ハルヒは宝積寺さんに呼ばれており、私は遠くから話が終わるのを待とうと思い、
証明がセットされている柱に寄りかかり2人の様子を見ていた。
☆ホスト部大ピンチ!?(5)☆
「ハルヒくーん!ちょっと手伝って頂けるー?」
「ハイ?何か・・・」
「この方々に出演交渉したいと思ってv」
「あ?なんか用か、特待生」
そこにはD組み(主に成り金&ヤクザの息子)の人が2人。
そして、熱弁を始める宝積寺さん。
「クライマックスには悪役がつきものですものね!!バラバラだった部員達が
仲間を真の悪者キャラによって傷つけられた事によって1つになる!!」
「ちょ・・・っ、れんげちゃ・・」
『ああ!?なんだ、なんだ!?』
『この女ひでえぞ!!』
ああ。。。意外に純粋なD組みなのね。
しかし、気にしないで熱弁を続ける宝積寺さん。
「最後は鏡夜様の感動的なお言葉で学校一の不良も改心するという素晴らしいエンディングなのですわ!!」
「れんげちゃん・・・」
慌てるハルヒが。
でも、ハルヒは熱弁が終えた宝積寺さんに話はじめた。
「そういうのって便利なのかもしれないけど・・・【枠】で人を計ってたら見えないものもたくさんあるんじゃない?」
「・・・?言っている意味がよくわかりませんわ?さっ!!とにかくこちらでスタンバイを・・・」
ハルヒの説得(?)も駄目みたい。
でも、ハルヒはいつもサラッと凄いこと言うよね。
本当にうらやましい。
宝積寺さんはグイグイD組みの人を引っ張って行く。
しかし、今まで何も言わなかったD組みの人達がつに切れた。
『こらテメエ、さっきから好き勝手言いやがって!!A組みだからって図にのってんじゃねえぞ!!』
「キャッ」
「危な・・」
D組みの一人が宝積寺さんにつかまれていた手を離し、突き飛ばした。
それが私のいる証明の柱に向かって。
私は怖かったが、逃げるとモロに宝積寺さんが柱にぶつかると考え、その場から動くことをしなかった。
ハルヒも走って私の方向へ来ていた。
「っ!!!」
ガンッ!!!!!!
ハルヒは無事に宝積寺さんには間に合った。
おかげで、衝撃は私とハルヒのみで済み、宝積寺さんは無事だったみたい。
完全に倒れた私は背中が痛く、立ち上がることが出来ずにいた。
痛みで涙が出てくる。
ハルヒもどこか打ったらしく、かがんでいる。
「ハルヒくん!!くん!!だ・・・大丈夫・・・」
「大丈・・・痛・・・」
私は痛みで声がでなかった。
だせるほど余裕がなかった。
もの凄い音で気付いたのか、環さんやみんなが駆けつけていた。
「ハルヒ!?!?なんだ今の・・・」
『『げっ!!須王!!』』
慌てるD組み。
環さんはハルヒを見た瞬間D組の1人を殴った。
そして、ドスのきいた声で
「手ェ出したのはどっちだ」
『べっ別に俺らはそんな・・・』
「なんなら2人そろって退学にしてやろうか?」
それを見ていたもう1人は・・・
『まて!!先に絡んできたのはそっち・・・』
と言ったが、後ろに立っていたモリ先輩に驚いて続きがでてこなかった。
「「せんせーこっちー。D組みの人達がコワーイ」」
ほとんど棒読みに近い双子。
『うわっ!!逃げろォ!!!』
棒読みでも効いたのか、逃げて行った。
環さんはハルヒの元へ駆け出してハルヒの心配をしていた。
双子は私の元へ来てくれて、倒れていた私を起こしてくれた。
「大丈夫か?」
「心配かけちゃったね、」
「それよりどこ打った?」
「背中。モロにくらった・・・」
そんな会話をしていたら宝積寺さんの声がした。
「カ・・・カメラ!!押さえまして!?今の流れ!!
これよ!!まさに理想的ですわ!!
あとはラストに鏡夜様の感動的な(ガシャッ!!!)・・・」
鏡夜さんがカメラのレンズを壊したのだ。
『今までの映像がーーーー!!』
ショックを受けているカメラマン。
鏡夜さんの行動に驚いた宝積寺さんは・・・
「きょ・・・鏡夜さ・・・」
「申し訳ないが、部員の暴力行為を記録に残す訳にはいかないんでね。
こういう迷惑のかけられ方は非常に不愉快だ」
睨みながら言う鏡夜さん。
はっきり言って怖い。
怒ってる鏡夜さん、久しぶりに見た・・・
「なんでぇ?鏡夜様なら『きにしなくていいよ』って・・・
優しく頭をなでてくれて・・・鏡夜様なら・・・」
「や、でもそんなの鏡夜じゃないし」(環)
「まー、いいけどね。割と面白かったし」(光)
「ねーv」(ハニー)
「好きになる理由なんか人それぞれだけどさ」(馨)
「ちゃんと【人】を見て、少しずつ知っていくのも楽しいと思うよ?」(ハルヒ)
「・・・御迷惑・・・おかけしました――――――・・・」
反省をしたみたい。宝積寺さん。
にしても、みんなすごいな・・・
こういう時にそんなこと言えるなんて。。。
私なんか、見てるだけだった・・・
みんな片付けとかを終わらせ、いなくなった庭に私は今だ座りこんでいた。
自力で立てない・・・
「、大丈夫か?」
「あっ、鏡夜さん・・・」
声を潜めてする会話。
スッ!
