聖ロベリア女学院
それはまさに女の園。
ヅカ部とは中でもとりわけ女性を至上のものと考える乙女の集い。
創設30年を誇る乙女の乙女による乙女の為の会なのでありました。
ヅカ部活動は「乙女お茶会」に“乙女とは何か”討論会、トップメンバーによる歌に芝居の発表会。
☆ホスト部廃止宣言!?(2)☆
「君、大丈夫かい?」
「はい。わざわざスミマセン・・・休ませてもらって・・・」
「いや、それはいいが、迎えは来るのかね!?」
「大丈夫です。もうすぐ一緒に帰る人が部活も終わるので・・・」
「そうか、お大事に」
「ありがとうございました。先生」
ベッドから降りると、服を整えて保健室を出た。
立ち上がった瞬間立ちくらみがしたけど、なんとか持ちこたえることができた。
早く、鏡夜さんのところに行こう・・・
『君達は間違っているぞ!!女と女がラブラブして何の生産性があるというのだ!!
神様は何の為にアダムとイブを・・・あつっ!!』
ホスト部前のドアまで来たのはいいのですが、明らかに何か問題が起こっている。
環さんの声がここまで聞こえます。
しかも、何か説得しているし・・・ハルヒが何かしたのかな??
そっとドアを開けると、そこにはお客様はおらず、ココの制服じゃない人達が3人。
ようするに、ホスト部員7人と他校生の女子3人の計10名が部室に。
「・・・どうやら、話し合う価値もなさそうだな。
現状を知った以上、こんな部に乙女をおいておくわけにはいかない!!
至急ロベリアへの編入手続きをとり、彼女をヅカ部へ迎え入れる!!」
「ちょっ、ちょっと待ってください」
まって・・・ハルヒがいなくなるですって?!
そんなの我慢できるわけないじゃない!!
というか、女ってバレてる!?
「ちょっと待ってください。ハルヒを転校させるわけないじゃないですか!!」
勢いよく部室へ入ると、全員が私に注目した。
まぁ、当たり前なんですけど。。。
「「「「「「(ちゃん)!!」」」」」」
私はハルヒを転校させると発言した人の元へ歩み寄った。
「大体なんなんですか!?他校生のしかも女子がハルヒを連れて行くなんて」
「」
私の名前を呼ぶ声がしたから、私は声のするほうへ向いた。
すると、そこには千鶴が・・・
なんで?ココに・・・???
頭の中で整理しようとするが、熱のせいでか頭が回らない。
「というのか。君も乙女だね!?」
「乙女ぇ?」
「そうだわ!もロベリアへぜひ」
「そうだ。こんな低俗な奴らといても君がダメになるだけだぞ」
はい??
なんか、私までスカウトされてるし・・・
この人達は女であればそれでいいのか??
「待ってください。色々誤解もあるようですし。ホスト部の歴史が浅いとか・・・」
「浅いぞウチは。設立2年だし」
「殿が高等部にあがる時に作ったからネ」
誤解って??ようするに、この人(背の高い女の人)が色々言ったわけだ。
というか、設立2年って・・・常陸院ブラザーズはしれっと言ってるけど、ようするに中学からしてるの!?
「環先輩がハーフというのも聞いた事ありませんし・・・」
「タマちゃんハーフだよ―――?フランスと日本のハーフちゃん〜〜〜」
それは知ってた。
だって親を見たことあるしv
「私利私欲といいますが、別にお客さんから代金をとっているわけでも・・・」
「代金というかポイント制だな。部内ネットオークションでの買い上げ額による優先待遇だ。
・・・・ああ、ほらハルヒ。お前の使用済みシャーペンが丁度3万円で落札されている」
「ちょっ・・・!?それ失くしたとおもってたやつ!!!
私も初耳ですよ、鏡夜さん。
後で、じっくりと何を売ったのか聞こう。
「めちゃめちゃ全部初耳じゃないですか!!お金とってるなんて聞いてませんよ!!」
「ボランティアであんなサービスをしているとでも?イベント経費に衣装代にお客様の飲食費。利益なんて微々たるものだぞ?」
「だからって人の物を勝手に売らないでください!!ドロボー」
「「ドロボーじゃないもん。落ちてたんだもん」」
さすが双子。
言い訳もバッチリですか・・・
クラッ・・
あっ・・ダメだ。
めまいがする。
「、大丈夫ですの?先程もでしたけど、まだ万全じゃ・・・」
「千鶴・・ごめん。大丈夫」
めまいが治まった瞬間、環さんの大声が耳に響いた。
「わああんごめんよハルヒィィ!!隠してたわけじゃないんだよウ!!これ!!俺のシャーペンあげるし!!」
「いりませんよ、今更」
「なんなら俺の出生の秘密も明かすし!!」
「イヤ、それ初耳の中で一番どうでもいい情報ですし・・・日本文化オタクっぽいからハーフとか考えたこともなかっただけで」
いつ聞いても、この2人はコントに見えてしょうがない。
「おかわいそうに・・・騙されて、さぞやショックでしょう・・・?」
「あんな連中ポイして、うちに来なさいよv」
「まあ待て雛菊。今日は乙女も動揺している。もう1人の乙女も体調が悪いみたいだし、明日また伺うとしよう。
よい返事を期待しているよ」
「、お送りしますわ」
「イヤ、私は・・・」
「いいから」
私はひっぱられるままに部室を後にした。
朝起きると、何故か千鶴が目の前にいた。
「千鶴なんでココに・・・」
「ここは私の家ですわ。もちろん、の親には連絡してあります。が心配だったんですの」
「ヘタしたら誘拐よ・・・」
「あら。親の許可は得てますし、親もここにいらっしゃってますわよ」
何してるんですか!!私の親は!!
誘われたら即、泊まりに行く性格を治してほしい・・・
「、今日はお休みになられたほうが・・・」
「ううん。もう大丈夫」
「でわ、熱があったら休んでくださいね」
「了解。千鶴は優しいんだから」
「当たり前ですわ」
そういうと、体温計を私に渡してくれた。
脇に挟んで測定を始め、1分すると音が鳴り、外すと36,5℃という表示が出ていた。
「これでいいわね」
「約束ですものね。わかりましたわ。1つ質問してよろしいですか?」
「何?答えられる質問なら・・・」
「は何故、男装をしてまでホスト部にいますの?」
そんな質問か・・・
「男装は私の親のおもしろ半分の発想」
「でわ、何故ホスト部に?」
「ホスト部なのは、ハルヒの借金の手伝い」
「借金?!」
私はホスト部を始めた経緯を話した。
「それならロベリアが払いますわ。そうすれば、もあの乙女もロベリアに来ることできますもの」
「そうだね。立て替えしてくれるのはありがたいよ。でも、私は桜蘭をやめる気はない」
「何故ですの?」
「それは・・・・・・・秘密v」
「教えてください」
「そろそろ時間!!学校だ!!」
「話は終わってませんわ!」
「近いうちに話すよ」
「約束ですよ!?」
「もちろん」
私は笑顔で返すと、部屋を出た。
私が桜蘭を選んだ理由であり、ホスト部をやめない理由。
そんなの1つに決まってるじゃない。
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