「あっ、先輩!?」








m a l e - a t t i r e










?誰だそれは・・・

これはの携帯だ。名前の表示があるからにはお互い知っていることになる。

間違ってかけたのか?




「残念だったな。これはとかいう奴の携帯じゃねえ。のだ」

?誰・・・?」

「あーん?を知らねえのか?杏」

「なんで私の名前・・・誰あんた」

「表示されたからに決まってるだろ」

「・・・なんて知らない。すみません、掛け間違いかもしれません・・・」

「そうかよ」

「じゃあ失礼します」




一体なんだったのか、理解出来ずに俺様は携帯を机の上に置いた。

そして、に布団をかぶせ部屋を後にする。



にしても、おかしい。

『杏』という奴は『』をしらなかった。

しかし、『』は『杏』の番号が登録してあるということは知っていることになる。

の一方的な知り合いにしても、『杏』が番号を知っているはずはない。




「だぁー!!考えれば考えるだけわかんねぇ・・・」




この時はまだ景吾の中には『』=『』という方程式はできあがってなかった。

























−次の日



まって・・・確か景吾の部屋に行って・・・

って、帰ってきてるしっ!!

もしかして寝ぼけながら??それとも夢遊病??




「俺様が運んでやったんだよ」

「うわっ!!ビックリしたぁ〜」




声のする方を見れば、扉を背に立っている景吾がいた。




「てか景吾って超能力者??」

「はっ?」




うわぁ・・・何このバカじゃねーって目。




「だって、俺の心よんでたじゃん!」

「・・・ぷっ!」

「笑うことないじゃんかぁー」

「声に出てたんだよ。、やっぱりテメェ天然だな。岳人といいコンビ組めるかもな」




それだけ言い残すと、景吾は私の部屋から出て行った。



なんなんだよぉ・・・天然天然って・・・

これでもテニス部部長だったっちゅーねん!!



ん?待って・・・景吾に運んでもらった・・・?

メイドがいるのに自分で?

なんでですか??景吾・・・



って!!思わず期待しちゃったよ。

景吾にとっては私は男。

女としてみてないんだから、元々そういう性格なんだよね、景吾は。

やっぱり、内面も優しいんだ・・・











・・・1限目の休み時間




「おっはよ〜」

「やけに元気やなぁ姫さんは」

「はっ?」




今、侑士“姫さん”って言わなかった?




「何固まってんねん。そんなに姫さん言ったのがショックやったと?女顔だからついな」




女顔だから。・・・ってバレたのかと思ったし!!

紛らわしい・・・




「次、姫さんって言ったらぶっ飛ばす!!」

「こわぁ!」

「おい」

「あっ、景吾」

「跡部やないか。職員室はもう済んだん?」

「ああ。今日のの対戦相手を聞きに行ってた。監督は今日は来れないらしいからな」

「だれだれ???」




今日の私の相手誰だろう。

最近テニスしている暇なかったからすっごい楽しみv




「相手は・・・滋郎だとよ」

「マジかいな・・・」




2人はちょっと深刻そうな顔をしていた。




「ジローだと何か不都合でも?俺はすげえ嬉しいけど。レギュラーとできるわけだし」

「昨日は滋郎は練習してなかったやろ」




そういえば・・・寝てたね。




「あいつはアレでもS2だ」

「すごっ!!寝てるだけでS2!?それはぜひとも戦ってみたい」

「「・・・・」」




景吾と侑士はこの時、がコテンパンにやられると思った。

の実力を知らないが、かなり劣ると思ったのだ。

滋郎を越えることはないと。



しかし、それはあくまでも景吾と侑士の頭の中だけのこと。

自身はというと・・・

久しぶりのテニスと強い相手と聞いてワクワクしていた。



景吾はに負けて欲しくなかった。

それは自然に浮かんでくる気持ちで、景吾自身その時の自分の気持ちには気付いてなかった。

ただ、漠然とだけ感じていたへの特別な感情。

でも、それは友情なのだと。同居しているから感じた家族愛みたいなものなのだと、景吾は思っていた。




あっという間に時間は過ぎ、放課後。

テニスコートの周りにはテニス部で囲まれていた。

みんな興味があった、景吾の連れてきた人物に。





「じゃあはじめよっか。・・・って起きてるの?」

「ん・・・大丈夫ぅ〜ZZZzz」




寝ちゃってるじゃん!!

1人で困っていると、景吾から試合始めていいとの合図があった。




私からのサーブ。

まずは相手の実力拝見といきますか、




「当たっても知らないよ〜!」




その言葉を発し、ボールを高々と上げる。

そして、ラケットを振り下ろし、ボールを相手側へ。



なつかし〜この感じ




滋郎は寝てるようで、寝てなかったようだ。

軽々とボールを返してきた。

そして、前へダッシュ。




・・・?ダッシュ!?

何する気ですか。このお方は。




理解するのが遅すぎた私は、急いで戦略を考えた。


ロブを今頃上げてもスマッシュが帰ってくる可能性がある。

といって前に落とせば、滋郎の思う壺。

。。。いいや。まずは滋郎の技を見せてもらおう。

でも、ただでは見ない。




私は滋郎が駆けて来る足元を狙って返した。

でも、それは私が罠にかかっていたんだ。




「うわっ!!」




滋郎は足元に来たボールに驚いたが、それを見事に私のコートのネット側に落とした。




「うそ・・・あんなのアリ・・・?」




あんな返され方されたのは初めてだ。

私が返した場所は誰もが取りにくい位置。

声からしてマグレっぽい・・・でも・・・あんなに綺麗に返せるなんて・・・









もう1度・・・試してみよ













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