「まだ入るな。いいか、ハルヒ、。ロベリアの人たちと一緒に入るんだ」

「「はぁ・・・」」




そのまま環さんは部室に入っていった。









☆ホスト部廃止宣言!?(3)☆








「なんでだと思う?ハルヒ」

「さあ。どうせバカするんじゃ・・・」




恐らくそうだろう。

だって、今までまともなことしたことないし。

部室前で待たされること30分。

我慢のできなくなった私はドアに手をかけようと思った、その時。




「やあ、乙女」




ロベリアの背の高い人登場。

えぇっと・・・名前は・・・なんだっけ??

全然覚えてないんですけど。




「約束通り、また伺いましたわ〜〜v」




この子は確か、保健室に行く前に千鶴と一緒にいた子だ。

名前は。。。これまた覚えてない・・・




「わざわざ部室の外で待っててくれたのかい?」

「イエ・・・皆さんがいらしたら揃って入って来いと言われまして・・・
 おかしいんですよね皆。どうも朝から様子が・・・」

体調は?」

「千鶴、大丈夫。心配してくれてありがと」




5人で少し話しながら扉を開けると、そこには・・・・・・・・・・・・・・・














“扉を開けると そこは ヅカ部もどきでした”




「「「「「いらっしゃいませv」」」」」




私は思わず1歩下がってしまった。

だって、そこには貴族の女装(?)をした常陸院ブラザースとハニー先輩が。

そして、貴族の男の格好をした環さんと鏡夜さん、そしてモリ先輩がいた。




「なっ・・・・・・・!?」


「おー!ハルヒー」「おー!ー」




ハルヒの名前を光が、私の名前を馨が呼んだ。




「ハルちゃんちゃんv僕お姫さま〜〜〜v」




かわいい。。。妹のようだわ。

って私、妹いないんだ。




「何のまねだ!!我々の文化を愚弄する気か!!」




怒るのは当然ですよね。これじゃ・・・




「愚弄・・・?まさかとんでもない。全て計算通り!!これは庶民なら泣く子も喜ぶ必殺奥義!!
 “ひとつぶで2度おいしい”大作戦なのだ!!




ようするに、お買い得みたいなもの?!




「ロベリアの箱入りお嬢様にはわかるまいが、庶民はとにかく“おまけ”に弱いもの!!
 確かにハルヒとはヅカ部に魅力を感じているかもしれん。だが、しかし!!
 我が部を選べば、お兄様もお姉様もついてくる。ホスト部にいながらヅカ部気分も味わえるというすんぽーなのだ!!」




すんぽーって。寸法って言えないんでしょうか?

さすがは帰国子女。って私もだった。



環さんは一通りの説明を終えると、ハルヒの元へ行った。

でも、背中につけている羽が邪魔でハルヒに近づけないでいる。

バカに見えてきた・・・




「ハルヒ、。どーかしら?」

「お前のお父様とどっちがキレイ??」

「ハルちゃん、ちゃん・・・お姉様って呼んでいーよ?」




首をかしげながら言うハニー先輩に抱きつきたい衝動に駆られた。

だって、本当にかわいいんですもん。




「そんなものに乙女達が騙されるか!!ふざけるのもいい加減に・・・」

「ぶっ」




ハルヒが突然噴出した。

笑いがこらえきれなかった。そんなかんじで。

当然、周りは何事かと思うワケで、ハルヒに注目した。




「乙女・・・?」

「バカだバカだとは思ってたけど・・・限界・・・ププっ。意味わかんな・・・クスクス・・・」




ハルヒも止める気なかったんだ。




「「「そんなおかしい?」」」




ハニー先輩と常陸院ブラザーズがハルヒを覗く。

すると、ハルヒもこらえられなかったのか大笑い。

久しぶりに見た。ううん、初めてみたかも。ハルヒのあんな笑い声。




「乙女・・・」




背の高い人がハルヒに寄った。




「すみません。世の中には色んな人がいるし、皆さんのような考え方も独特で面白いとは思いますが・・・
 自分には叶えたい夢があって・・・桜蘭に入ったのはその為だから。それに、ここにはという心強い友達もいます。
 だから、はじめからここをやめる気はないんです」

「それではっ」




そう言って次は私に寄ってきた。




「ごめんなさい・・・千鶴には朝も言ったけれど、私もここをやめるつもりはありません」

「何故?」

「私がここに入った理由はハルヒみたいに純粋なものじゃないけれど、ここには捨てられないものがたくさんあるんです」

「捨てられないもの?」




千鶴は真剣な眼差しでこちらを見ていた。




「うん。私がここをやめない理由は・・・・好きな人がここにいるから。
 ホスト部の皆さんも大好きだし、それに自分から恋人と離れたくないの」

「恋人?」

「うん。千鶴には言ってなかったけど、鏡夜さん」




千鶴は私の言葉を聴くと鏡夜さんに視線を向けた。

そして一言。




「私は認めない」




驚いた。だって、今まで千鶴は言い方はおかしいかもしれないけど、聞き分けのつく人だったから。




「だって、そうじゃない。昨日、が苦しんでたにも関わらずその人はに何もしてあげなかった。それが恋人と言えるかしら」

「違う、鏡夜さんはちゃんと心配してくれてた。昨日家に来てくれたらしいわ」




千鶴はとても悔しそうな顔をしていて、なぜか私までも悲しい気持ちになった。




「朝の答えはこれですの?」

「うん、ごめん千鶴」

「紅緒・・・」

「・・・ああ・・・わかってる。あきらめないよ、乙女達」




そう言いながら3人は扉へ向かいはじめた。




「僕は誓う!!必ず君を救い、ホスト部をつぶしてみせると・・・!!」




みんな、聞いてない。ハルヒまでも。

去るときぐらい聞いてあげようよ、みなさん。


それから、ホスト部にはヅカ部というライバルが出現した。

まぁ、あくまでもヅカ部にとってだけ。

ホスト部がヅカ部をライバル視しているかは、みんな否定するだろうけどね。













「今日は送らせてもらうぞ」

「鏡夜さん、昨日私を送れなかったのがそんなにイヤだったの?」

「心配したんだぞ。電話したら帰ってないと言われるし、家に行けば舞原家に言ってると聞いたからな」

「それは、心配をおかけしました」




鏡夜さんは人の見えないところで努力をしている人だと改めて気づかされた。














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