別に呪いなんて信じているわけではないのだが・・・
☆ハロウィン・パーティー(4)☆
結局、の思惑通りに事が進み、今の現状(クッキー作り)に至る。
「では、このクッキーの生地をそれぞれ伸ばして型をとって下さい」
指示を与えると、みんなは黙々と作業を始めるのだが、お嬢様はお菓子を作ったことがないのか上手くいっていない。
「固くてのびませんわ」
「結構難しいんですわね」
など言っていて、作業は進まない。
時間かかりそうだ・・・
それに比べ・・・、なんでそんなに上手いの?
というか、もお嬢様なはずだよね!?
この差は何!?
そんなことを考えながら、やっぱり呪いのことが気になる。
万が一、何かあって自分のせいならとても嫌だし。
「あっ」
「ハルヒ、どうしたの?」
いち早くが気づいた。
「イヤ、なんでもない」
「ならなんで・・・」
「ごめん。つい・・・」
「そう。ならいいけど」
は作業を再開し始めた。
さっきのは、サラダ油が足りなかったからつい声にでただけであったりする。
サラダ油どこかな。
流しの下とか・・・
流しの下を覗くと、目の前は鏡になっていて、魔女が・・・いた・・・
ゾッとして後ろを向くと、光がいてつい抱きついた。
だって、怖かったから・・・
まぁ、当然光は驚くわけで。
「わっ!何オマエ、急に」
「ひっ光、今ここに誰か・・・」
「ハァ?何言ってんの?」
「ハルヒ?どうかしたの?さっきからハルヒらしくないけど・・・」
「・・・さっきまでここに人が・・・」
「・・・・いなかったよ」
今の間は一体・・・
ごめんね、ハルヒ。
私は見てしまったの。もろに、光のイタズラを・・・
でも、言ったらハルヒは衣装を脱ぐでしょう?
せっかくの思い出作りたいじゃない。
だから、今回は(“今回も”かな?)許してねv
そんなことを思っていたら、ちょうどいい具合にクッキーが焼け上がった。
クッキーは焼きたてが1番v
鏡夜さんに持っていこう!
「ってことで、俺はこの辺で失礼させてもらうね〜」
「鏡夜先輩に?」
私の手にしているラッピングされたモノを見てハルヒは問いかけてきた。
「ビンゴかな。まずは探さないといけないけど」
「同性愛・・・それもまたヨシですわ」
一体どこから湧いたんだろう、宝積寺れんげちゃん。
というか、れんげちゃんや他の人には同性愛に見えるんだよね。
ちょっと引くかも・・・(汗
「んー・・れんげちゃん、ちょっと違うよ」
「くん。。。そうなんですの?」
何故、違うと残念そうな顔をするのだろうか。
「鏡夜さんは尊敬している人。自分の先輩だしね」
「そういうことですの・・・」
「ご期待に沿えず、ごめんね」
申し訳なさそうな顔で謝ると、顔を真っ赤にさせて「いいえ」と言ってクッキー作りに戻った。
「でわ!行ってくるね」
「行ってらっしゃーい」
光とハルヒに見送られて調理室を後にする。
廊下に出ていっときすると、馨の姿を発見した。
「あっ、馨」
「じゃん。どうしたの?追い出されたとか?」
笑いながら言う馨。
「んなワケないでしょ。鏡夜さんに用があってね」
「さっき見たけど、中央棟の方で」
「あぁありがとう。でも、なんで馨中央棟に?」
「えっ!?」
「なんてね。とっくに気づいているわよ。イタズラも程々にね」
「なんで・・・」
「私を舐めたらダメよー。なんたってあの人の彼女なんだから」
この時初めて馨はのすごさを知った。
歩いていると、色々な人から声を掛けられる。
それらを全部笑顔でクリアしていく私。
結構ホストに向いているのかな・・・私。
「」
「あっ、鏡夜さん。探したんですよ。コレ」
そう言ってクッキーの入った袋を渡す。
「なんだコレは」
「クッキーです。さっきクラスのみんなで作っていて。
この前言いましたよね。1番に自分に持ってくるようにと」
「・・・覚えていたのか」
「当たり前です」
鏡夜さんは1つクッキーを取り出すと、食べてくれた。
そして、笑顔で「うまい」と言ってくれて嬉しかった。
「ところで、ハルヒを知らないか?」
「ハルヒならまだ調理室かと・・・」
「そうか。も行くだろう?」
「うん」
そのまま、さっきの道を私は折り返した。
ただ、さっきと違うのは隣に鏡夜さんがいること。
途中でハニー先輩とモリ先輩に会って、一緒に調理室へと向かうことになった。
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