私、。高校3年。
ホストクラブ“ヘブン”の経営者の娘なんです。





★Heaven★





ちゃん、今から学校??」

「うん。REN達は今からお休みタイムだね。行って来ますvあと、お疲れ様v」

「「「「いってらっしゃーい」」」」



そう言って私の1日は始まった。
ホストのみんな見送ってくれるのが日常。
ああ、RENってのはうちのホストクラブのNo1。


じつは、ホストクラブは私の家と同じなの。
3階建てなんだけど、3階は私の家ってかんじになってるんだ。
2階はホストの控え室とか私も利用するお風呂とか・・・
1階はホストクラブってわけ。


親は海外での活動が主でね。
ここの経営は私が任されてる始末。
まぁ、大体はホストがやってくれて私がすることないんだけどね。
唯一あるとすれば収入とか収出と給料かな。ようするにお金関係ってこと。


じつは今悩んでるの。
ホストが足りなくて・・・というか今日だけホストのほとんどが休みをどうしても欲しいって言ってきてさ、ホスト不足なんだ。
誰かに頼もうと思うんだけど、誰がいいか・・・
私の彼氏はホストにもってこいの顔なんだけどね、引き受けてくれるかどうか。
いざとなったら忍足にでも頼んでみよv





「おはようさん。ちゃんv今日もキレイやわ〜」

「おはよ。忍足。お褒めの言葉ありがとね」

「人の女ナンパしてんじゃねえよ」

「あっ、おはよ。景吾」

「ああ」



そう。私の彼氏は“跡部景吾”
右目の下のホクロがなんともいえないくらいセクシーなんだぁ。
そうだ!今のうちに頼んでみよ。



「ねえ、景吾。今日の夜暇??」

「あーん?誘ってんのか?」

「いいから。暇?」

「暇だぜ」

「本当っ!?じゃあ、今日ホスト手伝ってくれないかなぁ・・・?」

「バーカ。いいっていうわけねえだろうが」

「なんでーーー!?景吾のケチ」

「お前はいいのかよ」



はっ?頼んでるの私なんだからいいに決まってんのに。
それに景吾のスーツ姿見れるなんてこの機会なくしたら、もうないもんね。



「もちろん!してくれた方が助かるよ〜」

「・・・じゃあいいぜ」

「本当!?景吾大好きv」



景吾は承諾する前になんか呆れたような悲しいような複雑な顔してたけど・・・














―放課後―




「ただいまぁ〜」

ちゃんお帰り。ん?景吾君、ちゃんからの呼び出しかい?」

「はい。なんでもホストをして欲しいと・・・」

「あぁ・・・悲しいね」

「本当ですよ。ま、後悔するのはですけど」



なんか男同士の会話がなされる。
私にはなんのことだかさっぱり・・・



「景吾はスーツに着替えて。あっ、REN、案内お願いしていいかな?」

「了解。じゃあ景吾君こっち」

「はい」



楽しみだなv
景吾のスーツ姿がみれるなんて。
あっ、今日は私も経営状況みるためにお店に出よ。

そう思ったらすぐに行動。
わたしはドレスに着替えに3階までエレベーターで上がっていった。
今日のドレスは淡いピンクを主張したドレス。
お気に入りなんだ。


景吾は着替え終わっていて、私が着替え終わり1階まで降りるとRENからホストの指導を受けていた。
本当、グラスを持ってるとサマになるよ。
かっこいい・・・



そして、8:30開店。
店の前には開店を待ってる人がたくさん。
それだけ私のホストクラブも人気ってことだ。

ホストが並んで挨拶する中に景吾もいて、どうしても目が景吾にいってしまう。
すぐに景吾に指名が入って景吾は指名された席に着いた。


お客さんと楽しそうに話す景吾。
いつもと変わらない俺様の景吾。
俺様でもさりげない優しさは変わらなくて、あの笑顔は私じゃなくて他の人に向けられてるって思うと耐え切れなくなった。


ダメ・・・見てられない・・・
商売って分かってても、悲しいよ・・・
景吾は私のだもん。。。


私はすぐに部屋へ戻った。
ドレスのままベッドにダイブする。
ドレスがシワになるなんて気にしない。
自然と涙が溢れてくる。



「景吾の言ってたとおりだ・・・悲しいよ・・・寂しいよ・・・」

「やっと気づいたか」



声が聞こえて振り返ると、ドアのところに景吾が立っていた。



「だから言っただろ。お前はいいのか?って」

「だって・・・こんな気持ちになるなんて考えてなかったから。。。」

らしい。でも、これで分かっただろ」

「うん」



景吾は一言一言話すごとに足がこちらに向いてくる。
そして、最後の私の返事の時にはベッドの上まで来ていた。



「キレイなドレスが台無しだぜ」

「ドレスだけ?」

「もう立ち直ったのかよ・・・。・・・キレイだぜ、も。その泣き顔もそそる」



そう言うと、景吾は私の上に覆いかぶさって来た。



「ちょっ!?待った!!」

「あーん?なんだよ」

「一つだけ質問していい?」

「なんだ?」

「RENと話してたとき、RENが悲しいね。って言ったけど、景吾も私がホスト頼んだの悲しかったの?」

「当たり前だろーが。彼女がホストしてくれってことは、他の女とベタベタしても気にしないって言ってるようなもんだぜ」



あっ。。。そっか。
だから景吾あんな複雑な顔してたんだ。
景吾はすごいよ。先のことまで考えてる。



「大好きvだからもう他の女の人のところには行かないで」

「ああ。の頼みを断るわけにはいかねえな」






そのまま、景吾と1日過ごした。
起きた時、RENがものすごい疲れた顔してた。
そりゃ、景吾が途中で抜けたってのもあるかもしれないけど、昨日の私の仕事まで片付けてくれたらしい。
RENには給料を弾もうと思った朝だった。