紳士のたしなみ レッスン1
ダンスの基本はステップから
「よくって?ハルヒ君」
「クイッククイックスロー。スローで足を揃えるの。必ず殿方からリードを。パートナーをよく見て?」
「はっはい」
ガッ!ドタッ!
「スミマセン春日崎さん・・・!!」
「いいのよハルヒ君」
☆聖なる夜に再び扉は開かれる(2)☆
クイッククイックスローっと・・・
思ったより楽勝かもっv
「こけたハルヒに対してはスムーズだな」
「なんか、慣れてるかんじだよね」
「ちゃんはすごいね〜♪」
「にしても・・・たそがれてんなー殿」
声が気になり環さんを見てみると、窓際で見事にたそがれてますよ。
しかも、ちゃっかりポーズとってるし・・・
「自分がハルヒの練習相手になりたかったんだって。アホだよね・・・」
「疲れた〜!!金澤さん、少し休みませんか?」
「はいっ。君は上手くて練習する必要ないんじゃないですか?」
「そうでもないですよ。金澤さんのかげでもありますって。俺なんてまだまだ・・・。
あっ、ハルヒー、春日崎さんも休憩しませんか?」
ハルヒ達を呼ぶと2人共練習を中断させてテーブルのところにまで来たので、私は春日崎さんにも飲み物を出そうとしたら、
鏡夜さんがもう準備をしてたらしくて、変わりに出してくれた。
「あら?ティーセット新しくしたの?ジノリね」
「さすが、お目が高い。本日入荷の品ですよ」
「そう、いい色ね・・・」
春日崎さん、食器にすごく詳しいみたい。
「・・・食器がお好きなんですね」
「べっ別に!?好きじゃないわよ!?やあね何言っ・・・あつっ!!」
「大丈夫ですかっ??」
そんなに動揺しなくても。
本当は好きなんだろうな。
「ほ保健室に・・・」
「ありがとう。君にハルヒ君。じゃあお願いしていいかしら」
私とハルヒと春日崎さんの3人で保健室へ向かった。
ここから1番近いのは第3保健室のはず・・・
コンコンッ
「先生―――・・・」
ガチャ
「先生なら留守だけど・・・」
この人見たことある。
どこでだったかなぁ?
「えっ・・何?やけど・・・?」
「そうなんですよ。紅茶こぼしちゃって」
「ちょっと見せ・・・」
「結構よ」
「ヤバ・・・言っちゃいけなかったかなぁ?」
「大丈夫だとおもうけど。」
「ハルヒ君に診て頂くから」
「えっ・・・でも・・・助手の方がいるなら、その方に・・・」
「僕は一般の生徒だけど」
「ハルヒ・・見ればわかるじゃん。制服着てる」
「あはは」
春日崎さんが突然笑い出したので私はビックリしてしまった。
なに?突然!?
「ハルヒ君ったら。でも、無理ないわ。とても一流企業の御曹司には見えないものね?」
「はは・・・」
「大体ナゼここに?まさか私達が来るのを見て先回りなんて・・・」
「いや先生方に挨拶回り中で・・・今学期中に済ませなきゃならないからね。留守なら出直すよ。じゃあ・・・」
パタン・・・
あっ。。。出て行っちゃった。
誰だったかな??思い出せない。
一流企業の御曹司なら知ってるはずだし・・・
私は、会った時からずっと気になっていた。
どこかで会ったはず。
にしても、春日崎さん元気がないな・・・
寂しい感じがする。
そう思ってたらハルヒが春日崎さんに聞こうとしたらまた春日崎さんは慌てた。
「知り合い・・・「知らない人よ!?やあねハルヒ君何言ってるの!?」
完全に知り合いだよね。
「やけどもたいした事ないし、今日は失礼するわ。ごきげんよ」
バンッ!!!
