☆指輪☆




体育の時間


私は生理痛だったんだけど、今日は私の得意でスキな持久走だったから
休みたくなくて無理しながらでたの。



、大丈夫?」



走りながらが心配してくれてる。



「うん。これくらい平気平気!」



私は笑顔で答えるけど本当は死ぬほどキツイ。
今からでも休もうかな?でも、も心配しちゃうし・・・
と思ってたら激痛がきた!!
私は走ってた途中だったんだけど思わずしゃがみ込んだ。
慌てたもしゃがみ込んで心配そうに声をかけてくれる。



「ちょっと!大丈夫?先生呼ぶからね」



と言って立ちあがった時、が「えっ!?」って言ったの。
私は激痛で意識も朦朧としてたんだけど、の様子がおかしいのは分かった。


そして、急に体が浮いたんだ・・・





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今日は体育で、忍足達と合同だった。
なんでも、マラソン大会が近いから持久走らしい。
ったく、かったりぃ。



「跡部、よかったなぁ。女子と同じ体育やで?」

「あ〜ん?関係ねぇよ」

「またまたぁ、ちゃんと一緒で嬉しいんやないの?」



思わず忍足をみたら、忍足はニヤニヤしてやがった。
きもちわりぃ・・・



「言っただろう、関係ねぇ」

「正直にならな後悔することになんで」

「うるせぇ」



と言って俺は走るスピードを上げた。



目の前に先に走っていた女子の団体が見える。
俺は一気に抜き、前に出たらの姿が見えた。
きつそうに見えるのは気のせいか?
あいつは確か昔から長距離は得意だったはずだ。
なのに、こんな遅いはずがねぇ。



俺はそう思いながら後ろを走っていたらが急に止まってうずくまった。
俺はすぐさまに駆け寄ろうとスピードを上げた。
隣で一緒に走っていた確かの親友のとかいう奴が心配そうにの腰をさすりだした。


そういうことか・・・


理解して達のところにあと1・2歩でたどり着くと言うときに、
がタイミングよく立ちあがり俺を見た瞬間「えっ!?」と驚いた。
だが俺は、を気にすることなくを持ち上げた。
もちろんお姫様だっこで。
の顔が見えた。かなりきつそうに見える。
俺は声をかけた。



「大丈夫か?」

「景吾っ!あっ・・・跡部君どうして・・」



は昔のまま景吾と呼んでくれたと思ったら言い直しやがった。
しかし、今はの体調がすごく悪いのが分かったため、聞くことができなかった。
いや、心の中で分かってたのかも知れない。



は忍足以外名前で呼ぶ気がないか、もう俺は赤の他人だということを。





俺はすぐさま保健室につくなり、をベッドに下ろした。



「跡部君、ごめん。ありがとう」

「いや、それより寝てろ」



は申し訳なさそうに、そして話しずらそうに俺に言葉を発した。
俺は保険医に頼んで体育に戻った。




が俺が帰ってきたのを見て「大丈夫だった?」と心配そうに訪ねてきた。
その時、俺はの手にあの時の指輪を見つけた。



・・・・・・ムカシ、ニヤッタユビワ・・・・・



俺は思わず鳳凰時に向かって



「おいっ!その指輪どうしたっ!なんでお前が持ってやがる」

「ちょっ、跡部君落ち着いて!コレは私のじゃない。のだよ。さっき落としたみたい。いつも身につけてるんだけど、チェーンが外れたらしくって。
 跡部君、この指輪知ってるの?がいつも大事にしてるから形見かなにかかと思ったんだけど違うって言うし・・・
 スキな人だとは思ったんだけど誰から貰ったのかとか、教えてくんなくって」



