保健室とは別の部屋へ移動中。

隣の部屋なんだけど、結構遠い・・・








☆ホスト部!大問題勃発!!(4)☆







コンコンッ



「失礼します」




扉をノックし、入る。




様です。よろしくお願いします」




一緒に来た香苗さんは言うなり、部屋を出て行った。

早くないですか?


私は担当の医者を見た。

そしてまたしても固まってしまった・・・


なんと、香苗さんと同じく私の専門医であるのだから。

もちろん女医さんv




さん、お久しぶり」

「お久しぶりです。まさか先生とは思ってなかった」

さんの担当は私だけよ。というか、鏡夜様からの直々のお願いだったのよ。
 初めは私、ビックリしたわ。さんが男装してるなんて聞いたから」

「皆、驚かれてますよ・・・私の親がすることですし」

「そればかりは否定できないわね。家のご両親の考えは誰も分からないもの」

「家族の私でさえ分からないですから」

「そう。じゃあ、そろそろ身体検査始めましょうか。そこのカーテンで服脱いでくれるかしら?」

「はい」




先生は微かに笑いながら私をカーテンの方へ促した。

私は上から脱ぎ始め、先生は私の体を何度も見ているから恥ずかしさの欠片もなかった。

そろそろハルヒも来るかな?

そんなことを思いながら胸のサラシを取っていった。

じつは私、胸がDカップ近くあるんです。

毎日、胸を潰すので大変・・・

生理前とかは痛くて痛くて。



サラシも取り終えたところにハルヒも来たみたい。



「藤岡さんね?話は伺っているわ。奥で上着脱いでねー」

「ハイ」

「あっ、さんもいるから」

「あ、わかりました」




シャー(カーテン開けた)




「ハルヒ〜、お疲れ様v」

・・・」




なんか、ハルヒの顔が引きつってるような・・・

もしかして・・・




「もしかしてフォーメーションAを黙ってたこと怒ってるとか?」

「そのもしかして!!!」

「ごめん、ごめん。つい楽しそうで・・・」

「もう!!」




ハルヒは冗談っぽくむくれながら上着を脱ぎ始めた。

私はハルヒと行こうと思い、上着を脱いで上半身裸の状態だ。

女同士なんで気にしないんだけど、一応タオルで前を隠してはいる。

ハルヒは黙々と脱いでいく。

そして、私はハルヒの後ろの人影に気がついた。




男の人!!!!!!!?




言葉も出ず、身動きも取れない・・・

男の人は私とハルヒには気付いている様子はなく、カーテンの中から外の様子を伺っている。

私の状態に気付いたのか、人の気配がしたからなのか、ハルヒも下着姿で後ろを振り向いて人がいることを知った。

しかし、ハルヒは冷静そのものだった。




「・・・あのう・・・」




ハルヒの声に驚き男の人は私たちの存在に気づいた。




「違!!騒がないでくれ。私はただ娘を―――・・・」

「うさちゃんキーック!!」




一生懸命、私達を説得しようとしている人に蹴りが飛んできた。

蹴りを入れたのは、うさちゃんとくればハニー先輩で。

男の人は一気に飛んでいった。




「「ひとつ 人目を集める美貌」」(双子)

「ふたつ 不敵の大富豪」(鏡夜さん)

「みっつ 醜い庶民の悪を」(モリ先輩)

「見捨てておけぬ紳士道。おてんと様が許しても この桜吹雪が許さない!!」(環さん)




と環さんはセリフと共に上着を袖から脱いだ。

その下には桜吹雪の刺青(?)が・・・

まさか本物じゃないよね・・・




「「「「我ら桜蘭高校ホスト部 只今見参!!」」」」


「命ばかりは御助けを〜」




ああ・・・この人、ノリやすいんだ・・・


今の私の格好はというと、部屋に入ってきた鏡夜さんが私の姿を見て目を見開いた後、自分の上着を脱ぎ私に渡してくれていた。

私は今は鏡夜さんの上着に包まれていますv

ハルヒも同じくセリフの途中で環さんに上着をかけられていました。

そして現在、この不審者の男の人の話を聞いています。




「私は、隣町で小さな内科を営む野武と申します・・・娘に・・・
 経営ベタな私に愛想をつかし、先月、妻と出て行った娘にひと目会いたいと・・・
 雨に打たれ、道をさまよい、やっとの思いでたどり着いてみれば娘はおらず、何故か身体検査の医師と間違われ」

「おおお!!!なんと不幸な!!」




不幸なんですか?

本当に環さんもノリやすい。。。




「「何故かって・・・白衣着てりゃ不思議じゃないじゃん」」

「なんと!?白衣を着たまま来てしまったのか!!」

「気付かないのもすごいですよ・・・」




みんなもそう思ってると思うのだけれど・・・




「それに大変失礼ですが・・・お探しの学校は隣町の公立高校では?」

「鏡夜さん、さすがに公立高校とは間違わないでしょう?」




笑いながら言う私。




「・・・ここは黄林高校では?」




はい?

静かに首を横に振るメンバー達。




「良く分かったねー鏡夜先輩」

「そうだよね、馨。私なんかモロ鏡夜さんの意見に疑問もったのに・・・」

「あんな小さな診療所の娘さんがうちに入れるわけないだろう?」




あーなるほど!

鏡夜さん、さすがです。




「・・・光、馨。黄林までの地図を書いてやれ」

「「えーなんで?どーせその人娘さんに見離されて・・・」」

「それはこの人がこれから確かめることだ」




私、こういう環さん好きです。

人のことを親身になって考えてくれる優しいところ。

もちろん友達感覚としてですけど。


男の人は地図を受取った後、御礼を言いながらココを後にして行った。

私とハルヒは男子を追い出して、診察を受けたあと、着替えた。

ハルヒはちゃっかり一度着替えてて、もう一度脱ぐハメになってたけど。


先生に御礼を言って扉を開けて終わったことを男子に言うと、6人とも部屋に入ってきた。




「良いことをした。なあおハルよ」




扉を開けて早々ハルヒに詰め寄る環さん。

環さんはまだ着替えておらず、肩の桜吹雪は丸だしだった。

それを指差しながらハルヒは環さんに話かけた。




「それですか?」

「え?ハルヒなんのこと言ってるの?」

「ほら、も覚えてない?花見の時、誰より春めかしいって言ったの。その桜吹雪?」

「う・・・うん」




確かに言ってた。

ハルヒの質問にオドオドしながら答える環さん。

でも、ハルヒは笑い出した。




「ぷっ。確かに春めかしい」




真っ赤になる環さんは可愛くて。その後の行動さえなければ・・・

我慢できなかったのか、嬉しかったのか、環さんはハルヒに抱きついたのだ。

双子と私で引き剥がして“変質者”のレッテルを貼った!






―――――――― 数分後 ――――――――





「鏡夜さん、上着ありがとうございました」

「いや、別にいいさ」

「「そういえばー!って胸どうやって隠してるの??」」

「///なんでそんなこと聞くの!!」

「「さっき胸をタオルで隠してたけど、大きく見えたから」」

「ほう。。。2人はの胸を見たということか・・・」




なんか、鏡夜さんの後ろに黒いオーラが。

双子はそれが見えてるらしく、あとずさってました。












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