「怪我・・・」
うわ〜!モリ先輩の声だぁ〜♪
ってそうじゃなくて、出ようとした春日崎さんが突然入ってきたモリ先輩(ハニー先輩背負って)の開いた扉にぶつかり顔面打った。
痛そう・・・
春日崎さんはヨロヨロしながら出ていった為、私は、春日崎さんを支えて教室まで送ろうと思い、廊下に出た。
「春日崎さん!!教室までお送りします」
「あぁ・・・君。大丈夫よ。ありがとう」
「しかし・・・」
「お気持ちだけ受け取らせていただくわ」
「そうですか。それでは、お大事に」
「ええ」
結局は送れなかった。
さっきの男の人誰か聞こうかと思ったんだけどな。
私は、保健室に帰ってくるなりハニー先輩の声を聞いた。
「2年C組 珠洲島 亨くん。春日ちゃんのいいなずけv」
「あーーー!!」
「!?突然どうしたの?!」
「ごめん!ハルヒ。ちょっと用事!!」
そう言うと私は保健室をダッシュで走って出ていった。
目指すは珠洲島さん!
私は2年生の教室がある校舎に着くなり、C組に直行した。
しかし、教室には珠洲島さんの姿が見当たらない。
どこ行ったのかな?
「君。どうしたの?」
「あっ!朝日さん。じつは、珠洲島さんを探してるんですが・・・」
「あー。さっきまでいらしゃったわよ。たしか、職員室に行くとか言ってたけど」
「ありがとうございます」
朝日さんとは、私の常連客。
いい情報ゲットできた。私は、職員室に急いだ。
ちょうど職員室に着く頃、珠洲島さんが職員室から出てくるところだった。
「あのっ!珠洲島さんっ!!」
「君はさっき・・・」
「少しお話いいですか?」
「ああ・・・」
私と珠洲島さんは職員室に1番近い第2美術室の準備室に入った。
ココなら人は滅多に出入りしないから。
「あの、話って・・・」
「お久しぶりですね。珠洲島さん」
「えっ!?君とは初対面だと思うけど」
「そう思うのは無理はありません。俺いや、私は前はもっと髪も長かったですしね」
「女の子っ!?」
「はい。 です。覚えてませんか?」
「いや、覚えてるよ。でも、なんで男の姿で・・・?」
「それは話せば長くなるので。あの、春日崎さんのことなんですが」
「奏子がどうかしたのかっ?」
そんなに心配なのに、なんで・・・
「別に春日崎さんがどうかなったわけじゃありませんよ」
「なんだ・・・(ホッ)」
昔、私はあるパーティーに呼ばれた。
それはもちろん家族で呼ばれたもの。
当時小5だった。
私は1人でウロウロしていたら珠洲島さんが声をかけてくれたの。
それから少し話してるうちに色々と教えてくれた。
珠洲島さんにはとても好きな人がいるということ。そして、両想いだということ。
その時はとても幸せそうに見えてたのに。
「なんで、春日崎さんの行動に対して何も言わないんですか?」
「どういうこと?」
「春日崎 奏子さんはホスト部の常連になってるのはご存知なんじゃありませんか?」
「知ってるよ」
「では、なぜ何も言わないんですか?」
「僕は愛想つかされてるからね。それに、僕も留学して自分を変えたいんだ。そして、また奏子に」
「想いを伝えると?今の珠洲島さんの気持ちを春日崎さんがおわかりだと思ってるんですか?
何も言わずに留学してそれを待っていろと?そんなの自分勝手です!!」
バタンッ
しまった・・・言いたいこと言って出てきてしまった。
私は廊下を思いっきり走っていた。
なんか、ムシャクシャしたから。
そしたら、見事に誰かとぶつかった!
「きゃっ!」
しまった!!今キャッって言っちゃった!
しかも、なんか抱きつく形になって、むこうの手が私の背中に・・・
「。何をしている。俺じゃなかったらどうするつもりだ?」
「えっ!?」
私は上を向いた。
そこには、鏡夜さんが。
「鏡夜さんっ?!」
「あぶないな・・・」
「ごめんなさい・・・」
「そろそろ帰るぞ」
「あっはい。鞄を持ってきます」
「ココにある」
鏡夜さんの手には私の鞄が。
私は結局鏡夜さんと2人で校門まで一緒に帰った。
今日は別々の車で帰ったけどね。
しかも、私の家の車は校門から少し離れていた。バレないようにひっそりと。
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