「で、どうする?ハルヒ」

「ん〜・・・宝積寺さんは何がしたいですか?」

「私、鏡夜様にクッキーを作ってみたいですわv」

「じゃあ、調理室にいきましょうか」









☆ホスト部大ピンチ!?(3)☆









というこで、今私はハルヒと宝積寺さんとの3人で第1調理室に来ています。




「ハルヒくん、ハルヒくんvクリームに砂糖はもう入れてよくて?」

「あ…ハイ。チョコレートの方はどうなってますか?」

「それならホラ、ちゃんと溶かして…」

「「直火はダメっ!!!!」」




なんというお嬢様・・・チョコレートを直接鍋で煮るとは・・・




ハルヒはジンジャークッキーを作ってる。

私は久しぶりに作るんだけど、チョコチップクッキーを主に。

お嬢様は色々作るらしくって・・・

で、私は1人で作ってた。もう、あとは焼くだけv




くん、教えてくださらない?」

「あっ、いいですよ」




で、その頃本物の男性陣は―――――


調理室を覗いていた・・・




「ちなみに何の作業だ?アレは」

「きょーちゃんにお菓子作ってくれるってーv」

「やっぱ、パン屋とかと勘違いしとる・・・ハルヒももかわいそうに」

「馬鹿者!!お前らの目は節穴か!?甘い香りの満ちた室内。焼きたてのかわいらしいお菓子達。
 そして、仲睦まじいクラスメイトの女子2人!!」

「タマちゃん、ちゃんもいるよーv」

「にしても、光。の手際上手くない!?」

「馨もそう思った?」

「まぁ、それは置いといて。すべては計算通り!!!これは、ハルヒを乙女に目覚めさせる一大プロジェクトなのだ!!
 女の子同士特有のやわらかな雰囲気がハルヒに女としての自覚をうながし…「うるさいわよ、ニセ王」

「ちょっと、宝積寺さんっ!クッキー忘れてる」

「ああ。君ありがとうv」




私は調理室に忘れていったクッキーを宝積寺さんに手渡した。

外の様子を見るからにして宝積寺さんが環さんに何か言ったのが良く分かった。

だって、環さんが沈んでるから・・・

宝積寺さんは、クッキーを持って鏡夜さんの所に行った。

私は帰りにでも渡そうと思い、ラッピングしていた。




「鏡夜様vハルヒくんとくんに庶民クッキーを教わりましたのv
 れんげ、お料理なんて初めてだからちょっとコワかったーw」




そう言いながら、鏡夜さんの前にクッキーを差し出した。

宝積寺さんのは焦げてて食べれたものじゃないと思うけど・・・

作りなおせばいいのに。

それを見て鏡夜さんは




「そうだな・・・かなりいい色に焼けているね」

「そうなの。ヘタクソなの!!」




いい色って・・・物事は言い方でなんともなると学べました。

しかも、宝積寺さんはヘタクソなのを自慢(?)してるし・・・




「でも、分かってますわ…鏡夜様ならきっと、『君の作った物ならごちそうだよ』って…」

「まずい」(光)
「なんじゃこりゃ岩か」(馨)
「おいしくないねえー」(ハニー先輩)
「・・・・」(モリ先輩)

「シャ――――――――――――――」



宝積寺さんが蛇化した。

恐ろしい(汗)





「口直しv」




と言い、光はハルヒが咥えていたクッキーを口移しで食べたっ!!




「あれハルヒ、クリームついてる」




と言い、馨はハルヒの頬についているクリームを舐めたー!!!

