紳士のたしなみ レッスン2
熱き討論が自立精神を養うものなり
☆聖なる夜に再び扉は開かれる(3)☆
「皆の衆。珠洲島氏と春日姫の確執について言及せよ!!」
「あのう・・・ダンス特訓は・・・」
「ハルヒ、分かってると思うけど聞くだけ無駄だよ」
「・・・」
なぜ、こういうことが始まったのかも不明だしね。
「まず、常陸院ブラザーズ!!」
「「はっ!!2人は幼馴染。婚約は両親による決め事のようであります!!」」
「次!!鏡夜。珠洲島氏についてのレポート!!」
「ああ。成績優秀 家柄まあまあ 容姿人並 いわゆる『C組』だな。
まじめさが取り柄で、来春からは英国留学が決まっている。難を上げるなら・・・」
「「影が薄い。気が弱い」」
「つまり『地味』だ」
鏡夜さんまでひどくないですか??
「大体筋は通るな」
「「は??」」
私とハルヒは環さんの発言に対して全く意味がわからなかった。
「姫の病気の理由さ。“将来あんなさえない男と一緒になるなんて愚の極み”」
「“せめて今のうちは好きに遊んでおきたい”フツーに見れば、そーゆー流れなわけ」
私はそうじゃないと信じたい。
「そうなんですかねぇ・・・」
「違う・・・」
「??」
やばっ!つい、声に出ちゃったよ。
まぁ、ハルヒならバレてもいいんだけど・・・
ココには、双子もハニー先輩もモリ先輩そして、環さんもいるからなぁ。
「ハルヒ、。ダンスのほうは順調か?」
「光・・・今日が潰れなければね」
「の言うとおり、今日練習していればね」
「まぁ、なんとかなるだろ。それよりさ」
何?馨・・・イヤな雰囲気がしてきたのはナゼ??
「ここで問題です」
「『珠洲島』の名でネット検索すると出てくるのはなーんだ?」
簡単じゃんv
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December.24 PM5:00
中央棟 大広間
「今宵集まりし 子羊達よ
この日を共に 過ごす幸運と 至上の美に感謝を
主の祝福と共に その扉を開き給え
桜蘭ホスト部 X`masパーティーへ ようこそ・・・!!」
目が痛い。なんなの?この明るすぎる大広間はっ!
まだ、目の上が痛いし・・・
「「はーいvお嬢様方カード勝負はいかが?」」
「「1ゲーム勝利で1ポイント&豪華景品!!得点上位獲得者にはラストダンスを部員と踊る権利が!!
そしてなんと!!
トップ賞にはキングより祝福のキッスが!!」」
目の次は耳が痛い・・・
そう、キッス宣言により客が盛り上がったのだ。
ドレス着たかったなぁ。
「ハルヒっ!テンション低いぞ」
「こういうのは慣れていないのです。クリスマスなんて、次の朝 父が職場から持ち帰ったケーキを食べるくらいで・・・」
「え〜じゃあ、ハルちゃん1人ぼっち?」
「そうですね・・・去年は確か『加藤家の食卓 クリスマスSP』を・・・」
「あー庶民の為の 庶民の知恵番組ねー」
「「僕らにゃ 無縁だけどねー」」
「ああ、そういう反応だろうと思ってました」
ハルヒ、冷めてる・・・
「何故だ・・・!!なぜおまえは、そう物事に淡泊なんだ・・・!!お前の愛する加藤家の皆さんが馬鹿にされたんだぞ!?」
まって・・・さっき、『あー庶民の為の 庶民の知恵番組ねー』って馬鹿にしてたのは、環さん。あなたじゃないですか!?
しかも、涙ながしながらハルヒの両頬はさんでるし・・・
「何故そこまで愛せましょう」
ハルヒより環さんのほうが愛してるように見えてしょうがないんだけど・・・
「ちゃんは、クリスマスは毎年どんなかんじなの?」
「え〜俺ですか?俺は・・・秘密です」
「「えー もしかして、ハルヒと同じ??」」
「だから、秘密だって」
「じゃあ、ちゃんもハルちゃんと同じ1人ぼっちなの?」
「それは、違いますよ」
「彼女とか?」
「光、違うよ」
「なんだぁ。寂しいな」
「馨だって同じでしょ!?(♪〜♪〜〜♪)あっ!ごめん!携帯が。ちょっと失礼します」
私は、人気のない教室を探して入った。
「もしもし?」
『様でしょうか?』
「はい。どうかしたんですか?」
『今日の夜、鳳様の家に鏡夜様と帰られるようにとのことです』
「どうして?」
『今日はご存知のとおり、ご主人様と奥様は鳳様の夫妻とお食事に行っております。
そこで、今日はお二人とも鳳様の家に泊まるとのことでして・・・』
「わかりました」
『あのっ、鏡夜様にもお伝えするように聞いておりますので』
「鏡夜さんにですね?必ずお伝えしときます。急に私が行っても驚かれると思うし」
『それでは失礼します。御楽しみのところ申し訳ございませんでした』
「お疲れ様」
ピッ!
「俺がどうした?」
「鏡夜さんっ!?」
携帯を切った途端後ろから声が・・・
「どうしてここに?」
「たまたま通りかかった時にの声が聞こえたからな」
「そうですか。じつは、今日は私と両親が鏡夜さんのお家に泊まるそうなので、帰りは御一緒に・・・とのことでした。
それを、鏡夜さんにもお伝えするようにと」
「そうか。今夜は一緒だな」
「はいっ!」
微笑みかける鏡夜さんに私は嬉しくて思いっきり返事した。
そして、鏡夜さんの手元を見ると女性の衣装が・・・なぜ??
そう考えてると鏡夜さんは気付いたのか、教えてくれた。
「ああ、コレか。じつは・・・」
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