「春だねえ皆の衆!!さて春といえば?」
「「進級ーーv」」
進級。それは3年生のハニー先輩とモリ先輩の2人を卒業させることであって禁句だったりする。
進級発言をした双子はいつの間にやら先輩方により縄でぐるぐるにされたいました。
「恐ろしい奴らめ・・・そんなにモリ先輩とハニー先輩を卒業させたいのか・・・」
ということで・・・進級なし!
☆ホスト部!大問題勃発!!(1)☆
「で、春といえばなんなんですか?」
「もわからないか?」
「はい。というか、環さんの考えがわかりません・・・」
ガーンという音が似合うぐらい落ち込んでしまった環さん。
「あ・・・ごめんなさい・・・」
「、気にすることは無い」
鏡夜さんが気にしていた私に声をかけてくれた。
「なんかバレてから変わったねー」
「そうそう!ズバズバと発言するようになったっていうかー」
「当たり前でしょ!?みんなには隠す必要がなくなったわけだから、ドジってもいいわけだしv」
「「ああ・・・確かに・・・」」
「で、環さん。落ち込んでないで、春といえばなんなんですか?気になってしょうがないです」
落ち込んでいたところから回復した環は人差し指を立てて言った。
「春といえば、無論、桜!!」
「はぁ。フツーですね」
ハルヒの言葉に環さんは再び落ち込んでしまった。
よく落ち込む人だ・・・
純粋なんだろうか。
ということで、今回は桜の下でホスト部開店!!
・・・・・で、周りを見渡すとホスト部全快。
環さんはもちろん、常陸院ブラザーズも先輩方も。
そして、今回は鏡夜さんまで・・・・
「この桜のように美とは儚いものですからね。1日として同じ姿はみられない。そんな日々移りゆく美を収めた
写真集など作ってみましたが・・・ちなみに個人と全員、各バージョン1万5千円でセット価格もございます」
『『買ったっっっ!!!!』』
ああ・・・商売ですか・・・
なんかベタベタするわけじゃないからホッとしたような、微妙なかんじです。
売り上げは部費にあてられるんだろうな・・・
「!ハルヒ!どうだ?楽しんでるか?」
「まぁ、桜を眺めてるだけでも気持いです」
「さすがは!ハルヒはどうだ?」
「自然はスキですよ」
またしてもハルヒの笑顔に環さんはノックダウンですか。
確かに、ハルヒはかわいいもんね♪
「庶民の宴のように頭にネクタイを巻いたりできず寂しいかもしれんが・・・ごらん!!本来花見とは花を愛でる事なのだよ」
庶民がみんなネクタイを巻いているとおもってるのでしょうか?
「もっとも俺達の場合、愛でるより愛でられる方に忙しい訳だが・・・」
「そう思うなら、仕事したらどうですか?指名溜まってますよ」
「・・・鏡夜化してるぞ」
「そうですか?にしても、今日の環さんは元気ですね・・・」
「そうだろう!今の俺は誰より春めかしいぞ?どこがどのように春めかしいか当てられるかにゃー?
考える時間を3分だけ・・・「頭?」
「ブッ!!」
ハルヒの即答に思わず噴き出してしまった。
お嬢様ともあろう私が噴き出すほどハルヒの即答がツボにハマった。
やっぱり環さんは落ち込むし・・・
今日で3回目ですよ。
「まぁ、ハルヒほっとこうよ」
「、でも・・・」
「大丈夫。環さんだったらすぐに元に戻るよ」
「そうだね」
私とハルヒは環さんをほっとくことにした。
「ハルヒー、。今学期の選択教科決めたかー?」
「どーせなら2人共一緒のとろうぜ。だってホラ」
「「僕達同じクラスだしv」」
明らかに今、環さんに対してのイタズラに感じ取れた。
「・・・母さんや」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・(軽い抵抗)
何かな、父さん」
「これはあくまで仮説だが・・・
今まで俺がハルヒと年中一緒にいるような気がしていたのは
部活シーンばかり露出していた為の錯覚に過ぎず・・・
もしや、同じクラスの双子やの方がよほど俺の知らないハルヒを・・・」
「ああ。その件ならちょうどココに証拠写真が」
そう言うと、先程売っていた写真集の中から私達の授業風景が出された。
ちなみに席は私・馨・ハルヒ・光の順である。
「1日のうち在校中の約9時間をあの4人は共にしているが、
お前とハルヒの接触はたかが部活の2時間であり、接客時間を引けば1時間にも満たない。
言いかえれば、お前がハルヒの人生に関われるのは1年間でも3%ぽっちということに・・・」
「鏡夜、お前は悔しくないのか?」
「なにがだ?」
「もお前といる時間より双子の方が多いんだぞ」
「あー、そういうことか。それは気にならなくはないが、よく一緒に帰ったり夜はご飯を一緒にしたりしているからな。
お前よりは長いぞ。しかも、心配するような事もないしな」
トドメをくらった環さんは、何故か分からないがお役所様の格好をして私達のほうへ駆けてきた。
「くそー!!この不埒者がァ!!そこへ直れェ!!」
「・・・何かな。やっぱり頭が・・・」
「あー、あの人最近時代劇にハマってんだよ」
「環さんって本当に分からない・・・」
「、分からないほうがいいよ。俺達も分からないしさ」
私達が話していると環さんはハルヒに近づき、両肩を掴み迫った。
「おハルよ!!そんな輩と付き合っちゃあならねえ!!」
「それは俺も入ってるんですか?」
環さんは私の質問にオドオドしている。
それもそのはず、鏡夜さんが環さんをものすごい笑顔で見ているのだから。
「環、もそんな輩に入っているのか?と聞いているぞ」
「えっ、いや・・・は・・・」
今、ものすごーく“そんな輩”が強調された気が・・・
「とにかく!!今すぐ女に戻り女友達に囲まれて暮らすのが父の願いというもの!!」
「自分も女ですが。ちなみにハルヒの女友達ですよv」
「うっ!・・・・は男装をしているから女友達として俺が見れてないのだ!!」
「はぁ。。。そうですか。それならそれでいいですけど」
女に見られてないって結構ショックなんですが・・・
そう思っていたら鏡夜さんが来てくれた。
「俺は男装していても充分女に見えるぞ」
「///ありがとうございます」
嬉しい。
鏡夜さんは私の気持ちを理解してくれてる。
本当に優しい方です。
「ハールちゃんっ!ちゃんっ!!2人のクラスの身体検査はいつ?」
「そういえば・・・これはさすがに・・・ねぇ。ハルヒ」
「うん・・・それは・・・バレますね」
そう、“身体検査=脱ぐ=女だとバレる”という方程式ができあがるわけで・・・
どうしようかな・・・
身体検査まで日にちがない。
いっそのこと休むか!?
「、安心しろ」
私の前で優しく微笑む鏡夜さんがいた。
なんかこの顔見るだけで安心できちゃいます。
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