鏡夜邸

 鏡夜さんの家で朝食を頂いてます。

 じつは昨日両親と共に泊まったのです。

 もちろん。目の前には鏡夜さんの家族と私の家族が揃ってます。




♪〜♪〜〜♪〜




「鏡夜さん、携帯なってますよ」

「ああ・・・」




画面を見つめて、一瞬止まった鏡夜さん。




「どうしたんです?誰から?」

「環だ・・・ちょっと失礼します」




そう言って食卓から離れていった。

私も後からついて行った。








☆ハルヒ自宅訪問(1)☆








渋々というかんじで電話にでた鏡夜さん。



―――

「なんだ?こんな朝に」

―――

「ハァ・・・わかった。じゃあな」






首をかしげて鏡夜さんを見ると、私の頭を撫でて一言。




もハルヒの家に行くか?」

「?はい」




それから鏡夜さんは双子にモリ先輩、ハニー先輩へと電話をかけた。














なんだかんだで、いつの間にか車に乗って、鏡夜さんから事情の説明を受けた。

なんでも、環さんがハルヒの家に行く夢を見て、すごくボロかったので心配になったそうだ。

夢を現実にまで持ってくるって環さんらしい。



まずは、環さんの家へと向かった。環さんを乗せていくらしい。

モリ先輩とハニー先輩はハニー先輩の車で。

馨と光はもちろん2人の車で。





「なんでまでいるんだ?」

「ちょうど朝鏡夜さんの家にいたんですよ」




今日はブランド物を着ている私。

お母さんに着せられた。

それを見て環さんは「それも鏡夜にもらったのか?」なんて質問してきたけど、曖昧に返事を返しといた。




「そろそろ着くぞ」

「楽しみvハルヒどういう反応するかなv」

「とにかく、ハルヒの家を見て夢と同じか判断せねば・・・」




本当に思ってるんだ。。。



それから何分かしたら着いた。

そして、次にハニー先輩達、双子と続いて着いた。




「お坊ちゃま、どうぞ」

「うむ!!」




扉を開けられると、環さん、鏡夜さんと続いて降りていく。最後に私だ。

当たり前のように鏡夜さんが手を差し伸べてくれた。




「ありがとうございます」

「ああ」




手をとり、お嬢様のように降りていく。

すると・・・




「やっぱ、鏡夜先輩の彼女だとそういうことまで指導されんの?」

「は?どういう意味?光」

「だってって庶民でしょ?」

「・・・そうね。鏡夜さんから教わったわよ」



もちろん嘘だ。

私は当然小さい頃から徹底的に教育を受けた。

なんたって家の娘なんだから。




「それよりハルヒいるのかしら?」




私がハルヒの家を見るとみんなも家へと視線を移す。




「へーここがハルヒん家かー」(馨)

「けっこーデカイじゃん」(光)

「ドアがいっぱいあるねぇ〜〜!!」(ハニー先輩)

「これが庶民の集合住宅というものだよ。一世帯の坪数だと・・・」(鏡夜)

「鏡夜・・・」




次々と感想を述べていく面々。

本当、何も知らないお坊ちゃまもいたもんだ・・・

それに対して環さんは何故か鏡夜さんに呆れ&キレてるし。




「なんっなんだ、この大人数は!!特にコイツとかコイツ!!あのドッペルゲンガーズ!!
 俺はおまえを誘ったんであってあんなオマケは・・・」




と、まぁ環さんは双子を指して叫んでた。




「そうか。俺はてっきりお前が1人で来る勇気がないなら多人数の方がいいのかと・・・
 余計なマネをしたな。では帰ろうか、子供たち」

「「えーなんでなんでー」」

「スイマセン。ごめんなさい。1人にしちゃイヤ・・・」

「やっぱり1人がイヤなんじゃないですか。というか、1人だけハルヒの家に来たことがバレたら、
 あの双子が黙ってるとは思えないんですけど・・・」

「確かにな。の言うとおりだ」




少し考えたあと、環さんは言葉を発した。




「ぬぅ・・・そうだが・・・まぁ済んだことは仕方がない。いいか者ども!!忘れるな!!
 これはあくまでも“たまたま通りかかったから”というさりげない訪問であり、
 断じて藤岡家の生活水準リサーチではない!!」




説明を淡々と続ける環さんの後ろに1人の見覚えのある顔が見えた。

ハルヒだ。

やっぱり、呆れてる??

しかし、環さんは気付くはずもなく、説明が続く。




「ましてや今は噂のオカマさんなお父上もご在宅かと思われる時間帯。
 “ショボイ”“狭い”“ボロイ”などの単語は一切禁止!!
 間違ってもハルヒやお父上に“帰って欲しい”などと思わせるような言動は・・・」

「ていうか今すぐ帰れ・・・!!!」




怒気を含んだハルヒの声。

やっぱり・・・?




みんなハルヒの声で気付いて一斉にハルヒを見る。




「「「「ハ・・・ハルヒ!!」」」」

「あなた方という人は・・・」




ブツブツ言い始めようとしたハルヒを見て、双子と環さん、ハニー先輩達が




「「「「素朴さがまた良し!!!」」」」




と言った。

もちろん、それに反抗するハルヒ。




「黙れ。消えうせろ」

「ハルヒ〜私も?」

はいいよ。いつも来てるし」




やったね。ちょっと自慢っぽく環さんを見た。

すると、ショックを受けていた。




「なぬぅ〜!聞いてない!!聞いてないぞ!!」

「別に言わなきゃいけないことじゃないし・・・」

「ヒイイ!!!ハルヒがものすごく汚い言葉を・・・!!!まで口応えするように・・・!!!
 お前らとかおまえらのせいだ!!」




環さんは双子のせいにしていた。




「鏡夜のお姉さんからはは小さい頃から純粋だと聞いていたんだぞ!なのに。なのに」

「なんで、鏡夜さんのお姉さんに聞いてるんですかっ!?」

「昔写真を見せてもらったんだ」

「そうですか・・・」




ってか、聞いてるなら私がお金持ちってのも!?




「しかし、庶民だとは思ってなかったぞ」




ああ。。。思い過ごしですか。




私も環さんとは実際には会ったことは桜蘭へ入学するまでなかった。

ただ何度か鏡夜さんのお姉さんに桜蘭でのビデオを送ってもらって環さんの存在を知ったんだ。

鏡夜さんのお友達ってことを。

だから、じつは一方的な知り合いだったわけ。












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