「うわぁ!!!」
私は何もない道でつまずいてしまった・・・
しかも、交流旅行先で。
交流旅行とは1年生同士の交流を深めよう!ってやつ。みんな氷帝の初等部からばっかりだから、意味ないけど。
友達も通り過ぎる人も笑っていて恥ずかしかった。
でも、そんな中・・・
〜偶然⇔運命〜
「ビックリしたで。大丈夫かいな?」
手を差し出してくれた人。
「あっ、ごめんなさい。恥ずかしい・・・」
手を取り、お礼を言おうと顔を見た瞬間私は恋に落ちた。
カッコいい・・・眼鏡が見事に似合っていて。
「かわいかったで。ドジっこは嫌いじゃあらへん」
優しかった。
一目ぼれというのだろう。私はその人をボーっと眺めてしまった。
「なんや惚れてしもうたん?」
「・・・うん」
「ちょっ!!!」
「ハッ!!うわぁごめんなさい!!本当すみません!!」
友達の声で我に返れた私はとんでもないことを口走ったのだと気づいた。
慌ててお辞儀をして友達とその場から走り逃げ出した。
「あの制服どこかで・・・ちゃんか」
そんなことを呟いていたとは知らず。
「ハァハァハァ・・・」
「、あんた馬鹿!?」
「いや、つい・・・」
「ついって・・・いくらなんでも惚れたなんて・・・」
いや、友達の言うことは最もです。
でも、惚れちゃったものは惚れちゃったので。どうしようもないんですよ。
「でも!カッコよくなかった?」
「そりゃ、カッコよかったかもしれないけど、私にはダーリンいるしぃ〜♪」
「けっ・・・そうですかい。そうですかい。ラブラブはいいねぇ〜」
友達には付き合い1年目の彼氏がいる。
それに比べて私はというと、彼氏いない暦・・・年。という前にいない。
「も早く現実見つめて彼氏作ればいいじゃん」
「現実って・・・さっきの人は諦めろと?」
「どうせ大阪の人だし。私たちは東京。たった1度の出会いよ」
「・・・うん」
しょせんは交流旅行での出会い。
2度と会うことはないだろう。
そう思っていた中学1年の交流旅行。
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