まさかこんなにも早く気付かれるなんて・・・
m a l e - a t t i r e
「部活が必須だと・・?」
「ああ。不動峰はそういう方針だ」
「・・・」
。お前はどこまで俺に謎を与える。
今回のことはヒントなのか?
それとも新たに謎を深めているのか?
「どうした跡部」
「・・・いや、なんでもねぇ」
「そうか。じゃあ俺たちはこれで」
「ああ・・・」
そっけない挨拶で不動峰の連中と別れ、予定通りのランニングを再開し、俺は帰宅した。
帰ってみれば、は部屋だと言う。
まだ寝ているのか?
の部屋の前を通っても静かだった。
俺は、と正面向かって向き合おうと心に決めて、の部屋のドアの前に立つ。
コンコンッ
・・・・・
返事がねぇ・・・
静かにドアを開けると、寝息を立てながら眠るの姿が目に入った。
歩み寄り、の顔を見ると、明らかに目が腫れている。
泣いたのか?
俺は肌蹴た布団を掛け直そうとした時、見てはいけないものを見た。
そして、その時、全ての謎が解けたんだ。
俺の目の前にあるのは明らかな胸の膨らみ。
それは女にしかないもの。
少しの間時間が止まったかのように俺の時間はとまった。
が寝返りを打つことで、時間はまた動き出し、布団を掛けなおすと部屋を出た。
が女・・・
そうか。それで選手ではなくマネージャーなのか。
そうか。それで俺には言えなかったのか。
部活・・電話の謎も全て霧が晴れたかのように鮮明になっていった。
そして、俺は隠されていたことに悲しい反面、が女で嬉しい自分がいた。
堂々とを好きでいられるんだと・・・そう。いつかしら持っていたへの特別な感情。
俺は男同士だから手が出せなかった。
特別な友情でしかいられないんだと諦めかけていた。
でも、が女なら容赦はしない。
「ん・・・」
昨日はあの後、親友に泣きながら電話をしたのを覚えている。
そのせいか、目に違和感が。
多分、腫れているんだろう。
ベッドの近くにある鏡を見れば案の定真っ赤な目。
「あ〜あ。これじゃ泣きましたって顔だよね・・・」
「そうだな」
「けっけいご!?いつからソコに?!」
ドアに背を任せ、それは見事に似合ったポーズをしている景吾がいた。
「起きた時からいたぜ」
「・・・!!ちょっと出て行って!!」
「あーん?何でだよ」
「いいからっ!!出てけ!!」
枕を思いっきり投げつけると、景吾は軽く笑いながら「分かった分かった」と言い出て行った。
というのも、現在自分はなのです。
いわゆるサラシが外れていて胸が・・・景吾気付いてないよね・・・
たぶん、態度が変わらなかったのを見たところ気付いてない。よしっ!!
って、気付かれないのも女としてちょっと寂しいカモ・・
サラシを巻き直して、制服を着ると俺はとなり部屋を後にした。
「おはようございます。様」
「おはようございます。朝からご苦労様です」
「いえっ、ありがとうございます」
「??」
なんで、そんなに慌てて御礼言われるのかサッパリ・・・
「使用人に声をかけるなんて滅多にないことなのよ。君v」
「奥様」
そこに立っていたのは景吾の母である奥様。
跡部家は神出鬼没なの?景吾といい奥様といい・・・
「私たちも見習わなくてはね。使用人もその方が気持ちよく働けるもの。ありがとう、君v」
「えっ、あっその、いえ・・・」
何どもってんの私!?
「うふふ・・本当かわいいわねぇ。景吾のお嫁にどうかしら?」
「ええぇぇ!!」
「あら、イヤだったかしら?」
「いえ、そんなんじゃなくて・・あの・・・」
「そう返事を急がなくてもいいわ。私は期待しているわねぇ〜」
そういい残すと、廊下を優雅に歩いて行った。
ってか、景吾と結婚!?ありえない!!
その前に、景吾がいやがるっちゅーねん!(忍足風)
「ー!行くぞー!」
「あっ!待って!今行く!!」
下の階から聞こえる景吾の声。
私は結婚なんて望まないから、こんなふうに呼んでもらえる仲のままでいたい。
ずっと・・・
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