両親の葬儀を終え、それから2日。
今、跡部家へ向かっています。
☆合併☆
「ようこそ」
「初めまして。と申します」
秘書も紹介して、私達を出迎えてくれたのは景吾を含めた3人。
もちろん景吾のご両親だった。
「先日のことは大変だっただろう」
「いえ、助けてくれた人がたくさんいましたから」
景吾の父は微笑んで「そうか」と言って私を部屋まで案内してくれた。
考えてみれば跡部のご当主に案内してもらうってすごい・・・
「で、早速で悪いのだが、合併の話しを進めていいかね?」
「かまいません。そのために来たんですから」
たまに景吾と目が合う。
正直変なかんじだ。
「まず、様は景吾のことは好きなのかね」
「様なんて・・・呼びやすいように呼んで頂いて結構です」
「そうかい?ではさんとでも呼ばせてもらおうかな?」
「はい。で、景吾さんを好きかどうかですが・・・私は景吾さんをお慕いしていますし、大好きです」
「景吾は気持ちにかわりはないんだな」
そして景吾が今日初めて口を開く。
「ああ。俺はを愛している」
「そうか。2人の気持ちは分かった。では、合併は正式契約としてもいいな?」
「「はい」」
景吾と声がハモる。
それを両親は微笑ましく笑った。
私も恥ずかしくて微かに笑ってしまった。
それを奥様に見られていたらしく、奥様は顔が明るくなった。
「まぁ。さん、笑ったほうがかわいいわv」
「///ありがとうございます」
もちろん、誉められるとは思ってなく真っ赤になる。
跡部家の人間はこうも照れることをスラスラといえるのだろうか?
「ところで、合併はいつからにしたほうがいい?」
「そうですね・・・色々準備がありますから・・・」
「そうだな。マスコミの記者会見もあるしな」
「マスコミ!?」
「なんだ?、ナイと思ってたのかよ」
馬鹿にしたような景吾の態度。
いつもなんだけど。
「まさか、そこまでするとは・・・」
「では、合併の要因は2人の結婚ってことにするから。いいな?」
「わかりました。合併後のことなんですが、全権跡部様にお任せしてよろしいんでしょうか?」
「ん〜。合併後すぐは、のことを私は理解してないからな、指導の方がな。。。」
「では、ある時期までははわたしの方で指揮を取らせていただきます。メドはいつぐらいでしょう?」
「それなんだが、景吾が俺の跡を継いでからでよくないか?」
「結構先の話しになると思いますが・・・」
だって、景吾はまだ18歳。
景吾の父はどう見ても40代。まだまだ先は長い。
しかし、跡部家は違うようだ・・・
「跡部家では成人を迎えると、社長になる」
「えっ!?でも、旦那様は・・・」
「私は会長という形になる。まぁ、あくまでも景吾が社長になっても私が指導を1年程厳しくするから実質私が社長みたいなものだがな」
「そうなんですか・・・では、景吾さんが継いでからで」
「では決まりだな」
そしてそのまま契約書にサインをして、正式に決定した。
「ところでさん、あなた学校辞めるって本当?」
「あっ、はい。あと2日で」
「何故?」
「今から私は仕事を覚えなくてはなりませんから」
「そう・・・行きたいでしょう?」
「行きたくないと言えば嘘になります。でも、私自信が選んだ道ですから」
景吾は初耳のせいか驚いた顔をしながら聞いていた。
それに対して両親は心配そうな顔。
しかし、私の最後の言葉を聞いたあとから笑顔がこぼれた。
「あなたが景吾の好きな人でよかった。これからも楽しみにしているよ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
それから私は景吾の部屋へと通された。
部屋は無駄なものがない。
ただ1つ目についたもの。それは私と景吾の写真だった。
「これ・・・」
「ああ」
私が写真立てを手に取り眺めていると、景吾は近くの引き出しからもう1枚写真を取り出した。
それはグシャグシャになっている私が今手にしている写真と同じモノだった。
「コレ、お前が病院で握っていたやつだ」
そういえば、記憶が戻ったきっかけはこの写真だったことを思い出す。
あれ以来景吾がずっと持っていたんだ・・・
景吾は私に写真を差し出してくれた。
その写真の下にはもう1枚同じものが。
合計3枚ということになる。
「なんでもう1枚?」
「ああ・・・シワシワになったのは捨てろ。もう1枚は忍足に焼き増ししてもらったやつだ」
「くれるの?」
「バーカ。俺が2枚同じのを持っていてどうする」
「あっ、そっか」
お互いおかしくて笑う。
まるで別れていた時期が嘘のよう。
笑い終えると景吾が急に真剣な顔つきになった。
「、もう1度言う」
「何?」
「俺と結婚してくれ」
「・・・うん。ありがとう」
改めて言われると恥ずかしくって、本当は泣く場面なんだろうけど、私の場合、知っているせいか恥ずかしさがでてきてしまう。
「景吾が高校卒業するまで待ってるよ」
「待たせる気はねーよ」
「でも、高校が・・・」
「学生結婚だっていいじゃねーか。俺は2度とと離れる要因は作りたくねえ。少しでも一緒にいる時間が欲しいんだ。
だから早く結婚して俺様のところへ来い」
「・・・・///」
「返事は?」
「うんvv」
私はそのまま景吾に抱きついた。
それからお互いの唇が数分離れることはなかった。
まるで今までの時間を惜しむかのように・・・・
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