「おい。行くぞ」
「へっ!?」
「学校行くだろうが」
「あっ!今行く!!」
m a l e - a t t i r e
景吾と2人で後部座席に乗り込み、約20分。
目の前にあるのは噂のお金持ち学校こと氷帝学園。
「なあ景吾」
「あーん?」
「いつも車登校なわけ?」
「当たり前だろうが。俺様が歩いて登下校するわけがねぇ」
「そですか・・・」
このボンボンが。
車登校なんてしたことない私にとって貴重な初体験となった。
車から降りると、ものすごい視線と奇声。
周りからは「跡部が来た」「跡部様v」など恐怖の声や好奇の声。
そして、今回私がいたこともあってだろう。
ひそひそ声が聞こえた。
「あれ、誰だよ・・・」
「見てあの方。かっこいい・・・v」
など。
しかし、景吾は気にする様子もなく進んでいく。
「ちょっ!景吾まって!!」
「なんだよ」
うわぁ〜不機嫌丸出し。
睨まれたよ・・・
「なんでそんなに機嫌悪いのさ」
「朝からうるせぇんだよ。こいつら」
そう言った景吾は、周りに視線を送る。
「ああ。そういうこと。・・・でも、景吾って騒がれるの好きかと思ってた」
「あーん?俺様はそんなんじゃねぇ」
「そか。うん、分かった。ごめん、勝手に思い込んで」
思い込むヤツは今まで何度も見てきたが、謝れたのは初めてで景吾は呆気にとられた。
「でさ、職員室どこ?俺しらねーし」
「・・・ああ。こっちだ」
おもしろいヤツ。景吾にとってはそういうふうに刻まれた。
職員室で景吾はノックをして、礼儀正しく入っていく。
そして、1人の人を見つけると、そこに迷わず進んでいった。
「監督。おはようございます」
「ウム」
「転校生のです。今回テニス部のマネージャーをしたいとのことでして」
「そうか。君は本当にいいのかね」
景吾の言葉から察するに、この人がテニス部の監督ってコトだろう。
ごめん・・監督に見えません。
てか、景吾がちょー下手にでてるのに驚きなんですが・・・
「あっ、はい。自分はテニスがすきなので。ぜひ」
「それなら何故マネージャーに?選手ではダメなのか?」
「それは・・・色々と事情がありまして。試合には出たくないんです。練習試合とかなら大歓迎なんですけどね」
笑いながら言ってみたが、ダメだったか??
「そうか。それならば仕方がない。選手及びマネージャーという形で取ろう。
うちは練習試合などでレギュラーじゃなくても使うからな。不満はあるか?」
「いえっ!!全然!!ありがとうございますっ!!」
「ウム。跡部、、行ってよしっ!!」
「「はい」」
うわぁ〜何アレ。
行ってよし!って。あの指!!2本(人差し指・中指)を突き立てて私らを指しちゃったよ。
一応、返事はしたけどさ。
そんなことを考えていたら、景吾は次の机と向かっていく。
「ちょっと待ってよ!」
「オメェが遅せえんだよ」
「だから!だってば」
「細かいっ!!」
「気になるんだから仕方ないじゃん!!てかどこ行くの?」
「担任」
「ああ。そっか」
忘れてました。
まだ、担任のところに行ってないんでした・・・
景吾が言うには私のクラスはもう知っているようで、鈴木先生なんだって。
担任には挨拶を済ませると、景吾は1人出て行った。
なんでも、同じクラスらしいんだけど、一緒に行くわけにもいかねえだろって。
そりゃそうだ。
それから何十分か後に私は先生に促されるまま、クラスへと向かった。
−3年A組−
騒がしかったクラスも担任の鈴木先生が入り声をかけるのと同時に静かになった。
「ねぇ先生〜転校生は?」
クラスの1人が先生に転校生のことを聞くと、周りがそれに伴いまた騒ぎ始めた。
「静かにしてろ。今呼んでやるから。、入りなさい」
「はーい」
廊下で待機していた私は声をかけられ、教室へと足を踏み入れた。
そして、一気にうるさくなる教室。
「かっこいいv」
「てか可愛くない?ジロー君タイプか、鳳君タイプかもv」
「えーあれは向日君タイプよvv」
「なんだよ、男かよっ」
男で悪かったわね!
心でそう呟きながら、私は先生の横まで進んでいった。
「えーっと。君だ。仲良くすんだぞ」
「「「「はーい」」」」
「、自己紹介しろ」
「はい。えーっと、です。俺のことは好きに呼んでください。氷帝学園は広くて迷子になるかもしんないので、
見つけたら優しく声かけてください!」
そう言った途端、笑いが起こった。
えっ!?私変なこと言った??
「、さすがに学校で迷子は恥ずかしいぞ」
「そう言いますけど、俺、方向音痴ですから・・・」
「そうなのか、じゃあいつも誰かと一緒に行動するんだな」
「ハァ・・・」
「よし、の席は跡部の隣だ。跡部は知ってるよな」
「知ってますよ、跡部景吾でしょ」
「そうだ。あいつに色々聞くといい。学級委員長で、生徒会長だ」
「!?そうなんですか・・・わかりました」
景吾はニヤニヤしながら私が座るのを待っていた。
「生徒会長様だとは知らなかったよ・・・」
「あーん?俺様以外に適任なヤツはいねぇだろうが。それより、面白いな」
「どこが!?」
「天然ってよく言われていただろ」
「・・・何故それを・・・」
そう。私はよく前の学校で“天然危険物”と馬鹿にされていた。
もちろん、部内だけの話だけれど。
「お前見てればそんぐらいわかんだよ」
くぅー!!悔しい!!
馬鹿にされた・・・
気がつくとホームルームは終了していた。
景吾と話している間に終わったらしい。
そして、今の状況は・・・・周りには人!人!人!正確には女子!女子!女子!
ホームルームが終えた瞬間に集まったのだ。
「ねぇねぇ君って彼女いるの??」
「えっ?いないけど・・・」
いたら困るっちゅーの。
「そしたら、私彼女候補になるぅ〜」
「えぇ!?いや、それは無理だから・・・」
「えーなんでぇー」
「いや、ほら、君のこと俺知らないし」
「君って硬いんだね。景吾様と一緒にいるからてっきり」
「そういえば、君って景吾様とどういう関係なの??」
「んー・・・なんて言えばいいのかな?」
「居候してる身だろ」
「そうそう!よく知って・・・景吾じゃん」
そう。正解を述べたのは景吾だった。
まぁ景吾なら正解を知ってて当たり前なんだけどさ。
「きゃー!景吾ですってvテニス部でも苗字なのにぃ〜」
「・・・・うるせぇ」
景吾の呟き、今聞こえた!?
でも、女子はいっこうに静まる様子はなく。
「うるせぇ!ってんだよ!!散れっ!!」
思わず耳を塞いでしまった私。
だって、叫ぶ前に思いっきり息吸ってたの見たんだもん。
てか、景吾の叫ぶの初めてみた。
女子は景吾の気迫と声に負けて散らばっていく。
「いいの?女子に嫌われるよ」
「いいんだよ。どうせまた寄ってくるんだ」
「すごい自信だね」
「あーん?当たり前だろ。俺様なんだからな」
「そうやで。跡部は“来る者拒まず、去る者追わず”やからな」
「そうなんだぁ〜・・・って誰!?」
突如現れた関西弁。
この人誰ですか。
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