いつも身につけてる!?
俺はすぐにから指輪を取り、保健室に急いで戻った。





保健室ではが泣いてるのが聞こえる。
俺はすぐに仕切られてるカーテンを開け、を見たらベッドに座ったがいた。



「あっ、跡部君。どうしたの?忘れ物?」



いかにも泣いてましたって顔では問い掛けてきた。
俺は思わずを抱きしめてしまった。



「ちょっ、景っ跡部君。どうしたの?」



とまどった様子のが俺の胸のあたりで聞いてきた。
俺はまた言いなおしたのに気づいて



「なんで言いなおしやがるっ!昔みたいに呼べばいいだろうがっ!」

「でもっ!」



と言っては俺の胸を押して俺を遠ざけた。



「「でも」なんだ?」

「呼べないよ・・・」



困った様子のような、悲しい様子のようなが答えた。
俺は思わず、眉間にシワをよせた。



「呼べないってなぜだ?」

「だって・・・もう跡部君とはなんでもないんだもん」

「なんでもない?お前はそう思ってるのか?」

「だってそうでしょ?もう5年以上話してない。そんなの赤の他人じゃんっ」



は思いっきり叫んだ。



「確かに5年以上話してねぇ。でも、俺はまだのこと好きなことにはかわりはない。
 婚約も破棄した覚えはねぇ」

「えっ!?ウソ・・・」



また涙ぐんだがいた。



「でも、じゃあなんで話しかけたりしてくれなかったの?」

「俺はお前の指から指輪が消えた時、お前が俺のこと嫌いになったのかと思った。
 それに、なんでないのか聞くのが怖かったんだよ。嫌いになったってお前に言われたら
 立ち直れないと思ったから」

「そんな・・・」

「それにな、この前お前が図書室から見てたとき忍足と手振っただろ。
 その時、てっきりお前は忍足のことが好きなのかと思った。
 忍足が転校してきた時期とお前が指輪を外した時期が同じ位だったしな」

「忍足は関係ないよ・・・ただ指輪がきつくなちゃって入らなくなり始めたから・・・」



そうだったのか・・・しかし、考えればそうだよな。
買ってやったのは小学校低学年ぐらいの時だ。
中学校の時にはまるまわけがねぇ。



「跡部君・・・ごめん・・・」



は申し訳なさそうに俯いていた。



「指輪・・・いつのまにかなくしちゃってるんだ」



俺は静かにを引き寄せた。
そして、さっきから取ってきた指輪の通してあるチェーンをの首に掛けてやった。



「えっ!?コレ、どうして・・・」

だっけ?あいつが持ってた。なんでも、さっき運ぶときに落としたらしい」



は指輪を両手で握りしめながら「よかった・・・」と呟いた。
俺はまたを引き寄せ、



、もう1度言う。俺はが好きだ。将来俺と結婚してくれないか?」

「うん。私も景吾のこと大好き!もう、離れたくないよ」



と言っても俺の背中に手を回した。



「新しい指輪買わないとな」

「えっ!?いいよ。コレで十分」

「ダメだ!目につかないと他の奴らにとられちまう」

「ふふふっ。大丈夫。私は景吾以外いらないから・・・」



俺はすごく嬉しかった。誤解が招いたこの5年間を俺は後悔した。
私はすごく嬉しかった。そして今までの行動を私は後悔した。


お互い、チャイムが鳴るまで抱き合っていた。
お互いの思いを確かめるように。
そして、もう2度と離れないように・・・・








その後・・・



「それより生理痛だいじょうぶか?」

「えっ!?なんで分かったの?に聞いた?」

?あぁ、か。
 いや、ちげぇ。お前がうずくまった時にがお前の腰をさすったから気づいたんだよ」

「そっか・・・分かる景吾もすごいよ・・・」

「で、大丈夫なのか?」

「うん!指輪なくしたの気づいたらお腹痛がってるところじゃなかったよ・・・」

「そうか。ありがとな」

「えっ!?なんで?景吾にお礼言われることしてないよ」

「いいから受け取っとけ」

「・・・・・・・うん!」








----------あとがき---------

お疲れ様でした。
指輪完結っ!!っていっても2話ですけどね;
ここまで呼んでくれてありがとうございました。
ぜひ、感想等BBSもしくはメールで・・・
それでは、新しいのをがんばりますっ!!