『光くんと馨くん・・・お体の具合でも・・・?』





そこにはスネている双子が。

明らかにつまんなそう・・・




「ああ・・・自分達の思い通りにいかないとすぐコレでね。できそこないの鎮痛剤のようなものさ。
 バフ〇リンの半分は優しさでできているが、彼らの半分はワガママでできているのだから」




そういう環さんは、妄想でできている気が・・・











☆双子ケンカ(2)☆









「にしてもさー、なんでは部活停止って言われてんのに部活してるわけ?」

「やだな、馨。そんなの簡単じゃん♪環さんの機嫌取っておけば。ねっ!?」

「なんだかんだで、って腹黒いよね?誰から腹黒さを貰ったかは一目瞭然だけど」

「それは俺のことか?」




急に登場した鏡夜さん。

もちろん私達は一瞬ビビった・・・

光は一生懸命首を横に振っていたが。

そんなに怖いなら言わなきゃいいのに。


そんな時、ハルヒの席から楽しそうな声が聞こえた。




『ねえねえハルヒくん。右ワケが光くんで左ワケが馨くんなのはわかるんだけどー』

『他にも分かりやすいポイントはないかしら?』

「はぁ・・・そうですね・・・しいて言えば光の言動の方が1割増し性格悪そうですよ?」




うわっ。。。言っちゃった。。。

でも、それも案外分かりずらい気がする。


一方言われた双子はというと、馨がハルヒの言動を聞いて噴出してしまって、光が不機嫌になってしまった。




「・・・言っとくけど僕は包み隠さないだけで、底意地悪いのは馨の方だけどね」




あっ。

光の発言に馨までもが不機嫌に・・・




「適当なこといわないでよ。光のわがままに付き合ってんのは僕だろ」

「いいだしっぺは僕でも掘り下げんの馨じゃん。イヤなら止めろよ。バカかお前」

「あまりに光がアホで見てられないからだろ。大体おもちゃとか言いつつさ・・・
 光、ホントはハルヒのこと好きなんじゃないの〜?」

「ハァ!?」「何!?」




馨の意見に反応を示した環さん。

そりゃあもう、ハルヒって言葉が出た瞬間すごい反応でした。




「なんでそうなるんだよ。やっぱバカだな」

「そうだぞ馨。世の中には言っていい事といけない事が」

「環さん、この場合そこまで討論するような内容ではないと思いますが・・・」

!?なんてことを。これはもう言ってはいけない事に入りまくりだぞ」

「そうですか・・・」




もう、環さん見ていると呆れてきます。

嫌いじゃないんですが、たまにどうでもいいような発言されると、ちょっと・・・




「大体なんであんな豆ダヌキみたいな。そういう馨こそのこと好きなんだろ」

「「はぁ?!」」

「なんでそうなるわけ?光こそバカだね」

『素敵ですわ』




ああ。宝積寺さん、お久しぶりです。

そしてイロイロ語ってますが、内容はホモ?

