初等部へ乗りこんだ私達。
☆弟子入り!?(4)☆
「ってか」
「何?ハルヒ」
鏡夜先輩とも仲直りして、しかも憧れの中学の制服を着れたことで満面の笑顔の。
「今頃気付いたんだけど、初等部乗り込むのに中等部の制服着てたら目立つのはカワンナイ気が・・・」
「ハルヒ、今更・・・」
「気付いてたの?」
「そりゃとっくの昔にv」
ハートマークが最後に入ったかんじがした。
ってか気付いてたなら言おうよ・・・
も馨達と性格があんまり変わらないような気がしてきた。
周りには初等部の子供達がたくさんいて、私達に注目している。
「ここだよ。シロちゃんのクラス〜v」
そう言って引っ張るハニー先輩。
その後をが付いてくる。
そのさらに後ろにいつものメンバーがいるんですけどね・・・
「お弟子さんはここのクラスなんですかぁ」
「うん。僕もここだったんだ〜v」
の言葉に答えるハニー先輩。
「誰もいませんね・・・」
本当に誰もいない。
こんなにも無防備な学校でいいのだろうか。
「どこ行っ・・・」
ピョロリ♪ピョロ〜♪
音が鳴ったと思えば、ハニー先輩が笛を吹いていた。
ピョロリ♪ピョロ〜♪って・・・一体どんな音・・・
一方は、自分がハニー先輩を静めている姿を苦笑いしながら見ていた。
できれば手伝って欲しい・・・
そしてガヤガヤといつものメンバーが教室へ入ってきた。
正直うるさい。
「ハルヒ、先生がっ」
そう言ってきたのはだった。
廊下を覗くと本当に先生が歩いてきた。
自分は慌てて他のメンバーを黙らせる。
「人が来ますよ!!」
焦っている自分がいた。
ここで見つかったら恥だ・・・
そう思うと、自然と手で口にチャックをするような仕草をしていた。
そうすると、周りのみんなも口にチャックをした。
子供だ・・・・
静かにしていると、さっきの先生は教室を通り過ぎていった。
私とハニー先輩、そしての3人で行動することにした。
だってこの人達うるさいから。
「いいからもう、ついて来ないで下さい」
「えー」「なんでー」とか声が聞こえたが無視。
聞いていたらキリがない。
そして、3人で行動すること5分。
音楽室で見つけた。
「いたっ!シロちゃんv」
「必修クラブの時間みたいですね」
「おうた好きなのかねえ」
「ハニー先輩、おやじみたい・・・」
ハニー先輩の口調に反応した。
音楽室を覗いていると動きがあった。
「鷹凰子くん、ピアノの新しいとこ練習してきた?」
「いや・・・あんまし・・・」
「それじゃあたし教えてあげるから一緒弾こ?鷹凰子くんグランドピアノ使って?」
「別に・・・神城が使えばいいじゃん。ここで聞いてる」
悲しそうな顔をする神城さんという女の子。
「うん・・・じゃあ・・・弾きたくなったらゆってね?」
そう言ってピアノを弾きはじめる女の子。
それをじっと見ている鷹凰子くん。
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そういう事ね。
私はすぐに分かった。
だってあんなにも愛しそうな顔で見てれば。
お弟子さんはあの女の子が好きなんだ・・・
私が昔鏡夜さんを好きだったころにそっくりv
私はその風景を眺めていたら後ろで声が。
「もし・・・そこのお嬢さん・・・」
振り向けば初等部の女の子にバラ一輪差し出している環さんが・・・
女の子も顔を赤く染めていた。
この歳でそんなこと知らなくてもいいのに・・・
「はいはい。環さんは下がっててください。こんな女の子にまで手ださないでくださいよ。
変な道に走るじゃないですか」
「!!変な道とは失敬な!!」
「だってそうじゃないですか。男好きになったらどうするつもりです」
私は環さんにズバッと言うと、女の子に振り向いた。
「ごめんね、急に。あの神城さんって知ってる?」
「神城 雛ちゃん?」
「知ってるんだ!?」
「あのね、もうじきひっこしちゃうの。お父さんのお仕事でねえ、来週いっぱいでドイツに―・・・」
「そっか・・・「何してんだよっ!?」
音楽室から飛び出して来た弟子くん。
すごい慌ててる。私達が調べに来たってバレたかな・・・
「なんの用だよッ。こんなところまで―・・」
走ってきたところを環さんは受けとめ、肩に担ぎ上げた。
そして高等部の校舎の方向へと歩き出す。
私はさっき教えてくれた子に向かって「ありがとう」とお礼を言って後を追いかけようと振りかえると、
そこに私を待っててくれた鏡夜先輩の姿が。
私が駆け足で近くまで来ると鏡夜先輩も歩き出した。
無言だけど、そこが鏡夜先輩のいいところである。
「時間がないってそういうことだったんですね」
「みたいだな」
「まるで昔の私と同じですね」
「そういえば、もアメリカに行く前に嫌がってたな。俺と別れたくないって」
「知ってたんですか・・・」
「当たり前だろう」
「なんでっ///・・・もう!いきますよッ!!」
そう言うと、鏡夜さんはフッと笑ったようなかんじがした。
ううん。かんじじゃなくてだったんだ。
環さんに追いつくと、弟子くんは相変わらず叫んでた。
「何すんだよおろせ!!」
「暴れんなコラァ」
「おろせってバカキング」
「馬鹿はお前だろーが。女を喜ばせる方法だ?笑わせんな。
いくら俺達に聞いたって答えなんか教えられるか」
「な・・・っ」
「お前が喜ばせたいのは不特定多数の女の子じゃなくて“彼女”1人だろーが。
そんな方法お前にしか見つけられるわけないだろう」
その言葉を聞いて観念したのか弟子くんは大人しくなって呟いた。
「いーよ・・・もう時間ないし・・・せめて、あいつが弾いてるとこ見ときたいんだ。だから・・・」
話しているうちについたのは、いつも使っている第3音楽室。
環さんはそのまま入っていき、ピアノの前に弟子くんを座らせた。
「ピアノなんかあったんだ・・・」
「「そりゃ一応音楽室だし」」
ハルヒの疑問に当然のように返す常陸院ブラザーズ。
私も知らなかった。。。
その頃2人は・・・
「今の課題曲は?シューベルト?ソナタの連弾用か・・・」
楽譜を見ながら独り言のように呟く環さん。
そして一言。
「楽勝!!」
そう言ってピアノを弾き始めた。
音楽室にはピアノの音が流れていて、私は思わず聞きほれてしまった。
「すごい・・・」
音楽は結構好きな私でもここまで弾けるかどうか・・・
私の得意な楽器ではないけれど。
弾きながら環さんは弟子さんに声をかけた。
「俺にはあの子はお前と一緒に弾きたがってたように見えたけど・・・?時間ならある。1週間集中大特訓!!!」
それから特訓が始まった・・・
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