1つ年上の許婚の鏡夜は、寝起きが悪い。。。
というか性質が悪い。。。




☆BAD RISER☆




「おはようございます。おば様」

「あら、ちゃんおはよう」

「鏡夜は?」

「いつもと一緒よ」



毎朝鏡夜と学校へ行っている私は鏡夜を迎えにきたの。
しかしいつも通り、まだ寝ているという。
私は仕方なく起こしに行くことにした。
もう、おば様やメイドの人達も私に鏡夜を起こすことを任せている。







コンコンッ



「鏡夜〜入るわよ〜」



やっぱり寝てた・・・
私は鏡夜のベッドに近づいてまずは鏡夜をゆすっすた。



「鏡夜、起きて。学校遅れるよ」

「ああ、か・・・zzz」


また寝た。。。



「鏡夜、置いていくよ」

「それはダメだ」



鏡夜は眠たそうな声で言う。
他の人からすればこういう反応というだけでもうらやましいらしい。
起こした人は2度と鏡夜を起こしたくないという・・・


私は起こすのを諦めて部屋を出ようと体の方向を変えた途端、体が後ろに倒れた。
なんと、鏡夜に腕を引っ張られてバランスを崩したのだ。
もちろん、鏡夜の寝ている上に倒れるわけで。。。



「キャッ!!」

「大丈夫か?」

「それよりも、鏡夜こそ大丈夫?」

の体重くらい平気だ。それに、原因をつくったのは俺だしな」

「全く・・起きたなら行くよ」



寝ながら言う鏡夜。
私は鏡夜の上からどこうとすると、鏡夜の腕が私の腰に・・・



「鏡夜、それじゃ学校行けない」

「まずは目覚めのキスだろ」

「・・・・しょうがないなぁ」



私はそう言うと、鏡夜の方を向いて唇を合わせた。
チュッと合わせるだけのつもりが鏡夜は舌を侵入させてきた。



「んっ・・・」



絡め取られて何秒かして、やっと離れた。



「ハァ・・ハァ・・」

「それじゃ起きるか」

「もうっ!!朝から激しすぎますッ」

「イヤか?」

「・・・・イヤじゃないけど・・・」

「ならいいじゃないか」



結局流される私。
今までにもこういうことは何回かあった。
その度に流される私。


鏡夜は上機嫌。
おば様も私に御礼を言う。
それが私の日常。
しかし、今日は違った。







―――――― 学校 ――――――




それは放課後前に始まった・・・



1−Aの私はいつも通りハルヒ君と話をしていた。
あとは「ごきげんよう」と言って帰るだけなのだが・・・



ちゃん!!」

「えっ!?ハイ」



呼んだ相手を見ると鏡夜さんのお友達の環さん。
なんかすっごい焦っています。
環さんは私の元へ駈け寄ると私の肩を掴んだ。


「お願いだっ!!どうにかしてくれっ!!」

「落ち着いてください。どうかしたんですか?」



環さんは恐ろしいものを見たような顔をして説明しはじめた。



「鏡夜が寝ていて起こしたのだが・・・」

「あららら・・・分かりました。私が行きます」

「そうかっ!!」



行くと分かった途端、環さんの顔に光が戻った。




2−Aの教室に行くと、たくさんの人だかりが。
教室に入ると先生が鏡夜を起こそうとしていた。



『鳳君、そろそろ起きたらどうだい。もう放課後だよ』

「(ギロッ)うるさい。クソが・・・zzz」



あちゃー、先生に向かって・・・
今まで学校で寝るようなことなかったのに。
そう思いながら私は鏡夜の席に近づいた。
周りは「危険だよ」「やめといたほうが・・・」とか言ってた。



「鏡夜。起きなきゃ他の人が迷惑だよ」

「ああ・・・zzz」

「もう!今起きないなら、もう2度と起こさないよ!?」

「ん・・・か。なんで教室にいるんだ?」



やっと目覚めたらしい。
周りの人達の中には拍手している人もいた。
または「すごい」「さすが許婚」という声も。



しかし、次の瞬間静まり返った。



鏡夜が私にキスしたのだ。
朝みたいに濃厚じゃないが軽く唇を合わせた。
驚いて私は1歩下がった。



「なぜ下がる?」

「人前っての考えてください・・・」



恐らく半分覚醒していないのだろう。
寝ぼけているように見える・・・



次の日には『鳳 鏡夜を起こすには のキス』と噂が流ることになるとは誰も気付かなかった。


そして、結局その後鏡夜と帰ることになった。
鏡夜の家の車を呼び、帰った。




「あの、なんでそんなに寝不足なの?」

「いや、ちょっと作成をしててな」

「作成?」

「ああ。まぁそのうちわかる」

「そう・・・」



あんまり納得できなかったけどその場は納得しとくことにした。




―――――――― 次の日の夜 ―――――――――



、これ」



そう言われ、鏡夜は私の前に指輪を差し出した。



「えっ。。。」

「婚約指輪だ」

「ウソ・・・」

「ウソをついてどうする」



鏡夜はケースから指輪を取ると私の左手の薬指にはめた。



「昨日寝不足だったのはコレのデザインをずっと考えていたせいだ」

「えっ!?そんな・・・私のために・・・」



私は嬉しいあまりに涙が両頬を伝った。
鏡夜はその涙に唇を当て、拭ってくれた。
そして一言。



「愛している」



私の目からは涙が止まらなかった。



はどうなんだ?」

「私も。。。私も鏡夜を愛しています」



どちらからもなくお互いを求めた。