弟子くんの練習も無事に進んできていた。




「それじゃ、最後にこいつの姫に招待状を渡してきてくれないか?」

「わかりました。じゃあ行って来ますね」




私は環さんから招待状を受取り、初等部へ行こうと足を進めようとしたのだが・・・







☆弟子入り!?(5)☆








「「ストーーーーッップ!!」」




こういう時、こういう声掛けをすると言えば環さんか双子しかいない・・・

で、声からして案の定双子だった。

振りかえってみれば何か企んでいるようないつもの笑み。

今度は一体なんでしょうか・・・・




「何?」

「いやさー、初等部行くならあの格好でしょ!?」



そう言う光と先日着た制服を取り出す馨。

本当、お互いが考えていることわかるんですね。。。




「わかった」

「「えっ?」」




正直に分かったって言ったのに双子は意外そうな声をだした。




「何?着ろって言ったのはそっちでしょ?」

「いや・・・そうなんだけどさ・・・」

「そんなに簡単に受け入れるとは思ってなくて・・・」

「自分、制服好きだからv」




私は馨から制服を取ると準備室へ入り、着替えをはじめた。







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「ねえ」

「ああ?」



殿との練習中にガキが話しだしたから、馨を連れて俺達も話しに混ざりに行った。




「さっきの人ってオカマ?」

「「「はぁ!?」」」



殿と馨と俺は焦った。

さっきの人とはのことだろう。




「だってさ、初等部に来た時も女の格好してたし、今もまたするんだろ?」

「あ〜。。。ほら!あいつって中性的な顔してんじゃん」

「だから、俺達がおもしろがってするんだよ」




俺に続き馨がフォローを入れるが効果はナイようで、ガキは相変わらず顔を変えない。

そして、ついに核心に触れた。




「あの人って女子の格好するとマジ女みたいだよな。ってか女だろ。ハルヒってやつも。
 ヅラかぶったら完全に女だったし」




そう。はかぶらなかったがハルヒはストレートの髪のヅラをかぶっていた。




「だから、違うって!!」

「指は止まっているがいいのか?時間はないぞ」




否定する俺。そして、やっと話しを変えてくれたのは鏡夜先輩だった。

ガキはハッとしたように練習を続けはじめた。

さすが鏡夜先輩!!策士最高!!

そう思ったら鏡夜先輩がこっちをみて黒いオーラの掛かった笑みを見せていた・・・

それを見たら、背中にイヤな汗がつたったよ・・・ってか心読まれた??

俺達はガキの練習も始まったこともあり、ピアノから離れた。

ちょうどの登場!




「本当、女の格好すると綺麗だよな」




今の発言は横から聞えた。

ってことは馨っ!?




「もしかして、馨のことマジ好きなのかよ」

「はぁ!?」

「だって、今・・・」

「・・・・あっ・・・・」

「マジかよーーーー!?」

「んなワケないだろ。嘘だ、嘘。綺麗なのは嘘じゃないけど。光もそう思うだろ?」

「まぁ、綺麗だとは思うけど」

「なっ」




馨、一瞬マジにならなかったか?

いや、勘違いだ。勘違いであって欲しい・・・





―――――――――――――――――――――――――――――――――――





無事着替えも終わり、招待状を持って初等部へと乗りこんだ。

目の前には5−Aと札がかかっていて、今は昼休みだからかこの前とは違って子供がたくさんいた。

クラスで廊下に1番近い子に声を掛けることにした。




「ねえ」

『はい』

「神城雛ちゃん呼んで欲しいんだけど」




そう言うと、近かった女の子は遠くにいる雛ちゃんを呼びにわざわざ行ってくれた。

優しい子だ。。。

雛ちゃんは私を一目見ると、近づいて来て『すみません。どなたでしょうか?』と問い掛けてきた。

まぁ、確かに急に知らない中等部生が来ても驚くだろう。




「あのね、コレ招待状」

『招待状?なんのですか?』

「いいから。来てくれると助かるな。雛ちゃんの為にも」

『わかりました』

「ありがとう。それじゃ・・・」

『あの、お名前は・・・』

「それに来たら教えてあげる」



私はそのまま初等部を後にした。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――




そして、招待日。




「弟子君、今日はがんばりな」

「弟子君?ま、いいや。ってか、頑張るなんて当たり前だし」




私の言葉に文句タラタラの弟子君。

でも、今日は許す!!だって緊張しているっぽいから。

微笑ましいよ・・・本当。




!ハルヒはもう着替えに入ったぞ」

「えっ!?本当ですか!?」




鏡夜さんが準備室から出てきた。

今日はウェイターの格好をして出迎えるそうだ。

鏡夜さん似合いすぎです・・・



私は真っ赤になっていく自分がわかる。

こんなにも惚れているんだ。って自覚してしまう・・・



鏡夜さんの横を通りすぎ着替えの場所となっている準備室へ入って着替える。

着替え終わると、定位置につくように言われるが私は定位置がどこかさえ知らない。




「あの・・・定位置って・・・」

「ああ。はここだ」




そう言って指されたところはハニー先輩の横だった。

ハニー先輩はモリ先輩にくっついているから私はモリ先輩の横って感じがするのだけれど・・・




ガチャ




ドアが開いた。

扉の向こうには約束通り雛ちゃんが立っていて驚いた顔をしている。

そりゃ、こんな団体みたら驚くのが当たり前なんだけど。




『いらっしゃいませ お姫さま』

「本日のメイン 鷹凰子嗣郎のピアノでございます」




環さんが雛ちゃんを誘導していく。

そして、それから2人のピアノ演奏が始まった。


ピアノを弾いている2人は本当に嬉しそうで。

そして純粋な恋愛を感じた。






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・・・・それから





「なんで弟子くんがいるんでしょうか?」()

「なんでもホスト部するらしいよー」(馨)

「ってか、態度がいつまでたっても生意気なのが・・・」()

「なんだ?は生意気なのは嫌いか?」(鏡夜)

「好きではないですね」()

「ではどいてもらおう」(鏡夜)





そう言ってある程度日にちが経つといつの間にかいなくなっている弟子くんでした。

一体どうやって退けたかは鏡夜さんしか知らない。

というか教えてくれなかった・・・














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