ここは第3音楽室。

言わずとしれぬ「ホスト部」である。

そこにはとんがり○ーンを指にはめつつボソボソと食べ続ける1人の人物が。









☆環の本性を・・・(2)☆









「・・・・・・」(全員)

「あからさまに怒ってるよ。着替えもしないで」(馨)

「『凄く近くにいるがあえて目を合わせない』という子供の喧嘩の仕方だな」(鏡夜)

「タマちゃんは寂しがりやさんだからねえ〜〜」(ハニー先輩)

「それよりあのお菓子の正式な食べ方は別にああじゃないって誰か言ってやれよ。
 絶対指にはめないといけないと思ってるらしいから」(光)




新聞部の特集を断ったことがそんなにイヤだったのか、環さんは着替えもせずに隅でお菓子を食べています。




「ねえハルヒ」

「ん?何




私はハルヒだけ集団から少し離し、話を聞くことにした。

だってみんな環さん見てるから。




「ハルヒは知ってる?鏡夜さん達が新聞部を避ける理由」

「自分もさっぱり・・・」

「だよね〜・・・でも気になる〜!!」

「・・・・なら聞こうよ」

「へっ!?」




ハルヒはそう言うと、集団のところに戻って本当に聞いた。




「・・・新聞部に協力してあげるのってそんなにダメなんですか?」

「お」

「何、ハルヒ。珍しく殿サイド?」

「そういうわけじゃないけど・・・も気にしてるし、自分も気になるし・・・」




ハルヒが“も”と言った時点でみんなの目線が自分へ。

思わず鏡夜さんへ視線を向けると、鏡夜さんは呆れた態度をしていた。

何故!?

私はそう思い、鏡夜さんの下へ。




「なんですか。。。その呆れた目・・・」

「呆れてなどいない。ただ、また変なことを考えているのではないかと思ってな」




ギクッ!!



じつは、鏡夜さんたちに内緒で新聞部について調べようとしていたのだ。

内緒にするのは、鏡夜さんはいつもこういうゴタゴタから私を遠ざけようとするから。

優しいんだけど・・・知りたい・・・




「そんなことないですよ。それより、少しぐらいの協力してあげてもいいんじゃないんですか?
 ちょっと冷たい気が・・・それに環さんはずっとあのままだと思いますよ」




私の言葉が効いたのか、その通りと思ったのかは分からないけれど、鏡夜さんは諦めの溜息を軽くついた。




「交換条件をつけるぞ?特集記事の企画はこちらで提示したものにする事。
 基本的にインタビューは禁止。接客風景もお客様にご迷惑だからアウトだ。皆もいいな?」

「「鏡夜先輩がそう言うなら」」

「いいよォ〜〜v」




環さんが明るくなった。

そして、いつものように作戦(?)・・・企画会議がはじまった。


そういうことで新聞部への協力が開始したんだけど・・・。

でも、やっぱりまだ気になるのが私の性格。

思いついたら即行動!!





新聞部への乗り込み決定!!
























−その後



私は現在、新聞部の部室前にいます。

いわゆる盗み聞きv




『そうですか・・・条件を出してきましたか。それは受け入れるしかありませんね』




おっ!素直じゃん。




『しかし、これで・・・まずは敵の布陣に足を踏み入れる事ができたわけです』




ええっ!?今素直って言ったばっかりなのに・・・




『校内における堂々とした恋愛詐欺まがいに中庭等の身勝手な改築。いくらトップ集団といえど、
 ここまでの傍若無人ぶりは須王の権力誇示に他なりません。
 須王 環は自分の力を在校生に見せ付ける為に部を立ち上げたのでしょう』

『しかし、他生徒の抗議は大変まれですね』

『女子は一様に口が堅く、須王を知る男子も適当にはぐらかすばかりで・・・』

『先程も見たでしょう。彼は一見「人当たりがよくお人よし」なバカキャラを演じているのです。
 須王 環・・・恐らく相当の切れ者ですよ。奴には必ず裏がある!!必ずや一大スクープをモノにし、
 新聞部の実力を学院中に知らしめてやりましょう!!』

『『はい!!』』




何それ・・・そういう目的なわけ・・・

私は無償にイラついて抗議しようと新聞部のドアに手をかけた瞬間、腰を抱え込まれ後ろに引かれた。




「キャッ!!」

「チッ」




チッって・・ひぱった方がチッて・・・

微かだったけれど、引っ張られた瞬間覚えのある香水の匂いがした。

腰の次は手を引かれ隣の部屋へ連れこまれた。

新聞部の部屋から誰かが出てきて「誰ですか!?」なんて声も聞こえる。

私は恐る恐る私を引っ張った人物を見て、心の中で“怒られる”そう察知した。




「ハァ・・・」

「鏡・・夜・・・さん?」




そう。私を引っ張ったのは鏡夜さんだったのだ。




「見ていて正解だったな。どうしていつも思いついたらすぐに行動に移すんだ」

「だって・・・許せないから。鏡夜さんはなんで止めたんですか」

1人でどうかなるとでも?」

「うっ・・・」




まるで心を射抜くような目で見られ、ぐうの言葉もない。




「でも!このままじゃ・・」

、心配かけるな。そして、俺を信じろ」




私の耳元で鏡夜さんは囁くと、自然と顔が正面にきてどんどん近くなった。

そして、気が付くと唇には柔らかな感触。



ああ・・キスしてるんだ・・・



なんて心の奥でおもった。

そのうち、舌が入ってきて、優しく私と鏡夜さんの舌が混ざり合う。



とても優しいキス。



名残惜しむかのように離れると、鏡夜さんは私に微笑みかけてくれた。

白い綺麗な笑顔から黒の笑顔へと。




は気にしなくても、俺は考えているんだ。新聞部には悪いが廃部だな」




このとき、の心の中は「くろっ!!」って思ったに違いない。
















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