〜氷帝学園 学園祭〜



キレイなレースのステージ衣装に着替えた私と



「水無月さん、ちょっと連れてきて欲しい人がいるの。お願いできますか?」







☆Secret that clears up〜晴れる秘密〜☆












たくさんのチラシが色々なところに張り巡らされている。

その中でも最も大きなポスターには“Secret初ライブ!!”と書かれていた。





「ほんまに来るとはな・・・」




俺もそう思うぜ・・・忍足。




「跡部が会長だとこんなすげーこともできるんだな」




コレは俺の力じゃねーんだよ、岳人。

俺は何もしちゃいねぇ。




「やっとSecretの顔が見れるんですね!?」

「ああ。一体どんな奴なんだ?」




それは俺が一番気にしているんだよ、鳳に宍戸。

と間違える程の声。

それに・・・あの曲。

偶然だってのか?そんなに世の中上手くできているのか・・・



俺はどこかでじゃないかと疑って仕方なかった。

でも、ならから言ってほしい。

そう思う自分がいた。




「楽屋行けないん?」

「ああ。一切立ち入り禁止だ。準備も全て事務所がする」

「珍しいやん。毎年、学園側が準備しとったのに・・・」

「直前まで顔を明かすわけにはいかないらしい」




この俺様にまで顔を出さないとは・・・

挨拶の1つぐらいあってもよさそうなモノの・・・




「ところで、お前、はどうしたんだよ」

「あーん?宍戸、てめぇには関係ねえだろ」




は青学の奴らが来るからとか言って出迎えに行きやがった。

この俺様を置いて・・・









「あっ!景吾様っ!!探しました」




そう俺に声を掛けてきたのは事務所のパスを首から掛けた女だった。




「あーん?なんだ?もう時間か?それとも事故でも起きたか?」




俺は会長としてSecretの前に挨拶をする役目があった。




「いえ、まさか事故なんて。・・・私、Secretのマネージャーの水無月といいます。じつは、Secretが景吾様を楽屋に呼んでまして・・・」




Secretが?




「跡部、ずりぃ〜。俺も一緒に行くっ」

「申し訳ありません・・・景吾様のみでお願いします・・・」

「だとさ、わりぃな。岳人」

「クソクソ跡部ぇ〜」




うるせぇ・・・・



「でも、普通逆じゃねえか?そっちがこっちに来るのが礼儀ってもんだろ」

「そうなのですが・・・どうしても大切な話があるそうで・・・」

「ちっ。しょうがねえな」




挨拶にも来ない。その偉そうな態度をとる奴の顔を拝ませてもらうぜ。








案内されると、そこに不二が立っていた。

水無月というマネージャーは俺様にココにいるように言うと、楽屋に入っていった。




「久しぶりだね。跡部も呼ばれたのかい?」

「ということはお前もか、不二」

「うん。でも、君と僕、繋がりがどうも分からないね。しかも、僕は一般人だし・・・呼ばれた理由がさっぱり」

「不二でもか・・・」




俺と不二の共通点・・・そんなのテニスぐらいだ。他にはない。

なのに、何故俺と不二が呼ばれたんだ?


楽屋のドアが開くと、マネージャーが入るよう促した。

俺と不二は言われたとおり、部屋へ足を踏み入れた。

すると、そこには2人の女が立っていた。




・・・」

・・・」




そう。その2人とは俺の彼女のとその友達のだった。




「水無月さん、ありがとう。時間になったら教えてくれる?それまで4人だけにして欲しい」

「わかったわ。くれぐれも泣いたりしないでね。声に響くわ」

「うん」

「わかっとる」




マネージャーは楽屋を後にした。

俺の頭は案外すんなりと今の現状を理解できていた。

やっぱり、だったのか・・・と。




「どういうことか説明してくれる?」




最初に言葉を発したのは不二。

不二の開眼はテニス以外で始めて見た。




「ごめんな。ずっと黙っとった。うちら2人、Secretやねん」

は悪くないんだよ、私がお願いしたから・・・デビューしても顔を明かさないこと」

「なんで?」

「私はある人を探してたんだ。その人との繋がりは私の歌とこのペンダントだけだった・・・」




そう言ってはペンダントを不二に見せた。




「その人に私の歌を気づいてもらいたかったの。顔で判断されたくなかった。
 だから声だけで判断してもらえるように顔を一切出さないでデビューしたの。
 にはそれを協力してもらった」

「こうやって顔を明かすってことは見つかったのかい?」

「だろうな。俺様なんだから」




滅多に驚かない不二が驚いてる。




「うん。今回、みんなの前に現れる前に不二君と景吾には知ってもらっときたかったの」

「俺様は分かるとしてなんで不二なんだ?」

「あっ、言ってなかったけ?の彼氏、不二君なんだよ」

「マジかよ・・・」




なんか、忍足と不二がセットになったみてぇだ。

天才同士ってかんじだな。




、時間よ」




顔をドアの隙間から覗かせながらマネージャーは声をかける。




「はい。すぐ行きます」

「じゃあ、僕はこれで。さん、頑張ってね」

「見とき。うちの華麗なピアノ見せたるで」

「楽しみにしてるよ」




不二は出て行った。




「俺様も行くか・・・」

「待って。・・・あのさ、黙ってて本当にごめん。この前、すごい嬉しかった。景吾は声でも判断できてたんだもん」

「当たり前だろ?」




の声の判断は誤ってなかった。




「会長さん、舞台の挨拶やで」

「そうだったな。俺の美声で始まるんだからな。、ミスるんじゃねーぞ」

「リョーカイ」




いつものの笑顔。

俺の大好きな笑顔。



俺はそれを最後に舞台に上がった。















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