「だめだ。今日は休め」




鏡夜の放課後の一言。



じつは昨日の海から帰ってからお風呂に入ってすぐ寝たんだけど、雨に濡れたせいか見事に風邪をひきました。

さすがに学校を休む気はなかったから学校に行ったらハルヒにものすごい心配された。

優しいよ、本当に。

で、話ずれちゃったけど、ハルヒが鏡夜さんにチクってね〜先ほどの言葉を頂いたわけだよ。









☆ホスト部廃止宣言!?(1)☆









帰るための廊下を歩いていたら、なんか聞き覚えのある声を耳にした。




「ここですわ。雛菊」

「ええ。鈴蘭姉様」




声のほうを向くと、1人見たことのある顔が・・・

私は熱のせいか少し目のピントが合ってなかったために確かめるつもりでその人に近づいた。

すると案の定、知ってる人だった。




「千鶴!?」

「誰ですの!?」

「私だよ〜〜」

「えっ!?!?どうしたんですの!?なんで男装なんか・・・」

「あっ・・・」




しまった。頭が働いてないせいか男装してたことすっかり忘れてた。

どうしよう・・・

ん??千鶴は確か聖ロベリアだったよね?

なんでうちの制服きてるの??




「そういう千鶴こそなんでココ(桜蘭)の制服着てるの??」

「それは秘密ですわ」





話していたら一瞬めまいが。

恐らく熱が上がっている証拠だろう。

歩いて帰るつもりだったけど迎えを呼ぶしかないか・・・

誰かに見つかりませんように。




、大丈夫??なんか赤いし、目もうつろだけれど・・・」

「熱あってね・・・」

「それは大変ですわ!すぐに保健室へ」

「あっ、その手があった。ってことでまたね」

「後で行きますわ」

「ありがと〜。あっ、そこの女の子も足止めしてごめんめ〜」

「いえいえ」




そっか、落ち着くまで保健室で休めばよかったんじゃん。

私ってばバカ!?

熱のせいよ、熱の・・・って熱のせいにしてる事態、誰に言い訳してんだか。。。

私はとにかく保健室で休むことにした。








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光と馨め、庶民(インスタント)コーヒーの買出しぐらい自分で行けっての。

ああもう・・・部活遅れると環先輩が面倒・・・




「わっ」




走って桜蘭の敷地内に入った瞬間、何かにつまずいた。

やばい!!こける!!




「大丈夫?」




なんとか自分は地面とご対面をせずに済んだようだ。

声を掛けてくれた男の人が支えてくれた。



                 ・・・・
「可愛い顔に怪我でもしたら大変だよお嬢さん」




あの・・・この人、今自分のことお嬢さんって??

なんで?今男の格好してるのに・・・




「あの・・・」

「何、お礼なんていいさ。今からホスト部にいくところだったんだ。案内頼んでいいかい?」

「それなら!自分も今から行くところですからいいですよ」




そのまま一緒に助けてくれた人を連れてホスト部の部室。

本当は第3音楽室へむかった。

今思えば、ここの学生でホスト部の場所を知らないなんてありえなかったんだ・・・




ホスト部に着くと、なんか騒がしかった。




「そうかしら?“命にかえても”だなんて随分と傲慢な感情ではなくて?
 それで残された女が喜ぶとお思いかしら?」

「仕方ありませんわ、鈴蘭姉様。男なんて自分の名誉が1番な下等生物ですもの。
 自分の身ひとつ守れない腑甲斐なさを都合よく変換して恩着せがましいったらありゃしない」

「まあ・・・雛菊はおりこうさんね・・・」




2人の女生徒の発言のようだ。

今までのお客様とはかなり違ったかんじがしてる。

まるで環先輩に対抗してるかのよう。




「これは手厳しいな。ではどんな言葉を御所望で?」

「そうだな僕なら・・・決して彼女を一人にはしないね。
 戦うなら共に。叶わぬなら共に果てよう」




環先輩の言葉に答えたのはさっき助けてくれた人。

何気に肩組まれてるのは何故??




「この命尽きても永遠に君の傍を離れないと誓う・・・」



CHUv



あっ・・・今手にキスされた。

やっぱり環先輩は騒いでるし・・・騒いでるっていうか焦ってるってかんじ。




「な!!!?」

「紅薔薇様ったら遅いですわーー」

「困った人ね・・・こんな可愛らしい方をどちらで?」




環先輩を半分シカトする形でさっき手厳しい言葉を言ってた人達が自分の隣にいる人(助けてくれた人)のところへ来た。

にしても何で“紅薔薇”??




「ああ・・・ちょっとねそこでね。男装していても僕にはすぐ分かったさ・・・
 ごらん・・・この澄んだ乙女の瞳を・・・」

「本当に・・・磨けば光る天然素材ね・・・」

「わvわvこの子のお肌、すっごくキレイ〜」




この人たちは人の肌をペタペタと触り始めた。

なんか気持ちわるい・・・

正直、ベタベタされるの好きじゃないんだよね・・・




「待っ・・!!勘違いだ!!彼はれっきとした男・・・「触るな俗物!!」




紅薔薇さんだっけ?殴ったよ、環先輩を・・・

ビックリしたぁ〜殴るなんて・・・




「噂以上に低脳な・・・歴史の浅い寄せ集めの軽薄集団めが!!」

「何者だ・・・!!桜蘭の人間じゃないな・・・!?」




やっぱり。




「・・・いかにも・・・!!」




バッ!!(脱いだ音)




「聖ロベリア学院 高等部2年 天草紅緒!!」

「同じく2年 舞原千鶴」

「同じく1年 石蕗雛子!!」

「聖ロベリア学院“白百合の会”通称“ヅカ部”!!」




ヅカ部・・・にしても、どうやって制服の下に制服を。




なんか騒がしいことになりそう。

は帰っちゃったし・・・1人でどうしろと??

鏡夜先輩に言わなければよかったかも。















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