「ー!!次、ジェットコースター行こ〜♪」
☆再発☆
俺は今、と遊園地に来ている。
忍足とというおまけ付きだがな。
遊園地に来る発端は先週にさかのぼる・・・(2章7話参照)
まぁ、まとめて言えばがに『遊園地に行きたい』と言ったのが始まりだったみたいだが。
朝の9時に待ち合わせをして遊園地に入ってから2時間ぐらい経った。
そして、冒頭になる。
ったく、は忍足を引っ張りながらもを呼んでやがる。
もちろん、俺はの手をしっかり握ってるがな。
「景吾。行こっ!」
は笑顔で言ってくる。
俺はそんなの笑顔に反対できるわけもなく、「しょうがねーなー」と口では言いながら、
に引かれながら忍足達のところまで少しだけ駆け足になった。
「ホンマ、跡部はには甘いわ〜」
「侑士は跡部君に優しくしてもらいたいの?」
「そりゃ当たり前やん・・・いや・・・想像したら気持ち悪ぅなった・・・」
「ハハハ!!やっぱり。だって想像できないもん。跡部君が侑士に優しくするなんて」
忍足が気分悪そうに青ざめていたから俺は声をかけた。
「おい、忍足。テメェ、乗る前からギブアップか?だらしねーなー」
「なんやとー!!そんなわけあらへんやろっ」
「ふんっ!どうだかな」
俺はそう言いながら、忍足達を抜いてと先に席に座った。
あとから忍足達は後ろに座り、「楽しみ」などと言っている。
を見ると、真正面をずーっと見ていた。
もしかして、怖いのか?
俺はそう思い、前の棒をギュッと握っているの手の上から手を重ねる。
は驚いた顔で俺の顔を見てきたが、すぐに表情を変えてニコッと笑い、「ありがとう」と言ってきた。
もちろん俺はそれに対しては何も答えず、外を向いた。
正直、嬉しいが恥ずかしくなったのだ。
ジェットコースターは音を立てて動き始める。
「いよいよだね」
「ああ」
ジェットコースターが頂点に・・・そして一気に加速して落ちていく。
『キャー』『うわー』『ヤッホー』
などさまざまな声が前や後ろから聞こえてくる。
俺はこんなもの怖くもなく、余裕でいた。
を見ると、は目を瞑っていた。
怖いなら止めれば良かったのによ。
あっという間にジェットコースターは終わり、次に忍足がお化け屋敷に行きたいと言い出した。
「全く、てめぇはガキか」
「跡部、ダメやなぁ。だいたいの遊園地はお化け屋敷で決まるんや」
「そうかよ」
「あのさ。私、疲れたからパス」
「なんや、体力ないな〜」
「ハハハ。というか、お化け屋敷苦手なんだよね」
「そんなの跡部に守ってもらいーや」
「えっ!?いいよぉー」
なんか、の様子がおかしい。
どうしてだ?
結局、と忍足につれられるがままにお化け屋敷についた。
列に並び、ついに俺達の番とだ。
一歩踏み入れてみるとそこは真っ暗で、握っていたの手が震え出した。
それで俺は思い出すことができた。
は『暗所恐怖症』なのだと。
俺は急いでの手を引っ張り、入ったばかりの所から抜け出した。
の顔は青白く、体も少し震えている。
他の客は何事かと俺達に注目してくる。
「テメェらジロジロみてるんじゃねー!!!!」
俺はを連れてベンチに座った。
もある程度落ち着いていて俺に「ごめん」と謝った。
「何がごめんだよ」
「迷惑かけたから・・・」
「迷惑なんて思ってない。だが、何故言わなかった」
「だって、せっかくの雰囲気壊したくなかったから」
「ったく・・・でも、忘れていた俺も悪かった」
「えっ!?そんな、景吾は全然わるくないっ」
勢い良く立ちあがった。
俺は、一生懸命否定する姿が可愛く見えてしまい、笑ってしまった。
「ちょっと、景吾。何笑ってるの?」
「いや、ちょっとな。あっ、ジュース買って来てやるよ。なんでもいいか?」
「うん!あっ、さっきはありがとう」
「だから、それは「そうじゃなくって、注目されてた時」
「ああ。かまわねぇよ」
俺はそれだけ言うと、自販機に急いだ。
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どうしてお化け屋敷ででちゃうんだろう・・・
少しは明るいのに。
私は自分の体を呪いたい。
景吾がジュースを両手に持ち、帰ってきた。
2人で飲み始めて、5分もしないうちにと忍足も帰ってきて2人して私に頭を下げた。
「「ごめん!(スマン!)」」
「えっ!?」
「私達知ってたのに、が暗いところダメだって・・・」
「それなのに、俺ら」
「いいよ、気にしないで。私が注意してればいい事だったんだし。それに、自分から入ってたんだよ!?気にしない。気にしない」
私は、体調も戻っていたこともあって笑顔で答えた。
2人も笑顔になり、は私の手からジュースを取り飲み始めた。
「あ〜!私の〜!!」
「ちょっとぐらいいいじゃんv」
「も〜!」
などいつも通りに戻っていった。
それからいくつかアトラクションを周り、夜のショーを見終えた私達は帰ることにした。
景吾の御迎えのベンツが止まっており、初めは遠慮していたけど、景吾と言葉の格闘をした結果負けた。
結局ベンツに4人で乗り、忍足・・私の順で降りた。
最後は笑顔で「ありがとう」と言って景吾の頬にキス。
景吾は驚いた顔をしていたけど、すぐにニヤと笑って
「頬じゃなくて、口でいいぜ」
って。
「バーカ」
って言い返したけど。
まぁ、最後には景吾から私へ口にキス。
もう、別れ際の決まりごと。
2人して、別れを惜しむかのように離れた。
「また、今度」
「ああ。またな。愛してるぜ」
「///うん。私も景吾大好きだよ」
そう言うと車は走り出した。
長い休日も終わり。また、明日から学校かぁ・・・
でも今日は幸せな1日だった。
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