「みんな〜ハルヒのパパさん帰ってきてるよ〜」
気付かなかった・・・
いつすれ違ったのだろうか・・・
とにかく私たちは馨の声をきっかけにハルヒの家へと戻ることにした。
☆ハルヒ自宅訪問(3)☆
そこには落ち込んだ(影背負いまくりの)環さんと逆にいつもの通りテンションの高いハルヒパパ(蘭花さん)がいた。
「あっ!ちゃんじゃない♪」
「こんにちは。蘭花さんvいつ見てもお美しいですね」
「あら、ちゃんも綺麗よv」
「ありがとうございます」
これがいつもの挨拶。もうハルヒパパともかなり仲良くなった。
「で?この人達が?」
急に真剣な顔つきになる蘭花さん。でも言いたいことは大体わかる。
「はい。ホスト部のメンバーです」
そう答えると、蘭花さんは顔を綻ばせた。
「そっかーー君達が噂のホスト部のねー」
明るい蘭花さんに比べて暗い人が1名。何を隠そう環さんなんだけれど・・・
メンバーに自己紹介をしている蘭花さんをよそに私はハルヒにコソコソと話しかけた。
「ねぇ、ハルヒ環さん何があったの?」
「イヤ・・・その・・・」
「なんか分かったからいいや」
「って最近人の心読むの上手いよね?これも鏡夜さんの・・・」
「そうかも・・・いや、どうなんだろう」
ちょっと真剣に考えてみたり・・・
「鏡夜くんにおデンワとメールでv会うのは初めてだけど予想以上にいい男ネーッv」
「蘭花さんこそお美しい。いつぞやは貴重な写真を提供していただきまして」
考えてたら上の言葉が。。。
待って・・・頭が整理できない・・・
鏡夜さんは私を見て「ほらっ」とでも言いたそうな顔をした。
・・・・あっ!そういえばビーチでの時に1度蘭花さんと知り合いって聞いてるんだった!!(8-7話参照)
その時は私は知り合いじゃなかったしなぁ・・・
そう思ってたら、環さんから鏡夜さんへ静かな怒りを込めた手が。
「鏡・・・夜・・・」
「大切な娘さんを部でお預かりするんだ。御挨拶は勿論、定期的な報告は当然の義務だろう?
本来ならおまえの仕事のはずだがな?」
「ホンットよくできた部長さんよねェ〜〜vあら?鏡夜くんは副部長さんだったかしら?
よっぽど才のない部長さんがいらっしゃるのねェ〜〜?ああ!女の子を弄ぶのにお忙しいのねェ〜〜〜?」
「ちょっと!!お父さん!!鏡夜先輩と繋がってるなんて聞いてませんよ!!」
考えてみればハルヒが1番気付いてもおかしくない位置にいたんだ。
ってか1番関係あるのはハルヒじゃん。
ハルヒの訴えに蘭花さんはというと・・・
「えーだってハルヒってば学校の話全然してくんないんだもーーん」
だもーーんって。なんか女子高生みたいな・・・
あっ!環さんがキノコ植えてる。
私もvと思い、足を向けたら
「先輩も人ん家の押し入れにキノコ栽培するのやめてください!!も参加しようとしないっ!!」
「はっはい!!ごめんなさい!!」
ってなんで私こんなに一生懸命謝ってるんだろう・・
「ハルヒ・・・あんたって子は・・・怒った顔もかわいいッv」
親バカってよく言うけど、これは正真正銘の親バカだと私は初めて思った。
ごめんなさい、蘭花さん。。。
「なんつーか・・・激しく誰かを彷彿させる人だな」
「殿の扱いが上手いわけだハルヒ・・・」
「やっぱり馨も光も思った?私も思った。ハルヒに溺愛な時点で環さんに近いし、テンションなんかそのまんまってかんじ」
3人(みんな仲良し1年生)で納得していた。
すると、そこにハニー先輩が。
「ねぇねぇちゃん・・・」
「ん?どうしたんですか?ハニー先輩」
「お腹すいたぁー」
「あっ!!そういえばもうとっくにお昼すぎてますね。ハルヒ、買い物・・・」
そう言うと、ハルヒは玄関へと歩き出す。
無言で。。。
もちろん、それを黙って見送る蘭花さんじゃなく、「どこ行くの?」って言ってた。
「もう1人で買い出し行っちゃいます。すぐ戻るから皆さんは大人しくしててくださいっ」
「あっハルヒ!!俺らも・・・」
「いーの。いーの。言い出したら聞かないんだから」
そんなノンキな、蘭花さん。。。
確かに心配ってわけじゃないけど、荷物持ちもいらないかな・・・?
「私まで置いてかれたし・・・」
「は庶民スーパーなんて行きなれてるっしょ?いいじゃん行かなくたって」
「いや、そういう問題じゃ・・・」
「えっ!?ちゃんスーパーとか行ったことあるの?」
蘭花さんは私がそれなりのお金持ちということを知っている。
にしても蘭花さん!!なんて事を!!
笑顔の奥で“合わせて下さい”ってオーラ出して私はごまかしに出た。
「やだぁ蘭花さん。私ならしょっちゅう行きますよ〜この人達と一緒にしないでくださいよ」
蘭花さんは顔に“?”マークを浮かべて「あら?ごめんなさい」って言った。
よかった・・・まぁ近々バレるでしょうけど・・・
まだ騙しときたいしv
「にしてもハルヒ、本当に1人で大丈夫かな?」
「自立精神は尊重したいけどたまには甘えてほしいわよネー。あの子ってば桜蘭行く話も入学手続きも
全部自分で決めちゃってねエ。ワタシはもっと制服のかわいい女子校に行ってほしかったのにサー。
どうせ特待ならロベリアとかネー」
「「イヤ、ロベリアはちょっと・・・」」
頭にはヅカ部3人が浮かんできた。
まぁロベリアの人みんながってワケじゃないだろうけど。
「せっかくかわいく産んだのに外見はちっとも興味がなくて。それでも中学まではかわいくかわいく整えてあげてたのに
ある日自分で髪を切ってた時にはもう・・・」
「「「心中お察しします・・・」」」
あんなに可愛いハルヒだもんねぇ。さぞショックだったでしょ・・・
しかもこんなに溺愛しているならなおさら!
「だから君達には感謝しているのヨ」
「えっ!?」
「学校でもそれなりに元気にやってるみたいだし、男の子みたいだけどちゃんとカワイクしてくれて・・・
ね・・・?須王環くん?」
「おとうさ・・・」
嬉しそうだよ、環さん。
わかりやすいというか・・・
「君ってばハルヒを最後まで男と勘違いしてたんだってねェ〜〜〜〜?
その上、頭はたいたりしてくれたらしーじゃない?」
この蘭花さんの変わりよう。鏡夜さんにも似てないですか??
ようするに鏡夜さん+環さんってところでしょうか?
「うっ・・・わぁぁぁぁん!!!俺は最低の人間です〜〜〜〜」
環さんはそのまま玄関に向かった。
「「あっ!逃げるぞ!!」」
「まぁまぁそれよりみんなvイイコトして遊ばない・・・?」
その時の蘭花さんの顔は鏡夜さんの企んだ時の笑顔に似ていた。
やっぱり、鏡夜さんを足した人だ・・・
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