出会いは本当に偶然だった。。。
ただ、いつものようにストーリーテニス場へ向かっているとボールの音が聞こえたんだ。
ついてみるとそこには1人の男の子がサーブの練習をしていた。
〜Rain〜
「1人で練習?」
そう声をかけると、その子が振り返った。
思わず吸い込まれそうなブルーの瞳が目に入り、その次に印象的な泣き黒子が目に入った。
「あーん?てめぇ誰だ?」
「私?私は。君は?」
「・・・・景吾だ」
「景吾くんね。ところでさっきの質問答えてない」
いたずらっぽく言う私。
「これが1人じゃないように見えるか?」
「あっ・・・確かに」
「変な奴」
「失礼な!!」
「テニスラケット持っているってことはテニスすんのか?」
「うん。いつもここで練習。将来はプロテニスプレーヤーw」
そう言う私に景吾くんは一瞬目を見開かせて笑い出した。
「1人で毎日練習なのにプロ目指してんのか?そりゃ無理な話だ」
「ここでは1人で練習だけど、部活とかでは相手いるし!」
「なんだよ、部活してんのか」
「当たり前!!なんならやってみない?」
「女相手に本気出す俺様じゃねーぞ」
「そういうことはやってから言ってよ」
「いいぜ」
私は見下された分見返したくなるタイプ。
だから、はじめっから本気を出した。
「いくよっ!!」
サーブはとても女子が出せるようなスピードではない速さを出した。
それを見る景吾くんはもちろん目を見開いていた。
しかし、すぐに顔つきが変わった。
笑ったんだ。細く・・・細く・・・何かを楽しむような顔に。
「やるじゃねーの」
「そりゃどうも。次いくよ!!」
それから一体何時間打ち合ったのだろうか。
気付いたら日は暮れていた。
結果は、4−6。もちろん私の負け。
お互い息をきらしながら、汗をかきながらの握手を交わした。
そして、お互い名前以外知ることなく別れた。
ただの偶然・・・1度だけの出会いだと思って。
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