もちろん、そんなところを見逃さない環さんであって・・・




「△×〇◇!!〇☆△◎!!!!」

「声、出てませんよ、環先輩」

、ほおっておけ」

「鏡夜先輩。。。そうですね」

「とりあえずクラスメイトの男子とはかなり仲良しだな」




で、本人のハルヒは・・・




「馨、言ってくれれば自分で取るし、光も欲しけりゃこっちにあるんだから…」

「おおおおまえのリアクションは間違っています!!!そこは拒絶すべき所であって軽く流す所では」

「セクハラはやめてくださいキス魔先輩」




また、ハルヒの両頬を持って熱烈に発言するからハルヒにセクハラ呼ばわりされたよ。




「?」

ちゃんどうしたの?」

「あっ、ハニー先輩。キス魔って何ですか?」

「あのね、キスしたがる人のことだよv」

「いえ、そういうことじゃなくて、なんで環先輩がキス魔なのかと・・・」

「ああ!クリスマスの時にハルちゃんのキスを阻止して自分がしようとしたから〜w」

「ああ。なるほど」




私が拗ねてる間に色々あったみたいです。




「ところで、のクッキーは?」

「ああ、コレ?光食べる?」

「にしても、男がクッキーとはな」

「っ!?ほら、俺の場合は料理が好きだからだよっ」

「なんでそんなにあせってるわけ?」




そう言いながら光がラッピングを広げたら横から手が。

どうせ馨だろう。




「馨〜そんな急が…鏡夜さんっ!?」




なんと、鏡夜さんがクッキーを取って食べた。

しかも私、とっさのあまり「さん」で呼んじゃったし・・・




「鏡夜先輩もクッキー欲しかったんですか?」

「ああ」

「どんどん食べてください」

「ああ」




なんか怒ってる??「ああ」しか言わないし・・・

その後、馨も光も私が作ったクッキーをバクバクと食べていた。

そのスキをみて鏡夜さんのところへ。




「あの、何か怒ってません?」

「普通は俺の元に1番に持ってこないか?」

「帰りに渡すつもりだったんです。光達が食べるなんてのも予想外だったし・・・」

「そうか。ならいい」

「もしかしてヤキモチやいてくれたんですか?」

「・・・」

「ありがとうございますw」




無言だったけど、それは鏡夜さんの肯定でもあるから。





そして、問題キャラの宝積寺さんは―――――――

なんと、ハニー先輩をつねっていた。

もちろん泣きながらモリ先輩のところへ行くハニー先輩。




「…ぬるいですわ…総じてキャラがぬるい!!」

「あの〜どういうことでしょうか・・・」

「いいですか、くん。
 あまりに『影』が欠如していますわ。乙女は美男の『トラウマ』に弱いもの!!
 そんなバカみたいなノリだけでは飽きられるのも時間の問題!!
 あなた方は鏡夜様のお店を潰す気ですの!?」




完全に鏡夜さんのお店だ・・・




「今日からキャラを一新します!!まずあなた!!」




と先程つねられたハニー先輩。




「外見も中身も可愛いだけなら幼児と同じ!!・・・・よって『かわいい顔して実は鬼畜』―――――!!!」




そして、息継ぎをどこでしてるか分らないほどの速さでどんどん言っていく。




「銛之塚先輩!!埴之塚先輩につき従いつつもその身を案じている!!たまにしゃべる一言に絶大な重みを!!

 双子はあまりの酷似ぶりに個別意識されない悩みがある!!そしてバスケ部!!

 ハルヒくんは超貧乏な優等生でイジメにあっている!!

 くんは両親が音楽家でサラブレッドだが、その為に自分の努力は認めてもらえないっ!!」




すごいっ!!宝積寺さんって私の家の事知ってる??

だって、私の両親は音楽家だから。もちろん企業の副職としてだけど。

作曲や作詞をしているの。




「そして環さん!!
 外見ばかりを評価されじつはコンプレックス抱える学院のアイドル『孤独な王子』!!」

「・・・ぴったりだ・・・」




どこがっ!?





「鏡夜様は完璧ですわvいつまでも慈愛に満ちたあなたでいて・・・・w」

「光栄だよ」




たぶん1番間違ってる…(みんなの心)




「「鏡夜先輩さあ・・・どうにかしてよ、あの姫」」

「さて・・・?世話はハルヒに一任してあるしな。それにほら」





『れんげくん、れんげくん!!孤独のポーズとはこんなものだろうか・・・?』

『まあvなかなかですわ環さん!!』




「部長が乗り気だ」




にしても、本当にこういうのスキだよね。。。環さん。




「まあ、様子を見ようじゃないか。面白いことになるよ・・・・たぶんね?」




笑顔がコワい・・・

鏡夜さん、やはりあなたは策士かも・・・














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