「ああ、コレか。じつは・・・」









☆聖なる夜に再び扉は開かれる(4)☆









鏡夜さんは、言うのを止めて「ついて来い」と一言。

私は、鏡夜さんの後を小走りで付いて行った。

そしたら、そこは大広間控え室で双子がいた・・・一体何が!?




「あの〜・・・一体何が・・・」




恐る恐る、私は鏡夜さんに聞いたら、鏡夜さんは「見ていろ」との一言だけ。

なんか心配になってきたんですけど・・・

いっときしたら、ハルヒを抱えたモリ先輩がっ!




「おっ!来た来た」

「なっ!?ちょっと一体・・・」

「いーからさっさと着替える!!時間ないんだから」

「はっ!?」




ハルヒも意味が分からず、戸惑いながらもさっき鏡夜さんがもって来た洋服を渡されて着替えに行った。

まぁ、私も意味が分からないんだけど・・・

着替えが終わり、出てきたハルヒに馨と光がメイクをしだした。

その間に鏡夜さんが言い出した。




「いいか?リミットはパーティークライマックスまでの20分。
 既に2−Cの教室に珠洲島氏を呼び出してある」




はい?一体なにが・・・




「上手く気持ちを聞き出してねv」

「困るよな〜殿ってば昨日、急に計画言い出すんだもん」




と、ハニー先輩と馨が言った。

それを聞いて私はなんとなくだけど分かった気がする。

先輩とかみんな気付いてたんだ。

やっぱり、ホスト部はすごいな。


その時、ドンッとドアが開いて環さんが突入してきた。




「こらッ!全員でこっち来てどうする!!お客様の相手も――――・・・」




環さんは振り向いたハルヒを見て絶句してる。




「上出来!!どーよ 殿」

「あ・・・うん・・・」




完全に環さんは見惚れてるよ・・・

私もハルヒみたいに綺麗になりたいな。




「「よっしゃ!行って来い」」

「ハルちゃん頑張って」




ハルヒは慣れない靴のせいかちょっとギクシャクしていたけど大丈夫かなぁ?

というか、私は環さんが鼻血を出さないかが心配になってきた。

一人で真っ赤になってる環さんに私は近づき、話始めた。




「可愛いですよね〜ハルヒは。ねっ!?環先輩」

「!!!!!!!っ!?」

「でも、見てなくていいんですか?ハルヒ行っちゃいましたよ」

「えっ!?」

「早く、行ってあげてください」




環さんは本当に世話がやける。

私の言葉を聞いて環さんは教室まで歩いて行こうとしたその時。




「あっ!!環、仕事を忘れてないか?春日崎様をお連れして行かなければ意味がないぞ」

「あっ!!」




思い出したかのように環さんは大広間へ消えて行った。






、大広間へ行くぞ」

「あっ,ハイ」




私は鏡夜さんに呼ばれてコトコトとついて行った。

正直、あの2人が気になってしょうがない・・・

鏡夜さんは窓際で止まり、時計を見始めた。

私は隣で中庭を眺めていた。

そしたら、鏡夜さんが横から「10・9・8・・・・」とカウントを初めた。

私は不思議そうに鏡夜さんを見ていたら、「外を見ていろ」と一言。

渋々、外を見ていてカウントが「3・2・1」とされ、つぎの瞬間!



中庭の木に明かりが灯されて、クリスマスツリーが現れた。

それは、とても綺麗で見入ってしまっていたら、鏡夜さんが横から小声で。




「メリークリスマス」




と囁いてくれた。

そして私も笑顔になり




「メリークリスマス」




と言い返した。

そしたら、鏡夜さんが顔を逸らしてしまった。

嫌われたっ!と思った私は、「鏡夜さん?」と聞いたら、




「スマン。お前が最高の笑顔で言うから照れてしまった」




だって。

言われた私も恥ずかしくなったよ。



外では珠洲島さんと春日崎さんがいて、上手くいったことを悟ることができた。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――




『ラストワルツです』




アナウンスが聞こえ、私と鏡夜さんは離れてそれぞれ待っているお客様のところへ行った。

踊ってる途中にハルヒを見ると幸せそうな顔をして・・・

私も自然と笑顔がこぼれた。




君どうしたの?」




私が笑顔だったのを不思議に思ったのか、ダンス相手のお客様から声がかかった。




「いえ。今日はいい日だったと思いまして」




そう返すと、「そうね」とお客様も満足した顔をされた。




『それではラストイベントです』




もうそんな時間か・・・




『本日のトップ賞 都姫に贈られます 祝福のキッスをキングより・・・藤岡ハルヒ!!』




はい?まてぇ〜い!

