「ねぇ父さん。優姫と零が見当たらないの。知らない?」
「零なら外だよ」
「外?何をしに?」
「・・・指令がきてね」
「ついに・・・か・・・」
「そこで、キミはナイト・クラスへ行かないかい?零が本当に狩ってきたのならば・・・」
「大丈夫よ。私はそこまで弱くは無い。いつかは慣れるのだから。ただ・・・」
「ただ?」
「時間を頂戴」
「・・・わかったよ」
本当の姿
〜零との壁〜
私は街に出た。レベルEの気配を追って。
すると、そこにはナイトクラスの莉磨と支葵が立っていた。
「貴方達、枢から狩りのご命令?」
「そう。といっても今さっき風紀委員が追いかけて行っちゃったけど」
「ありがとう」
私はレベルEのヴァンパイアの気配を追って走り出した。
それを見ていた支葵は「なんであっちって分かったんだろ・・・?」なんてノンキに思ってたとも知らず。
「優姫っ!!」
優姫に追いついてみれば優姫はレベルEに掴まっていた。
正確には下に開いた穴から優姫を引きずり降ろそうとしているのだ。
「レベルE止めなさい!!」
「そうはいかないよ・・・おいでよ。優しくしてあげるから」
私が叫んでも止まらない。
どうしよ・・・どう思っていると突然。
ドン!!
銃声と共にレベルEの手が優姫から離れた。
「くだらない鬼ごっこもやっと終わりか・・・」
そう言いながら現れたのは零。
どこからか飛び降りて来てレベルEを下敷きにし、銃口をつきつけた。
「汚れた手で・・・そいつにさわるな・・・終わりだ・・・」
「零!どうしてっ・・・」
「優姫!止めるのは許さない・・・指令が下ったんだ」
「優姫忘れたの?零はヴァンパイアハンターなの。これはお仕事。しょうがないのよ」
「だけどっ」
「零がここでできないとハンター協会から見放されてしまうわ。そしてヴァンパイア扱いされてしまう・・」
「っ・・・・」
戸惑うのも無理はない。零が殺しをするのだから。
「零、楽にさせてあげなさい・・・」
「吸血行為目的の連続殺人の罪で粛清する」
「・・・・・・あーあ・・・捕まっちゃったなあ・・・でもこれでもう人を殺さないですむか・・・」
ドンッ!!!
「ついに・・・っ!」
私はその場にいられず素早く立ち去った。
ちょうど支葵と莉磨とすれ違って。
「ただいま・・・」
「おかえり〜♪・・・その様子だと」
「零は立派なヴァンパイアハンターよ。私はいっとき部屋にこもるから。零たちにはどっか出掛けたとでも言っといて」
「・・・わかったよ」
「早く慣れるから」
「・・・・」
そのまま私は部屋に閉じこもった。
父さんはきっと心配しているだろうけど・・・今は不安に向けての心の準備が必要となったのだ。
それから数時間後零たちが帰ってきた。
私は自分を抱きしめ、襲ってきた恐怖にただ震えるしかなかった。
「姉は?」
「お泊りに外にいってる」
「泊まりだと?この学園は許してねぇだろうが」
「今回は僕が頼んだんだよ。ちょっと知り合いのところにね」
「そっか・・・ちょっと残念」
「あっ!錐生君、やったんだって?から聞いたよ。おめでとう」
「ああ・・・」
この時、錐生は不思議に思った。
の外出があまりにも突然すぎて、今までそんな外出したことなかったのに。
零はの部屋へと足をむけた。
ガチャガチャ。
ドアを開けようとしても鍵が掛かっていて扉が開かない。
わざわざ鍵をかけて外に出たというのか?
「?いるのか?」
「どいてくれる?」
現れたのは玖蘭枢。
「なんでココにいる?」
「キミには関係ないことだよ。の部屋に用があるんだ」
そう言って枢は鍵を取り出す。
「!!・・・ソレ!?」
「鍵のこと?理事長から借りただけだよ」
それだけ言うと、枢はの部屋に入ってまた鍵を閉めた。
「?」
「枢・・・?」
私はベッドの上で丸くなっていて、枢は私の元へと来て抱きしめてくれた。
それに私は応えるかのように腕を枢の後ろに回す。
「なんで・・来たの?」
枢の登場で恐怖が少し和らいだ私は、頭が回り枢の登場に疑問を持った。
「支葵と莉磨から報告を受けたからね。もしかしてと思って理事長に聞いたのさ。
そしたら部屋にいるって言って鍵を渡してくれたんだ」
-数時間前-
「枢様、報告します。レベルE排除は錐生零が行いました」
「零が?」
「風紀委員3人ともいたんですよ。それで、錐生がハンター協会から指令を受けてたようで・・・」
「もいたの?」
「はい。最後らへんはいませんでしたけど・・・」
「・・・・そう・・・下がっていいよ」
「なんで僕のところに来なかったの?」
「それは・・・」
「のことだから零に早く慣れたかった?」
「!!」
驚いた顔で枢を見ると、枢は悲しそうな目で私を見ていた。
そして、私の顔に手を添える。
「心配をかけないで・・・は無理をしすぎてしまうのだから。まだ零は殺しが少ない。
これから増えていくのには耐えていけるの?」
「耐えていくしかないの・・・」
「僕を頼って。そしたらの苦痛も願いも叶うんだから。いつでもの元へ駆けつけるよ」
「ありがとう」
「もうお休み。落ち着いている今のうちに・・・」
「うん。・・・おやすみ・・枢」
「お休み。大好きな・・・」
そのまま深い眠りへと私は旅立っていった。
零なら明日には元に話せるまでなれるだろう・・・
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