絶対に負けない。








☆姉貴☆








昨日の夜、姉貴は痣だらけだった。

見た感じでは新しいものであろうものばかりだった為、昨日やられたのだと思う。

今日は氷帝も試合に参加のはずだから、姉貴の親友のさんの彼氏という忍足とかいうやつに聞くつもりだ。

クラスが一緒でよく話してると姉貴が前に言っていたからな。






「おい、。なんでそんなにイライラしてんだよ!?」


「悠、わりぃ」


「いや、いいけどよ。あんまイライラしてると試合に響くぞ!」


「あぁ、分かってる」




悠とは、俺の親友。そして、俺のダブルスの相方。それと、さんの弟だ。

悠と話している時に氷帝が遠くを通った。

俺はそれを見逃さず、すぐさま走った。




「おい、どこ行くんだよ!?」


「わりぃ。すぐ戻る」








目の前には結構な団体。氷帝学園男子テニス部。




「あの、忍足さんいますか?」


「誰だ?お前」


「宍戸さん、ケンカ腰はいけませんよ」




長髪の男が振り向いて俺のことを聞いてきた。

それを長身の男が止めたというか、なだめた。




「聖蘭学園だぁ〜」




そう言ってきたのは眠そうにしている金髪の人。




「聖蘭学園といえば、最近できたばかりのところですよね?」


「おい、お前もとんでみそ」




とんでみそってなんだ?




「それで、聖蘭学園の方が何か?」




長身の奴は話しが通じるみたいで助かった。




「あぁ、忍足さんどこにいるか知ってますか?」


「忍足先輩ですか?そういえば、どこに行ったのかなぁ」


「おい、何してやがる」




この人は噂の跡部さんか・・・

ジュニア選抜に選ばれたという。




「あっ、跡部さん」


「お前なんだ?」


「なんでも、忍足先輩を探してるらしいんです」


「忍足だぁ?あいつならあそこにいるぞ」




そう言って指さした方にメガネをかけた長身の人が悠と話していた。

そうか、悠と忍足さんはさんを通じて知り合いなんだよな!?

俺は、長身の人と跡部さんにお礼を言い、悠の方に走って行った。




「忍足さんっ!」


「誰や?」


「あっ、




俺に気づいた悠と忍足さんは俺の方を見た。




「はじめまして。悠とダブルスを組んでいます。といいます」


っての弟?」


「はいっ!」




忍足さんは驚いた様子で俺を見ていた。




「あの、じつは姉貴のことなんですが」


がどないしたん?」


「昨日、痣だらけで帰ってきてたんです。それで、忍足さんなら分かるかなと思って」


が痣だらけ?マジかいな・・・」


「知らないんですか?」


「初耳や」


「そうですか・・・今までいじめられてたとかはないんですか?」


「それはあらへん」


「そうですか・・・」




忍足さんは少し考えた素振りを見せ、思い出したように




「そういえば、昨日女子から手紙もらっとたわ!頼まれたのを渡されてたっぽかったから、てっきり告白かとおもっとたんやけど」


「それが原因ですか」


「たぶん、そうやろな。その手紙を受けた次の休み時間に俺に伝言頼んだし」


「伝言?」


「そや、跡部に一緒に帰れなくなったって」


「跡部さんに!?」


「あ〜、知らんのかいな。跡部とは付き合っとんで。といってもおとといぐらいからやけどな」




跡部さんと付き合っている!?

それなら恐らく、ファンクラブかなんかが原因なんだろう。

聖蘭学園でもあることだから。

くそっ、なんでその時に跡部さんは気づいてくれなかったんだよ。

俺は、自然と跡部さんに怒りが向かった。

彼氏なら彼女を守る事ぐらいして欲しい。

俺は、納得いなかない。こんな目に合ってまで付き合うことなんかないっ。


そう思っていたその時、







「悠、侑士」




姉貴とさんだ。




、体は大丈夫なん?」




忍足さんは姉貴に問い掛けた。

姉貴は驚いた顔をしていたが、すぐに笑顔に戻った。




に聞いたの?大丈夫だよ。心配するようなこともないし」


「せやけど・・・」


「どういうこと?」




さんが疑問に思ったのか、聞いてきた。

姉貴は一通り簡単に説明をした。

体が痣だらけのことを。

もちろん、それを聞いて大人しくしているさんではなく。




「跡部君は何をしていたの?まず、このことを知ってるの?」


「知らないよ。言ってないもん」


「なんで言わないの!?私が今から言ってきてあげる」




歩き出そうとしたさんに向かって姉貴が




「待って。大丈夫だから。跡部君は関係ないし、心配かけたくないから」




そう言うと、姉貴は笑顔を見せた。

さんはもちろん、俺も納得いかなかったけど、姉貴がそう言ったのならしょうがない。




は、それでいいの?」


「うん」


「そう・・・でも、無理ならいつでも言っていいから」


「ありがと。、大好き☆」


「あたりまえでしょ!」




姉貴はいつもの笑顔に見えたけど、いつも姉貴の笑顔を見てきた俺は気づいた。

頑張ってつくってる笑顔だと・・・

俺は、跡部さんを許すことができない・・・















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