「はじめまして。といいます」






ついにやってきました。

跡部邸・・・



あの跡部グループといえば知らない者はいないというほどの家であって。

私の家はそんなにすごい家と知り合いだったわけ・・・?








m a l e - a t t i r e







「いらっしゃいvちゃんv」




出迎えてくれたのは、綺麗なお姉様。




「あっ、これからよろしくお願いします」

「私は跡部景子よ。よろしくね」

「あっ、はい」

「分からないことがあったらなんでも言って」




微笑む姿はとても綺麗で、見惚れてしまっていたら、男の人の声が聞こえた。




「おふくろ、そいつか?」




まって・・・今おふくろって・・・




「景吾。挨拶はちゃんとしなさい。・・・ごめんなさいね。この子が私の息子で景吾。確か同じ歳よね」

「あーん?こいつ俺様と同じ歳なのかよ。しかも女々しい顔してやがるし」

「こらっ!」




この人が噂の女嫌いで女たらしのヤツか・・・

景吾といわれる人物は正直、綺麗で女たらしをできる顔だと納得できた。

そして、景子さんは私の為に怒ってくれてとてもいい人だと認識。




「あっ、気にしないでください。慣れてますから・・・にしても、奥様だったんですね。てっきりお姉様かかと・・・」

「あら、いい子ね〜君vお姉さんでもいいわよ」

「よくねぇよ」

「プッ」




景吾君はすかさず突っ込みを入れている。

面白くてつい噴出してしまったら、睨まれた・・・もちろん景吾君に。




「ごめん、ごめん。面白くてつい・・・あっ、俺は。これからお世話になります!よろしく」




握手を求めると、見事に無視された。

クゥームカつく!!

跡部景吾、最悪なヤツと認識。




「景吾!!」

「いいですよ。馴れ馴れしかった自分がいけないんでしょうから」

「ごめんなさいね。景吾、君を部屋に案内しなさい」

「はっ。なんで俺様が」

「頼んだわよ。私はこれから仕事だから」




そういい残して奥様は消えた。

きまずい・・・景吾君と2人はさすがに気まずい・・・




「おい」

「えっ!?はい」

「こっちだ」

「・・・うん」




なんだかんだで、景吾君は私を部屋へと案内してくれた。

優しいのか。いやなヤツなのかわかんない。




「お前、」



「はっ!?」

「俺の名前は。お前じゃない」

「クッククク・・・」




私は別におかしなことを言ったつもりはない。

なのに、景吾君は笑っていて、私は首をかしげた。




、お前いい根性してるぜ。この俺様にそんなこと言ったヤツは初めてだ」

「そうなの?・・・まぁいいや。で?何?」

「ああ。確かテニスするんだろ?」

「一応ね」

「テニス部に入るのか?」

「・・・どうしよう・・・」




男子テニス部に入って試合に出れるか?いや、表面上で男でも、試合に出場は困難だろう・・・

調べられたらそれこそ終わりだ・・・

でも、テニスから離れたくないし。




「まだ決めてねぇのかよ」

「色々あんの。あっそうだ!!マネージャーするよ俺」

「マネージャーだぁ?そんな女がするようなことしてどうすんだよ」

「あっ、マネージャー馬鹿にしたな。マネージャーは結構重要な存在なんだよ!
 選手の健康管理からなんから色々支えてるんだから。景吾君だってマネージャーがいるから部活できるんでしょ」

「はっ!俺様は俺様だけでテニスしてんだよ」



はっ!?自己中だし!!!



「てかテニスしてんの!?」

「わりぃか?」




景吾君もテニス部・・・

やめるべき??




「いや、悪くないけど・・・さっきの意見は自己中だと俺は思う」

「あーん?」

「だって、テニスコートの整備や片付け、ボール拾い、ドリンク作り、スコア付け。全てマネージャーがしてるでしょ」

「・・・」

「ほら。景吾君1人の力じゃないじゃん」

「ちっ」




よし。分かってもらえたようだ。






景吾君はその後、部屋の構造やメイドの呼び方など色々指導すると共にテニス部について教えてくれた。

そして明日から俺はテニス部マネージャーになろうと決めたんだ。




「じゃあ俺様は部屋に戻る」

「うん。ありがと」

「俺様の部屋は隣だ。迷うんじゃねーぞ」

「そんな馬鹿じゃないよ」

「ふんっ、どうだかな。じゃあな、

「うん。じゃあ景吾君」

「景吾でいい」

「・・・じゃあ景吾」





パタンっ。



“景吾”か・・・

少し距離が縮まった気がした。

これから1歩1歩近づいていこう。
















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