やっぱりついていけないです。




「とにかく、2人ともいい加減にしといたほうが・・・」

「「はひっこんでて!!」」

「・・・ハイハイ」




私は被害を避けたかった為に2人から離れて遠くで見守ることにした。

どんどんあ言い合いは続き、家での2人の生活まで暴露しだしたからお客様は大喜び。

そしてあれから5分後には「「絶交だっ!!!」」って言ってその日は2人は口を利くことなく帰った。

帰るのは一緒だからまた言い合いになってたけど。




私は鏡夜さんと帰ることにした。

鏡夜さんの家の車が停まっていて、執事の方がドアを開けてくれて私と鏡夜さんは乗りこんだ。

周りは確認せずに。

だって、見られても普通に「家まで送ってもらった」って言えば済むことだしv

どうせ本当のことだしね。

車の中でお互い手をつなぎ、私は鏡夜さんによりかっかた。




「どう思います?」

「何がだ?」

「馨と光のことです。このままケンカ続くと思いますか?」

「どうだろうな。今までここまでケンカをしているのを見たことないからな」

「そうなんですか。ん〜・・・」

「どうした?」

「どうやったら仲直りできるかな?と思いまして」

「ほっとけ。どうせ明日には仲直りしてるだろ」

「それだといいんですが・・・」




ちょうど話のキリがいい時に、私の家に近づいた。

どちらかともなくキスをし、離れた。

キスというのはいつしても恥ずかしさは消えず、下を向く私。




「そろそろ慣れたらどうだ?」

「そう言われましても・・・」




車も停まり、執事の人がドアを開けてくれた。




「ありがとうございます」




そう言いながら私は降りた。

もちろん鏡夜さんにも。




「では明日」

「ああ。じゃあな」




車が発進し、見えなくなるまで見送った。

まだ顔が紅潮していた私にとっては夜風がすごく気持ち良かった。








―――――――――――――――――――――――――――――――――――









「おはよう」

「あっ、おはよう」

「どうなったんだろうね?」

「何が?」

「常陸院ブラザーズ?」

「なんでそこで疑問系なの?」

「えっなんとなく?」




また疑問系で返す私に呆れているハルヒ。

だって私は常陸院ブラザーズなんて呼ばないもん。

一度呼んでみたかったんだよね。




「で、ハルヒはどう読む?」

「仲直りしてるんじゃない?」

「ハルヒもそう言うか・・・私は反対だな」

「反対って仲直りしてないってこと?」

「そう!鏡夜さんも仲直りしてるんじゃないか。って言ったけど昨日のケンカは激しかったしさ」




私は自分の席に鞄を置いて、私とハルヒの間の席(馨の席)に座ってハルヒと話しをしていた。

ハルヒもさっき来たらしくて鞄の中から教科書を取り出して机の中にいれていた。

そしたら、急に教室がざわめき出してみんなの視線を辿ると、話しの中心である双子の片割れの光登場。




「オハヨ」




なんと、光の頭がピンクだったのだ。

ピンクの染色って滅多に見ないよね・・・




「おはよう。光。眩しいよ」




私は笑いながら光に挨拶をした。




「本当、派手だね」

「可愛いだろー今日からピンクが僕だから。いつまでも馨なんかと間違われんの冗談じゃないしー?」




“馨なんか”ってすごい強調されてた気が。

ようするに、仲直りしてないんですか・・・

あまり当たって欲しくない予感があたりました。

しかも、バッドタイミングで馨が登校してきてるし。

まぁ、双子一緒に来てるんだから数分差は当たり前なんだけどさ。




「おはよ。馨。席借りてた」

「ああ。オハヨ、、ハルヒ」




私は席を立ちあがりココの席の持ち主に座席を譲った。

馨は席につこうとしながら話しはじめた。




、ハルヒ聞いてよー。ゆうべはせっかく優雅なひとり寝だったのに夢見わるくてさー」

「どういう夢だったの?」

「それがさーなんと僕が髪をピンクに染める夢――んなアッタマ悪そうな事するわけないよな〜〜〜?」




うわ・・・あからさまに。

今日はピンクが光でいつもと同じなのが馨か。。。

私自身、見分けはすぐにつくんだけど、こうも分かりやすいってのも楽かも。

一瞬戸惑う時もあるからね。

マジメな顔している時とか。滅多に見ないからさ。



それから、お互い椅子を引き合ったり吹き矢を飛ばしたりと危なかった・・・

私は避難目的と報告目的で鏡夜さんの教室へ向かった。






「2−A・・・2−Aっと・・・あった」




私は2−Aを見つけると恐る恐る近づいた。

やっぱり、年上の教室ってなんとなく怖いじゃないですか。

鏡夜さんは環さんといた。

というか、本を読んでいる鏡夜さんの前の席に環さんが座っていて無理やり話してるっぽかったけど。




『あら?あなたは確かさん。どうしたの?』




廊下の近くにいた2年生の女子が私に気がついてくれた。

というか、教室に入ろうとしていたのだ。

この人どこかで・・・・あっ!このクラスの副委員長だ。

私もじつは副委員長なんです。前の副委員長が留学でアメリカに行ったので変わりに私がなったのだ。

それで、集会の時に見たことがあった。




「じつは、鏡夜さんに・・・」

『ちょっと待ってくださるかしら』

「あっ、ハイ」




そう言うと、その人は鏡夜さん達に近づいていった。

環さんが何かイロイロ言っているがその人はシカトを続けていた。

環さんに媚びらない女の人ってハルヒ以外に初めて見た。

あっ、そういえば宝積寺さんがいた。

沈んでいる環さんをヨソに鏡夜さんは私の姿を確認すると立ち上がって来てくれた。




「どうかしたか?」

「いえ・・・馨と光がまだ仲直りしてなくて・・・」

「してないのか?」

「はい・・・報告と避難を目的で来させていただきました」

「そうか・・・」




鏡夜さんは私の手を握り、近くの非常階段のところまで引っ張っていった。




「ちょっ…鏡夜さん!!」

「黙れ」

「えっ!?」




そう言うと、鏡夜さんは誰もいない非常階段で強引に唇を合わせてきた。

後頭部を押さえられ動けない。




「んっ・・・」




どんどん深くなるくちづけ。

鏡夜さんの胸を押し返すも、女の私では適わず。

立っていられなくなった私は鏡夜さんにすがりついた。

すると腰に手を回されて支えられ、少ししてから離れた。




「鏡夜さんっ!どういうつもりですかっ!!」

がいけないんだぞ」

「私が何かしましたか!?」

「俺に会いに来てくれたのかと思えば、双子の話しだ。昨日の帰りも双子の話しだったしな。
 俺だって嫉妬はするさ」




私は驚いた。鏡夜さんが嫉妬してくれるとは思ってなかったから。

確かに鏡夜さんの教室へ行った目的は報告と避難であったが、それ以前に鏡夜さんに会いたかったのもあったのに・・・

正直、うれしかった。




「ごめんなさい。でも、鏡夜さんに会いたかったのもあったんですよ。
 避難だけなら他の友達のところに行けばいいだけですし。ねっ?」

「・・・・」




黙ったままの鏡夜さん。




「でも、ありがとうございます。嫉妬されるっていうのも悪くないですね♪」

「嫉妬する側はイヤだがな」

「それはいつも私は感じています。部活の時はいつも嫉妬心で溢れてますから」

「それはいい事を聞いた」

「いいことですか?」

「ああ。も俺を好きでいてくれる証拠だしな」

「///当たり前です。大好きですよ」

「俺も大好きだ」




そう言ってまたキスをした。。。




その頃ハルヒは・・・




。。。逃げたな。。」




そう、双子の間で災難にあっていた。













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