「。いや、。いつまで隠しとくつもりだ?」
今確かに景吾は私を『』と呼んだ・・・
m a l e - a t t i r e
「いつから・・・」
「昨日だな・・・元々おかしいと思ってはいた。でも、昨日寝ている時に確信した」
「そっか・・・全然気づかれてないと思ってた」
景吾も私を見ようとしない。私も複雑な表情をしている。
景吾はきっと怒っているんだ。隠してたことに。
「そこ、どいてくれる?俺、いや私か・・・私、行かなきゃいけないところがあるから。
また帰ったら詳しく話すよ」
景吾は静かに扉の前からどく。
いつもの景吾なら引き止めるのが普通だったはず。
でも、今は私の意見を尊重してくれた。
そして私は生徒会室を後にする。
教室に戻ると侑士がいて、私はカバンを手に取ると侑士に挨拶をした。
「今日は早退する。気分優れなくて・・・」
「大丈夫かいな」
「大丈夫。ごめん・・・じゃあバイバイ侑士」
「・・?」
最後になる挨拶。
男装がバレたら親の元へ。それは私の中で決めた決め事。
とても短い間だったけど、楽しかった・・・
携帯で景吾のお母さんに電話をかける。
3コールで取られた携帯。
『もしもし?君どうしたの?』
「景吾にバレました・・・」
『・・・そう』
「約束です。私は親の元へ帰ります」
『いいの?あなたは』
「自分で決めたことですから。すぐに発ちます」
『そんな急じゃなくても・・・』
「景吾を見ると・・決心が・・・鈍りそうですから」
涙がこぼれてくる。
止まらない涙。
『ちゃん・・・あなた・・・』
「好きでした・・・景吾のこと。・・・でも私は好きな人を騙してたんですから・・・」
『景吾はそれでもいいはずよ。あなたのこと気に入っていたんですもの。あなたが来てあの子は変わったわ』
「男だったからです。・・・きっと許してくれない・・・」
『・・・分かりました。ではすぐにチケットを取るわ。荷物はどうするの?』
「送ってもらえますか?」
『わかった。家で待ってますね』
その言葉を聞いたあと、プープープーと終話を告げる機械音だけが耳に木霊する。
−そして、私は学校を後にした。目に涙いっぱい浮かべて−
俺は止めることが出来なかった。
・・・いやが思いつめているのに気付いてしまったから。
いつもの俺はいなくて、臆病な自分に成り下がっていたんだ。
「クソッ!!」
1人となった生徒会室の壁を思いっきり殴る。
痛みなんて感じない。
今は心が痛くて・・・
それから生徒会室にあるソファで時間を潰す。
放心状態に近かった。
そんな状況から現実へと戻されたのは、1つの声。
「こんなところにおったん。探したで」
一番顔の見たくない奴。
「、帰ったけどなんでなん?」
「帰ったのか・・・」
「なんや。跡部も知らなかったん。てかフラれでもしたんか?跡部らしくもない」
「俺らしいってなんだ?」
「そやな。常に自信まんまんで、狙ったものは逃がさへんってかんじの男や。
まぁ、人間誰にでも逃げられることはある。跡部がそこで諦めるんなら、俺はを貰うで」
「貴様っ!!」
俺は思わず立ち上がり忍足の胸倉を掴みかかる。
でも、忍足は表情一つ変えずに言葉を繋げる。
「俺かてきづいとったわ。が女だってことぐらいは。跡部が追いかけへんってことはもういらへんのやろ?」
「・・・ちげぇ」
力がぬけたかのように忍足から手を離す。
「何が違うん。諦めたんやないん?」
「あいつが・・・がちゃんと帰ったら説明するって言ったんだ。信じてやるしかないだろ。
好きな奴おびえさせる様なことできるわけがねぇだろうが・・・」
「そうなん・・・そりゃ知らんかったわ。・・・って本名ちゃん言うん。ええこと聞いたわ」
「テメェ」
「そな怒んなや。とにかく、今日は授業に戻りぃ」
「ああ・・・」
忍足は俺の肩にポンッと手を置くと、静かに生徒会室を出て行った。
ホント、わけのわからねぇ奴だ。
でも、今は感謝している。あいつがいてくれたことに。
今日は部活に行くつもりはなかった。
が早退しているのに、ノンキに部活をしていくつもりはなかったんだ。
だから部室に1度寄って、置いていた部活道具を取って帰るつもりだった。
「今日出ないんですか?」
声をかけてきたのは2年の鳳。
「ああ」
「そうですか。あっ!思い出したんですけど、さんが使っていたあの技。
今アメリカに行っている選手が使えるんです。もしかして親子なんですかね?苗字一緒ですし」
「そうかもな。じゃあな。後頼んだぜ」
「はい」
帰ったらが待っている。
そう俺の頭の中には浮かんでいたんだ。
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