ハルヒの誕生日が終わり、10日後・・・それはバレンタイン・デイ。
バレンタイン・デイ・・・それは世紀の乙女の祭典。富豪の娘達もそれは変わらないようで。
この物語はその4日前の話。
お菓子を好むハニー先輩のお話。
☆ハニー先輩のバレンタイン(1)☆
「ハニーくんv今年はどんなチョコレートを御所望かしら?」
「ムース?ボンボン?リボンは何色がお好み?」
「んとねーどれでも幸せvチョコもみんなも大好きだもんっv」
本当、ハニー先輩お菓子好きには驚きです。
「すさまじくご機嫌ですね、ハニー先輩」
「そりゃあハルヒ、大好きなお菓子、チョコがいっぱい食べれる時期だし」
「チョコなんて四六時中際限なく食べているのに今更・・・」
そりゃ、ハニー先輩は毎回ケーキとか何か食べてる気がするけど。。。
将来は糖尿病かな・・・うわぁなんか現実的でいや・・・
「ふふん!!甘いなハルヒ!!バレンタインこどハニー先輩のチョコ好きバロメーターが最大値に達する時!!」
熱弁したら止まらないので、私は環さんをほっとくことにして、鏡夜さんを探した。
あっ、いた。
「鏡夜さん」
「か。どうかしたか?」
お客様より離れたところにいた鏡夜さん。
だから、私のことを普通にじゃなくと呼んでくれてる。
「今年のチョコ楽しみにしててくださいねv」
「手作りか?」
「私が今まで手作りじゃない時ありました?」
そう。今まで手作りじゃなかった時はない。
「ないな」
「でしょ!?今年も頑張らないと!鏡夜さんのお客様に負けないように!!」
「今年は上げる側ばかり考えてないで、返すほうも考えとけ」
「へっ!?」
「として、貰うだろうからな」
「あっ・・・」
そうだった。男装をしている私。
しかもホスト部ときたら、絶対にチョコを渡されるに決まっている。
うわぁ・・・お返しなんてどうすれば・・・
悩んでいたらハルヒがいつの間にかハニー先輩のところにいて、騒いでいた。
何故か、双子も協力してハニー先輩を押さえつけていた。
「ちょっと口開けてみて下さい!!」
「なんでもない なんでもないーーっっ」
「「ハニー先輩おとなしくっ」」
「どうしたんですか?アレ」
「どうもハニー先輩が虫歯らしい」
「虫歯!?」
そんなことを言ってると、ちょうど部に来たモリ先輩。
「あっ、モリ先輩早く!!ハニー先輩が!!」
馨の声を聞いて、状況を見たモリ先輩は大急ぎでハニー先輩の下へ駆けつけ、ハニー先輩を押さえつけた。
正直、キスしそうな勢いです。
そして、口を開けさせると、見事に虫歯が。
「・・・環・・・・・・・」
「ああ・・・はい。わかりました」
えっ!?名前呼ばれただけで分かるんですか!?
「えー・・ハニー先輩は虫歯が治るまで甘いものは禁止!!なお、部全体での協力体勢として
今年のバレンタインは全面的に自粛とする!!」
自粛・・・ようするに中止。
お返しのことは悩まなくて済んでよかったけど、どうしよう。鏡夜さんにも渡せないのかなぁ。
「やっやだ!!崇!!僕痛くない!!痛くないからっ!!」
「禁止だ」
普段口数の少ないモリ先輩の言葉にはすごく重みを感じる。
そのせいか、ハニー先輩は泣く泣く禁止令をくらったのでした。
−次の日−
「どうなるのかな?」
「何が?」
「馨だって気にならない?ハニー先輩」
「あー。そのことね」
「禁止できるのかなぁ?」
「行って見る?」
「・・・・うんっ」
好奇心いっぱいの私はハニー先輩の様子を見に行くことにした。
もちろん、あと2人(光とハルヒ)を連れて。
すると、ちょうどカバンに入れていたお菓子をモリ先輩に見つかって没収されているところだった。
そして、代わりにお菓子の半額セールのチラシを渡されてました。
「見るだけならこれをやろう。本物は預かる」
泣きそう。
ちょっとかわいそうに思えてきた。
『残念ですわ・・・ハニーくんの為に沢山チョコを用意してましたのに・・・』
『よかったら僕が!!甘いものすきだし!!』
『そう?それなら・・・』
たまたま近くを通ったであろう人たちがさらにハニー先輩を奈落へと突き落とした。
「「あーあ。こりゃキッツイわ」」
「かわいそーだね・・・」
「しかし、モリ先輩あそこまで押しが強かったとはね。意外ー。
ハニー先輩の困る事なんてしない主義だと思ってたけど」
「馨、それは違う。モリ先輩はハニー先輩の為だよ。たぶん・・・」
「たぶんって・・・も説得力ないよ・・」
だって、モリ先輩ってイマイチよく掴めないんだもん。
「光と馨もバレンタインなくなると困るんじゃないの?」
「じょーだん!ハニー先輩差し置いてチョコ貰うほうが命知らずだろ」
「でも、昨日の3人もすごかったよ。ハニー先輩抑えてたんだから」
「「「あっ」」」
3人揃って無自覚かいっ!!
たぶん、ハニー先輩が力を出さなかったのもあったんだと思うけど。
「「つーか元々面倒じゃん?お返しとかさー。毎年チョコ持ち帰んのに車余分に呼ばなきゃなんないしネー」」
これぞ。モテ男の理屈。
まぁ、近くにいた男が切れたのは言うまでもナイ。
「ガッカリしているとしたらせーぜー殿と・・・ああ・・それから・・・」
私はそこ後の言葉を聞いて納得したのと同時に少しだけ驚いた。
でも、それなら何故。。。って。
モリ先輩の行動に意味を付けるのが難しかった。
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