「だーるーまーさーんーがーこーろーんーだっ!


「だーるーまーさーんーがーーーころんだっ!」




まぁ、見て分かるとおり私達はだるまさんが転んだをしている。








☆環の本性を・・・(3)☆








「部長・・・これは一体何の光景でしょうか・・・」

「私に分かるわけがないでしょう!!」




まぁ、正直私も久しぶりに見たから、その反応はマトモだと思います。

というか、初めてホスト部を体験した人はみんなそう思うと思います。




「説明いります?」

「君は確か・・・君だったね」

「はい。あっ、どうせなら環さんにでも聞きましょうか」




知らせてやるんだ。環さんは良い人って!!

私は新聞部の人を連れて環さんのいる木のところまで寄った。




「“だるまさんがころんだ”を知らなくてビックリされていましたよ」

「そうか、そうか。まぁ驚かれるのも無理はない。これは古くから庶民に伝わる遊びでしてね。
 他にも庶民の遊びにはお金を使わず、身ひとつで楽しめるものがたくさんあるのですよ」

「それがうちの記事とどうつながって・・・」

「親しみやすさ!!」




今日の環さんいつもに増して迫力があるのは気のせいでしょうか・・・




「新聞部のマイナスイメージを払拭し再び読者を掴むためには、親しみやすさが必要不可欠!!
 これぞまさに計算通り!!『庶民の遊びに興じるホスト部美男子達!!
 屋外で春らしい背景も兼ね備えており一面をかざるにピッタリな麗しさ!!
 おまけに一部の庶民も大喜びという夢のような企画なのだ!!」




うわぁ・・・ハルヒ見ているし。うおぉ!コッチまで・・・

これは大喜びするべきなのかな?でも、私、そういうキャラじゃないし・・・

ハルヒにも聞いてみよう。

そう思い、私はハルヒのところまで小走りで駆け寄った。




「これって喜ぶべき?」

「さぁ・・・いいんじゃない・・・たぶん・・・」

「だよね。。。アハハ・・・ハァ」



「藤岡君に君・・・でしたね。君たちは何故この部に?」

「ちょっとした不注意で」

「ハルヒのね」

っ!!」

「そうですか・・・では。この部が『須王』の権力誇示の為にあるという噂は御存知で・・・?」

「え・・・」

「「切ったっ!!!」」




良いところで邪魔をしてくれたのは双子だった。

この時、私が切れそうだったのを察知してくれたのかな?




それから、「色オニ」→「かくれんぼ」になり、それぞれが別々の行動を取り始めた。

私も一緒になって遊んでいたから、走っていると、鏡夜さんに手を引かれ校舎に入っていった。




「あの、校舎もアリなんですか?」

「俺が本当にかくれんぼをするとでも?」

「あっ・・」




確かに、そんなことしそうじゃないね。




「新聞部がそろそろ動き出すだろうからな」

「えっ!?じゃあ」

「部室には馨と光が既に待機している。・・・静かに。来たぞ」






「まったく冗談じゃない!!彼の茶番にはつき合いきれません!!部室に戻り記事を仕上げましょう!!」

「しかし部長!!証拠もないまま須王のゴシップ記事など書くのは危険行為と−・・・」

「今は証拠がなくとも奴が尻尾を出さざるをえなくなるような記事を書けばいいのです。
 しかし鞠が飛んで来たのを利用して怪我の偽装までしたのは、とんだ無駄骨でしたね。
 とにかく明日の一面に奴を陥れる記事を−・・・」




また新聞部偽造を図ろうと・・・

部室に新聞部が入っていくのを見届けると、私たちも部室へと入っていく。

すると、机には双子が座っていた。




「ふーん」

「やっぱそーゆー事なんじゃん」

「ま、バレバレだったけどね」

「気付いてないのなんて殿くらいなんじゃん?あの人、自分の事にはとりわけニブイから」

「貴様ら・・・」

「言っとくけど、うちの殿に手ェ出したらただじゃ済まないよ?常陸院はもちろん、うちの部全員の家を敵に
 回す事になるけど覚悟あんの?」

「やはり親の権力を利用して・・・その指示をだしているのが須王なんだな!?」




なんで、この人はそういう考えしか浮かばないのだろうか・・・




「違うよ〜?タマちゃんはそーゆー事しないよ?あのねぇ僕らはタマちゃんの事が大好きだからねぇ
 だからタマちゃんをいじめる人は許さないの!!」


「「アホだけどネ」」

「彼の人柄のおかげで情報網にも恵まれてますし?それで?ここ数日のおたくらの企みを録音させてもらった
 ディスクはどうしたらいいのかな・・・?」

「「「ヒィィィィ」」」

「これから改心してくださいますね?」

「・・・・分かった」

「ありがとうございます」















「あータマちゃんハルちゃんみっけー」

「殿ってばハルヒと2人で何してたワケー」

「うっうるさい!!」

「動揺してると逆に「「あ〜やし〜」」




あっ、セリフ取られた・・・




「あれ新聞部は?」

「「急用で取材中止だって」」

「何!?」

「これからはマトモな記事書くとか言っていたよ」

「廃部にならなくて済むんじゃん?」

「そうか・・・」




環さんには黙っておくことになったみたい。

なんでかは知らないけれど、この意見には私は賛成かもしれない。




「あっそういえば鏡夜先輩『須王』ってそんなに凄いんですか?」

「ああ・・・まあ7名家のひとつだしな。事業としては古くからの金融業を基盤に手広く扱っているが・・・
 聞いた事くらいないか?ロワグランホテルとか桜都劇場とか。後はおまえも知っての通り学校経営と・・・」

「どこの学校ですか?」

「えぇぇ!?ハルヒそれはマジで言ってるの?」

「うん。えっ、は知ってるの?」

「当たり前じゃない・・・」

「どこ?」

「「「「ココだよ」」」」




魂を抜かれたようなハルヒ。

まるですごい衝撃を受けたかんじだね。。。




「おまえ・・・自分の学校の理事長名くらい覚えといたほうがいーぞ」

「よく考えるとハルヒ。おまえは環の家の援助で入学できている様なものじゃないか?」

「ええ!!?」

「ハルヒでも知らないことあったんだね・・・人間って実感・・・」

、何気に失礼だし」

「ごめん、ごめん。ハルヒじゃなくて馨が突っ込むなんて・・・よっぽどハルヒ、ショックだったのかな?」

「そうだ、

「なんですか?鏡夜さん」

「今日は泊まっていくよな?」




なんでしょうこの気迫は・・・




「泊まります・・・」



そう答えると、鏡夜さんは私の耳元に口を近づけ、囁いた。




「家でお仕置きだ、覚悟しとけ」




と・・・・って!!




「ええっ!?」




泊まるのやめたくなってきた・・・

まぁ、いまさら止めたいって言っても強制連行なんだろうけど。

お仕置きされるのは次のお話。

うぅ・・・






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