次の日の朝から友達に笑われること数回。

原因は昨日の私の叫び。

やっぱり行かなきゃよかったかも・・・







〜偶然⇔運命〜









「ほら、次の移動教室いくよ」

「は〜い」




私と親友のは雑談しながら次の音楽室へと向かった。

氷帝学園はいわずと知れるマンモス校。

私らの学年だけでも12クラスは存在する。クラスわけは他の学校と違い特殊。


頭脳中心の進学クラスが2クラス。

スポーツ中心のスポーツクラスが3クラス。

文化系を中心とする文化クラスが2クラス。

お金持ちが集まる特殊クラスが1クラス。

そして、私が所属する特になにか秀でいているわけでもない一般クラスが4クラス。


どのクラスに所属するかは自由だが、進学クラスは成績がある程度満たしてないとダメで、

スポーツクラスは部活に所属していないともちろん無理。

文化クラスも文化系の部活に所属していなければ無理。

特殊クラスは寄付金を出していないと無理。


といった変わった学校なのだ。



そんな学校だ。音楽室も1つで足りるわけがなく、音楽室だけでも3つある。

ちなみに私が目指しているのは1番遠い第2音楽室。

なんでも第1・3音楽室は文化クラスが使用中らしい。




「とーいー」

、そんなにグチらない!!ダイエットだと思えばいいじゃん」

はいいよね・・・痩せてるから」

「その分、胸もないけどね」

「それ痛いって!」

「普通ソコ否定しない?」

「あはっv」



私とはじゃれあいながら移動していた。

だから気付かなかったんだ。

前から人が近づいてたなんて。













ドスッ!!
















「いたっ!」

「大丈夫??・・・っ!!」

「うん」




そう言ってを見ると、は目を見開いた顔でぶつかった相手をみていた。

私も恐る恐る相手を見ると・・・・




「えーーーーっ!?」

「あっ。ちゃんやん。ごめんな。どこか痛めとらん?」




この人は・・・私が一目ぼれした・・・


私は相手の顔を見たまま止まってしまった。




「なんや?また惚れとるん?」




笑いを含ませながら言うその姿はまさに芸術で。

私はとっさに赤くなった顔を持っていた教科書で隠してしまった。




「何赤くなってんだよ」




そう言って来たのは特殊クラス所属の跡部景吾。

ちなみに私の幼馴染でもある。




「げっ!いたの?」

「お前、『げっ!』ってなんだよ。この俺様に会えただけでも嬉しいだろうが。
 忍足相手に赤くなりやがって。いつも俺様に会ってんのによ」




忍足君っていうんだ。

この時初めて名前を知った。

ってか、景吾のせいで本性出ちゃったじゃん!!




「忍足君ごめんね。大丈夫だった?」

「俺は大丈夫や。ちゃんこそ大丈夫なん?」

「うん。ってか名前なんで??」

「こけた時そこにおった友達がゆっとたから」

「そっか!」




こけた時ね。

・・・・ん?こけた時??

・・・・・・・・!!!




「もしかして!!」

「もちろん覚えてるで。俺に一目惚れしたちゃんv」

「○△◇☆×〜!?」

、声になってないから」

「だって、ーー」

「ご愁傷様」




目の前の人物はまぎれもなく大阪で会ったあの人で。

私のあのドジっぷりを鮮明に覚えているようだ・・・





「にしても本当今まで会わんかったなぁ〜。俺ちゃん追ってココ来たのに」

「はい??」

「跡部、ちゃんのことなんも言ってくれへんかったやん」

「ってかお前がのこと知ってること自体、俺様は初耳だぜ」

「結構探したんやで?でもココ12クラスもあるし全然わからんくてなぁ〜。それに同い年とも限らんかったし。ちゃんは俺に会いとうなかった?」

「!!そんな!会いたかったですよ!!」




切なそうな顔するからつい「会いたかった」なんて答えてしまったじゃないか!!




「そら、よかったわ〜」




ホッとする、そんな顔にまで赤くなる始末。

と景吾は「うわっ・・・馬鹿だ」なんて顔で見てるし。




、先行くよ」




に促され、時計を見ると授業開始2分前。

こっから歩いたら5分は音楽室までかかる。

「げっ!」と2度目の声をあげると、忍足君に頭を下げて、景吾には舌を出して私は先に行ったの後姿を走って追いかけた。





「走るとまたこけんで〜」




っていう忍足君の声に私は過剰反応してしまい、あやうくまたこけるところだった。

なんとかの肩に掴まり、無事だったけど。




















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