。周りにまで目が向いてるし。行ってくれば?ハルヒの思ったとおりやってみて」
「ありがと」
みんな成長していく中でイロイロ見えるようになるんだから。
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「―――――――・・・で・・・?トラップはこれで全部なのかな?迷惑兄弟よ」
「「馨(光)に聞けば?」」
まだやってるし・・・
しかも、トラップは全て環さんのみに当たってる。。。
ん?もしかして・・・あの双子って・・・・
「冗談じゃない。迷惑してんのはこっちだよ。馨と顔も何も一緒でさ。
お前に間違われんのもうんざりだし、本当はお前なんて大嫌いなんだよ!!」
「そんなのこっちのセリフだよっ・・・っ。見ろ!!猫澤先輩から入手した呪いの人形だ!!」
馨が取り出したのは猫澤先輩のベルゼネフを象った木で出来た人形。
「後ろに光の名を刻んである。人形が受けたのと同じ苦しみを味わうんだ」
「ちょっと・・・いい加減に・・・」
ハルヒが一歩でた。
その後、馨が呪いの人形を振り上げた。
「お前(光)なんかこうして・・・「いい加減に・・・しろっ!!」
ハルヒのゲンコツが双子に命中。
「ただのケンカにこういう物(人形)持ちこむんじゃないっ!!2人とも悪いし周りに迷惑かけるのはもっと悪いよ!!
ちゃんとごめんなさいしな!!今すぐ仲直りしないと一生うちになんかこさせないからねっ」
「ふうん・・・」「じゃあ・・・」
「「仲直りしたら行っていいわけ?」」
人形の裏には“ハズレ”の文字が。しかも光の手には台本が。
「ごめんよ馨・・・!!台本通りとはいえ、あんなひどい事言うなんて・・・!!」
「そんな・・・!!僕こそ光に怪我させたらどうしようって・・・」
「やっぱり・・・」
「ちょっ、!!やっぱりってどういうこと!?」
「ん〜。私も直前に気付いたんだけど、双子は絶対にケンカしてないってね」
「「えー!?なんで分かったのー??」」
「そんなの決まってるなじゃい。トラップで環さんだけに命中するのも変だな。。。って思ったから。
確かに双子だからどういうトラップかけるかとかは予想はつくだろうけど、そのことを考えてのトラップがないな・・・って思ってね」
「「ちぇっ」」
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次の日の部活にて・・・
「「はーいv久々の“どっちが光くんでしょうか”ゲ――ムv」」
『はいっvピンク頭が光くんv』
『仲直りしてもしばらく色はそのままなのねv』
「見てよ、ハルヒ。あの双子。本当に暇なんだろうね。髪染め直すなんて・・・」
「あれ本当だ。交換したの?」
不思議な顔をした双子。
「だから今日はピンクが「馨」なの?あっ!、馨の部分だけハモらせたね!?」
「いいじゃんv」
ハルヒが追いかけてくるから私は部室内を思いっきり走りまわった。
鏡夜さんに怒られたけど・・・
「さすがに双子で泥沼はきついよなー・・・」
「ハルヒとををうちの養子にするのってはどーよ」
「あーいいね、ソレ。でもは鏡夜先輩が許さないんじゃない?」
「そっか。じゃあハルヒだけでも」
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帰りの車の中。
「今日もお疲れ様でした」
「本当につかれた。そうだ、。今日は泊まっていかないか?」
「いいんですか?」
「ああ。親には私から連絡入れよう」
「ありがとうございます」
両親からのOKも貰えて私は鳳家に泊まった。
おばさまもおじさまも優しくって本当に楽しかった。
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