双子に誘われ、教室の近くの空き部屋に入った。




「はい。ハルヒ」

は持ってきてるからいいよね」




馨はハルヒに何やら袋を渡した。




「ハルヒ、何が入ってるの?」

「・・・服」







☆ハロウィン・パーティー(3)☆







「服?ああ、衣装ね。で、何の?」

「さぁ、見た感じわかんない」

「じゃあ着替えようか。私も着替えたいし」

「・・・うん(なんか流されている気が・・・)」

「ってことで、2人は教室ででも待ってて」

「「わかってるよ」」




馨と光を追い出して、私とハルヒは着替えを始めた。

黙々と着替える私とハルヒ。















着替えも終わり、さっき馨達に言った教室へと足を向けようとするが。




「ムリ・・・」

「何が?かわいいよ。ハルヒ」

「なんで魔女(?)?」




魔女に“?”がついてたのは気のせいかな・・・

可愛いのに。やっぱりハルヒは自慢の友達v




「なんでかは、双子に聞いてみないことには・・・私には意図が見えないから」

「はぁ・・・」

「いいじゃん。可愛いんだし」

もかわいいよ。ヴァンパイア」

「ありがとう」




そう。私の格好は環さんと同じくヴァンパイアの格好なのだ。

一緒ってのがちょっとショックだったけど・・・

じつは、鏡夜さんとのお揃いで、シスターにするって案もあったんだけど、女ってバレるから却下になったの。

それで、同じお揃いでもライバルって形のヴァンパイアにしよう!ってなった。




「ハルヒ、馨達もだけど、クラスのみんなも待ってるし、行こう!?」

「・・・うん」




未だに戸惑い気味のハルヒの腕を引っ張り、私は教室へと入った。

すると・・・・




「「「「「「「きゃーーーーー!!!!!」」」」」」




女子の叫び声に圧倒されてしまった・・・

そして、女子は私とハルヒの周りに集まってくる。




「ハルヒ君、かわいいですわv」

君も、環様に負けず劣らずかっこいいですわv」

「「ありがとうございます」」

「「「「「「「きゃーーーーー!!!!!」」」」」」




ハルヒと声がかぶったことで更に奇声が上がった。

本当に女子のパワーはすごいかも・・・




「・・・それで・・・馨に光。なんでこんな格好・・・」




そうそう。忘れるところでした。

ハルヒのさっきの疑問。

それに対して双子は笑顔でさらりと答えた。




「「目には目をって言うじゃーんv」」

「ようするに魔女には魔女ってことでしょうね」

「さすが君ですわ。それに本当、ハルヒ君、かわいいvこれなら魔女の呪いもはね返してしまいますわv」

「そうだよハルヒ。はね返すよ。俺が保障するって」




冗談っぽく私が言ったらハルヒが頬を膨らませた。




!!」

「ごめんごめん。でも、着替えてからは何も起きてないじゃん。やっぱり効いてるんだよ」

「そういえば・・・」




ハルヒは窓側に寄った。

そして、中央棟を眺める。




「いない・・・」

「ん?どうしたの?」

「あっ、。魔女がいなくなってる」

「いいことじゃん」

「そうなんだけどね・・・そうだ!」




ハルヒは踵を返して、ドアの方へ向かう。




「ちょっ、ハルヒ?」

「ハルヒ君?どちらへ?」

「中央棟行って確かめてきます。いつまでもこんな格好してたくな「それはおやめなさ〜い」

「(ビクッ)わ〜〜!猫澤先輩!!!」




いつものごとくどこから現れたのか不思議な先輩だ・・・

あっ、この前のビーチの時にはお世話になった先輩でもある。




「呪いに正面からぶつかる事は死を意味します〜〜〜私の占いによれば魔女の呪いはハロウィンの間だけの事〜〜〜
呪われているなんてツイてますよ藤岡くん。できる事ならかわってさしあげた・・・」





風が吹いてカツラが・・・先輩のカツラが・・・飛んだ。

先輩って金髪だったんだ・・・

カツラが飛んだことで先輩、パニック状態。




「ギャーーー!!呪い〜〜〜〜!!!!」

「・・・かわってくれるんじゃなかったんですか」




確かに。。。

今の今まで変わって差し上げたいとか言ってたのに。。。







「ハルヒくん!!聞きましてよ!!お怪我はございませんこと!?」




教室に入ってきたのは鏡夜さんの偽・婚約者だった宝積寺れんげちゃん。

格好は、どこかの学校の制服?




「れんげちゃん可愛いね」




ハルヒはさらりと言いのけた。

確かに可愛いけれど、これは仮装なのでしょうか?

どこかの学校の制服って・・・




「ハルヒくんったら抜け目ないv何を隠そうこれは・・・来春発売の“うきvどきメモリアル2”での女子キャラ用制服なのですわ…v
 未発売の情報を先取りして作りましたの・・・v」

「ああ・・・やっぱりゲームなの」




私の気持ちをハルヒも思っていたらしく、代弁してくれた。




「それはそうと、ハルヒくんvくん。今からクラスの女子でランタンとクッキーを作りますのv一緒にいかが?」

「あ・・・イエ・・・」

「いいじゃん。ハルヒ一緒に作ろうよ」

「そうですわ。私たちもご一緒させていただきますし」

「なにやら呪われているらしいので、自分とはあまり一緒にいない方が・・・1人で図書室でも行ってます」

「ハルヒくん・・・私たちの身を心配して・・・?」




違うと思う。

ハルヒのことだから、呪いなんて信じる性質じゃないと思うし・・・

たぶん、みんなといると疲れるのだろう。




「でも私達はハルヒくんのお役に立てたらって・・・ごめんなさい・・・足手まといですわよね・・・」




周りから女子のすすり泣きが聞こえてくる。

ナイス!!ハルヒはこうなったら逃げられるはずはない!!




「ほら、ハルヒ。皆さんのご好意を無駄にするわけにはいかないでしょ?」

・・・なんか楽しんでる?」

「そんなことないよ。で、どうするの?参加するの?しないの?」




ハルヒは周りを見渡すとすすり泣きをしている女子を見て渋々と応えた。




「ええと・・・参加します」

「皆さん、ハルヒは参加するそうです。それもクッキーの作り方を教えてくれるって」

「「「「「「わぁ〜〜〜v」」」」」

・・・」

「いいじゃん!みんな喜んでるんだし」

「なんか、光達と鏡夜さん足したかんじになってきたよね」

「そう?」

「そう」

「まぁいいじゃない。行こう」

「はぁ・・・」





溜息をついたハルヒを連れて私は調理室へと急いだ。














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