ハルヒは女でしょうがっ!お客様は男と思ってるでしょうけど・・・

っていうか、一体誰がそんなことを!?

もちろん反対する環さんが。




「オイ!!?」

「「だってラストにはアクシデントがあった方が盛り上がるって、鏡夜先輩が」」




驚いた私は鏡夜先輩を目で探すと・・・いたっ!

ハルヒの耳元で囁いてる。

ちょっといい気がしない。恐らくキスの件でやらせようと囁いてるのかもしれないけど・・・

でもっ!やっぱりイヤっ!



私はそう思うと大広間から抜け出した。



控え室で丸くなってると、大広間から「キャー」「環様がキスを阻止しようとした」だの聞こえてきた。

恐らく、ハルヒがキスしたのを環さんが阻止したんだが上手くいかなかったのだろう。


しかし、今の私にはそんなことはどうでもよかった。

自分がこんなに心の狭い人間だとは思わなかった。

分かってるのに・・・・鏡夜さんはそんな人じゃないって分かってるのに・・・


私は盛り上がってるのも聞きたくなくて、中庭に足を運んだ。

そこには、珠洲島さんと春日崎さんがベンチに座っていて、なんかすごく羨ましかった。




「あっ、君は」

君じゃない。どうしたの?」

「いえ・・・」

・・・あっ、さっき君と同じ事を言った子がいたよ」

「えっ!?」




私には何がなんだか分からなかった。

春日崎さんも不思議な顔をしている。




「『伝えもしないで分かってもらおうなんて無茶』だってね。ああ、あと『自分勝手』とも言われたよ」




苦笑いしながら言う珠洲島さんに私も自然と笑いがこぼれた。

恐らく、それはハルヒが言ったことだと思う。

今日、ハルヒが珠洲島さんと話してるはずだから。




「で、君」

「はい?」

「どうして、そんな悲しい顔をされてらっしゃるの?」

「えっ!?そう見えますか?」

「ええ」

「そうだね。僕を説教した時みたいに覇気がないよ」




自然と俯いてしまう自分がいた。




「珠洲島さんを説教する権利なかったみたいです・・・」

「「?????」」

「自分の恋人を分かっていても信じられないなんて・・・」

君、誰しも完璧な人じゃないわ」

「・・・・」

「あなたが信じることが出来ないのもしょうがないことだと思う。でも、聞いてみるのが1番なんじゃない?」

「そう。僕に言ったじゃないか。『伝えもしないで分かってもらおうなんて無茶だ』って・・・」

「あっ・・・」

「思ったことぶつけてごらんなさい」




その時、ちょうど校舎から自分を呼ぶ声が。




っ!」

「鏡夜さ、先輩」




危うく「鏡夜さん」と呼ぶところだった。

鏡夜さんは私に近づいてきた。




「探したぞ」

「・・・ごめんなさい」

「どうした?」




私達の様子を見て、私の正体を知っている珠洲島さんが気を使って春日崎さんを連れて校舎に入ってくれた。

私は鏡夜さんと向き合ったまま、目を合わせることができずに俯いてしまった。




「あのっ!」

「なんだ?」

「鏡夜さんは私のこと好きですか?」

「急にどうした」

「いいから、答えてくださいっ!」

「・・・・スキに決まっているだろう」

「本当ですか?」

「本当だ」

「じゃあ、他に好きな人はいませんか?」

「?、本当にどうした」

「私、心配なんです。鏡夜さんはハルヒが好きなんじゃないかって」

「ハァ・・・」




呆れられてる!?

鏡夜さんが溜息をついた。

そして、低い声で一言。




、目を見ろ」

「っ!!!?」




わたしは、ビクッと反応していしまい、恐る恐る上をむいた。

なんとそしたら、




鏡夜さんの唇が私の唇に・・・・




「んっ・・・」




私の唇を割って鏡夜さんの舌が入ってきて私の口内を犯された。

私は立っていられず、しゃがみ込もうとした時、鏡夜さんが支えてくれた。




「ハァハァ・・・」

「まだ、分からないか?」

「・・・・・・・いえ」

「俺はお前を離したいとは思わない。それに、以上に愛する奴もいない」




私は、嬉しくなり、恥ずかしくもなり、俯いてしまった。




「なんだ?今度は照れたのか?」

「誰かに見られたらどうするんですかっ!!」

「きちんと周りは確認済みだ。まぁ、バレても俺は一向にかまわんのだが」




その後、鏡夜さんの愛を知ることのできた私はニヤけてたらしく、ハルヒに「顔緩んでる」と何回も注意された。

帰りの車では鏡夜さんと一緒に帰り両親にも挨拶を済ませて、鏡夜さんと2人で過ごすことができた。













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