男装をやめて1週間が過ぎました。
でも、1週間呼び出しのない日なんてなかった。
しかも、今日は2回。
m a l e - a t t i r e
1つ目は昼休みの屋上。
「ねぇ聞いてるの?あんた本当いい根性してるよね。学園の全員騙してたくせにさ」
「それは悪かったと思ってる・・・」
「騙した次はみんなの跡部様を含むテニス部を1人占め」
「本当しんじられないよねぇ〜」
「・・・」
この関係の呼び出しは6回目。
いい加減にして欲しい。
そして、この時に必ず助けてくれるのは・・・・
「だって好きで男装してたわけじゃないんだから許してやってよ」
「「「さんっ!?」」」
友達の。
は氷帝学園の副会長をしてて、ちなみに女子テニス部の部長もこなしているの。
所謂、女版の跡部。まぁ、あくまでも立場が景吾に似ているだけで、性格は全然違うんだけどね。
ただ、みんなを崇拝しているのは一緒かも・・・なんたって、とある所の娘ですから。
「3人ともさ、の気持ちわかってやって。それに私の友達いじめたりしたら許さないからね」
「「「!!!!ごめんなさいっ!!!!!」」」
3人は謝ると、逃げ出して行った。
そりゃ私でも逃げ出したくなるかも。
だって笑顔で言うんだもん。腹黒いよ、本当・・・
「大丈夫?」
「いつもありがと」
「いえいえ。大事な部員であり親友なんだから守らなきゃ」
そう。私は女子テニス部に入部したのだ。
一応シングルス1に任命されました。ちなみにはシングルス2ね。
試合も間近。私にとっては初試合なの。
「にしてもそろそろ呼び出しも終わるんじゃない?」
「なんでそう思うの?」
「ん?まぁ跡部が気付いて動きはじめるだろうから」
「気付いてるとは思えないけど・・・だっていつもが止めてくれて私には被害ないんだし」
「そうなんだけどね、忍足がどうも嗅ぎつけたみたいで・・・」
「げっ!?侑士が!?」
侑士は噂好き。
絶対に耳に入ってるだろう・・・ということは景吾にも情報はいってしまうわけで。
「『げっ!?』とはなんや。跡部にも教えてやっただけやん。ただの噂話を」
「侑士は絶対に性格は女だよ!!噂好きで誰かに言いたがるなんて!!」
「それでもかまわへんよ。で、ほら噂をすれば王子様の登場やで。
、被害こうむりたくなかったら出て行くでぇ〜」
「そうする・・・じゃあね」
侑士とは景吾が来た反対側の扉から出て行った。
私は2人の背中を見送ると、景吾に振り向き笑顔を見せる。
「めずらしいね、この時間に屋上に来るなんて。そろそろ授業始まるし帰ろ」
「隠してるつもりか?あぁん?」
「何を?私は何も隠してないけど」
「呼び出しあったんだろ?忍足から聞いた」
「そのことね・・・大丈夫よ。何かされたわけじゃないし、が守ってくれたしね」
景吾の眉間には皺が寄ってる。
こりゃ完全に怒ってますね・・・
「本当大丈夫だって。景吾の心配しすぎ。私怪我したりしてないでしょ!?」
「イジメってのは怪我だけじゃねーんだよ。しょうがねえ、の力もちょっと借りるか」
「借りるって何する気?」
「あーん?は黙って見てればいいんだよ」
そう言うと、景吾は私の手を引き屋上を後にした。
何を企んでいるのか分からない。
変なことしなきゃいいけど・・・
で、2回目の呼び出しは放課後で男の人。
今まで2度ぐらいあった男の人からの呼び出し。
それは、いわゆるホモってやつで・・・
私って異性からも嫌われるタイプみたいです。
そして、今日のお相手は野球部の部長でイケメンで有名の小野原和也。
正直ショックだった・・・この人もホモだったとは・・・
結構モテて景吾や侑士と肩を並べるほどの人だったんだけど。
「あの・・・用件とは・・・」
「あっ、ごめん。部活あるのに、すぐに終わらせるから」
うわぁ〜さわやかタイプだ。
景吾とも侑士とも違う。
まるで宍戸と長太郎を兼ね備えたタイプ。
「もう用件のみ言わせて貰うね」
「・・・はあ・・・」
「俺と付き合って欲しい」
「・・・・・・・ハッ!?」
「だから、俺と付き合って欲しいんだ」
今までになかった。
「あの・・・テニス部に手出すな。とか俺の景吾に手出すな。とかじゃないんですか?」
「・・・?俺はそういう趣味はないけど・・・」
「あっ、ごめんなさい。今までそういう呼び出しが多かったので」
「プッ。そうなんだ」
笑われた。私が笑われたの!?
たぶん内容にだよね!?
「でも、あの・・私景吾と付き合ってるし・・・」
「知ってる。でも、それはさんの知っている男の中で跡部がいいだけであって、
もしかすると、俺を知って俺が1番になるかもしれないじゃん?」
「はあ・・・」
「というか、キミみたいな子が跡部に騙されるのを黙ってみてられなくて・・・」
「騙される?」
どういういこと??
景吾が私を騙すって・・・
「さんが転校してくる前の跡部は女遊びがひどかったんだよ。それにキミを利用されるなんて
俺は許せないんだ。好きな子が遊ばれているのを指を咥えてみてろって無理な話だろ?」
もしかして誤解というものでしょうか・・・
「あの・・・それなら大丈夫です。私景吾を信じてますから。ご忠告ありがとうございます」
「さんっ俺は本当にキミが好きなんだっ!!」
すごい勢いで迫られ、私はその場から逃げたくなった。恐怖を感じたのだ。
そして後ろから聞こえた次の声でその恐怖も消える。
「俺様のに手出そうとはいい度胸じゃねえか。小野原」
「跡部っ!!」
振り返れば景吾との姿。
いつも呼び出しの時はに言っていたからが景吾を呼んで来てくれたのだろう。
「そいつは俺様のだ。手を出すならゆるさねぇぜ?」
「跡部はお遊びだろうが、俺は本気だ。そろそろキミも飽きてきただろ?」
「飽きる?ハッ!に飽きるわけがねぇ。言っておくが俺様も本気だぜ?今までの女と一緒にするな。
、来い。部活遅れているだろうが。エースがそんなんでどうすんだよ」
「あっ・・///うん。小野原君、ごめんなさい。私、やっぱり・・・」
「俺は諦めないから。いつか振り向かせる!!」
「まぁせいぜい頑張りな。無理だろうがな」
心臓爆発しそうだよ。
景吾、恥ずかしいことサラッというんだもん!!
私と景吾とはテニスコートへと向かった。
ちなみにテニスコートは男女10コートを半分ずつ使っている。
男子は人数が多いから他のコート(20コートあるところ)にいる人もいたり。
ちなみに女子は部員数60名前後。
男子には到底追いつけない人数だ。
「もだ。なんで行った」
「だって今までと同じ呼び出しかと思ったんだもん」
「ちっ。やっぱり明日言うしかねぇか・・・」
「何言う気?」
「だから黙って見てろ。お前は俺様に守られていればいいんだよ」
何かまたやらかしそうな予感・・・・
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