「今日は我が家へようこそいらっしゃいました。私、家当主の我王と申します」




父の挨拶の途中、私はハルヒを連れて会場に向かった。







☆Happy Birthday(3)☆







「今回、娘が急な申し出をしたみたいで悪かったね。君たち。まぁ、大人はここで抜けるから、後は楽しみたまえ」




その言葉を扉越しで聞いて、私は扉をあけた。

すると、そこにはみんなの顔が。




。いつまで待たせてるつもりですの?」

「ごめん。千鶴」

「「「(ちゃん)ーーー!!」」」(環・双子・ハニー)

「うるさいぞ。下衆が」




ロベリアって結構汚い言葉を使ってないですか?

特に、紅緒さん。。。。




「ねぇ。コレどういうこと!?」

「そうそう!俺らがこんな金持ちだって聞いてないし!」




初めに寄ってきたのは馨と光。




「ごめんね。黙ってて・・・なんか言い出しにくかったんだ」

「お前らが鈍かっただけだろ」

「「鏡夜先輩っ!!」」

は初めて会った時にハルヒの借金を肩代わりすると宣言したのに、気付かなかっただろ」

「「そういえば・・・」」




双子は黙々と今までの私のセリフや行動を思い返して、納得したようだ。

対するハニー先輩やモリ先輩は私に寄ってきてドレスの裾を掴み、笑ってくれた。




ちゃんすごいねぇ〜v」

「すみません・・・黙ってて」

「えっ?全然いいよv言ってくれたんだしvねっ、崇!」




モリ先輩はコクンッと頷いてくれた。

本当、優しいな。先輩達。

しみじみとしていると、目に入ったのは環先輩だった。




・・・もしかして・・・」

「思い出してくれました?」

家のだったのか・・・ということは・・・」

「はい。環さんが日本に行く前によく遊んでいたです」




私が笑顔でそう言うと、環さんは未だに信じられないものを見ているような顔でこちらを見ていた。




「そうだ!それよりも!今回の主役連れて来ましたよvハルヒ〜入っておいで」




ホールの奥にある扉が静かに使用人によって開けられる。

そして、そこに立っていたのは綺麗に着飾ったハルヒの姿。




「あのっ・・これ・・・」




とまどう様子のハルヒ。




「ハルヒィ〜!!これこそ本来あるべき姿なんだ!!父さんは嬉しいぞぉーー」




一気に回復した環さん。

そして、そのままハルヒにダイブしようとするが、見事に阻止された。

あなたって本当に本能からハルヒをすきなんですね。

もちろん。阻止したのは、ロベリア組み。




「下衆が触るな!!乙女が穢れるではないかっ!!」

「そうですわ!」

「そうよ!そうよ!」

「お前たち下衆な集団に指1本たりとも触れさせはしないっ!!」




ロベリアはハルヒの前に立ちはだかり、壁を作った。

しかし、双子はその後ろをつき、ハルヒの横に。




「てか、ハルヒもかわったねぇ〜」

「そのドレスはの?」

「あっ、うん」

「こらー!!!我々を無視するなぁー!そして触るなぁー!」




見事な突っ込みの紅緒さん。

てか、双子もワザと聞こえるように話してたし。




「まぁまぁ、今日ぐらいはいいじゃないですか。今日はハルヒの誕生日ですし、楽しみましょうv」

「えっ!?あっ・・そっか。今日か」

「「えっ!?ハルヒ気付いてなかったの・・・」」

「だって、いつも祝ってもらったりとかあまりないし」




そう。ハルヒのお母さんが亡くなってから、お父さんも忙しいらしく、ちゃんと祝ってもらえてない。

そのため、私が今回のことを企画したのだ。




「ハルヒ、はい。プレゼントv」




私が先頭を切ってプレゼントを渡すと、みんなも渡し始めた。

ちなみに、私のプレゼントは洋服とネックレス。

ハルヒはあまり自分を着飾ったりしないから。




「みなさん、今日はありがとうございました」




そして、ハルヒのお礼とともに誕生パーティーは幕を閉じた。


















「今日は本当にありがとう」

「いいの。ハルヒの為だもんv」

、そろそろ・・・」

「はい。じゃあね、ハルヒ。送れなくてごめん」

「ううん。ありがとう」




そして、ハルヒの乗せた車は見えなくなっていった。




「疲れたか?」

「いいえ。このぐらいじゃ疲れません。・・・鏡夜さん、今回はありがとうございました」

「何がだ」

「色々手伝ってもらったりして・・・」




鏡夜さんには準備から全て協力してもらった。

この企画についても、全く反対することもなく。




。俺はのためにだったらなんでもするつもりだ」

「鏡夜さん・・・」

「言い忘れていたな」

「??」




私はなんのことか分からず、首をかしげた。

すると、鏡夜さんは私の目線まで顔を下げ、一言呟いた。




「綺麗だ。

「///」




そして、真っ赤になる私を抱きしめ、唇に自分の唇を合わせる。

時間を忘れるぐらい深いものへと変化していきながら。







そして、また明日からいつもの日常が始まる。
















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