急に私は体が浮いた。。。
鏡夜さんにお姫様だっこをされているわけで・・・
そうなると自然と声が大きくなる。
「ちょっ!!降ろしてください!!」
「あまり暴れるとまた落ちて背中打つぞ」
「っ!!それは・・・ちょっと・・・」
「なら大人しくしてるんだな」
鏡夜さんは校舎に行こうと1歩進めた時、
「鏡夜先輩さぁ〜って誰なわけ?」
「!!!!」
私は光の発言に驚いて体が硬直してしまった。。。
「そうそう!さっき宝積寺さんが飛ばされた時、って言ってたよね?」(馨)
「宝積寺さんは【れんげ】だし〜」(光)
鏡夜さんも黙ったまま。
ハルヒはヤバイって顔してるし・・・
「そういえば、鏡夜久しぶりにキレたんじゃないか?」(環)
「そうか?そこまでキレてはいないが」
「あ〜!正確には怒っただな」(環)
「大事な人を傷つけられれば冷静じゃいれないのは当たり前だろう」
「「「「大事な人っ!!!???」」」」」
「ああ」
私は顔が体温が上昇すると共に顔が紅潮していった・・・
「もう、観念したらどうです?に鏡夜先輩」
「俺は別に隠しているつもりはないが」
「なんだ!?ハルヒ!!お前も知っているのか!?」
「ええ。まあ・・・」
「お父さんに隠し事かぁ!!!」
また泣き始めた環さん。
でも、気にしないのが双子。
「で、説明してよね」(光)
「今までのでだいたい予想はつくけど」(馨)
「はぁ・・・しょうがないな。もういいだろう?」
「わかりました。鏡夜さん。降ろしていただけますか?」
「ああ」
そう返事すると、鏡夜さんは私を立たせてくれた。
もちろんまだ背中の痛い私に気を使って、肩を引き寄せて支えてくれていた。
「光と馨は気付いているとおり、は私です」
「ええーーーー!?」(環)
「ちゃんって女の子だったのぉ?」
「はい。今まで黙っていて申し訳ありません」
「で、俺達が聞きたいのはー」(馨)
「「鏡夜先輩との関係v」」
「えっ!?そんな・・「恋人だ」
「ちょっと、鏡夜さんっ!!」
スラッと言ってしまう鏡夜さん。
「言ったらイヤか?」
「・・・イヤではないです・・・」
「だろう」
みんな無言で驚いています。
もちろん、ハルヒは平然としていたけど。
「質問〜♪」
「なんですか?ハニー先輩」
「なんで男の子って言ってるの?」
「それは・・・」
私は始めから説明を始めた。
親のただの提案だったと・・・そしてハメられたと・・・
みんな笑いながら聞いていたけど・・・
最終的には私の家に行って親に会ってみたいと言っていた。
私が別にいいですけど・・・と言うと、「庶民の家〜♪」と何人かは言って喜んでいました。
否定しなかった。みんなが来た時の反応が楽しみだったから。
それと、男装は続けることにみんなからの許可がおりた。
―――――――――― その後 ――――――――――
『環様v』
『皆様w』
「やあいらっしゃ・・・」
『買いましたわv例のビデオv』
[[[[[[はっ?]]]]]]
意味がわかりません・・・
ビデオというのは一体・・・もしかして・・・
でも、カメラを壊したはずじゃ・・・
『あの雨のシーンが最高よねーーー!!!』
『私は光くんと薫くんも深い関係がたまらなかったわ!!』
『くんのピアノも切なくて最高v』
『ハニーくんの鬼畜設定、も一度見たーいv』
私は驚いて鏡夜さんの方をみた。
「・・・鏡夜」
いかにもどうしてだ?といいたそうな環さんの声に鏡夜さんは答えた。
「俺がデータを抜かずに壊すようなマヌケだとでも?売り上げはまあまあだな」
「鏡夜さん、暴力シーンは?」
私はあれ以来、皆の前でも鏡夜さんとよんでいる。
「ああ、もちろん暴力カットは修正済みだ。の怪我する姿を何度も見たくはないしね」
紅潮する私の顔。
「それに、部費は多いことにこしたことはないだろう?」
一方、宝積寺さんは・・・・
「私、ようやく気付いたのですわ・・・
あの時、身を挺して庇ってくれたやさしさに・・・
時に厳しく諭してくれた深い愛に・・・
これが人を好きになるってことですわね!!ねっvハルヒくんv」
「「鏡夜先輩・・・」」
「間違ってないんじゃないか?俺やに害がなければどうでも」
「本当に鏡夜先輩ってに甘いよね!?」
「バレたことで堂々と言ってるしさぁ・・・」
相変わらずそういうことに慣れない私は真っ赤になるのでした・・・
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