『今日は他校からもよく集まってくれた。これから今回の学園祭の目玉、Secretの初ライブだ。楽しんで帰れよ』
マイク越しに聞こえる景吾の声。
本当、色っぽい声してるよ・・・
☆Feeling of strain on a stage〜舞台の上の緊張感☆
♪〜♪〜〜♪〜〜♪
舞台の上にいるのピアノが始まった。
いつ聞いてもキレイな音色。
誰もが聞き惚れていた。
私は一つ深呼吸をすると、マイクを静かに口元に持っていった。
『心の支えを失った時 人はどうなるだろう
心の支えを見つけた時 私はどうするだろう』
周りがざわめく。
辺りを見渡す学生達。
だって、私は今はまだ舞台の上に立ってないんだもの。
『哀しむ 喜ぶ どちらを選ぶ
一人 二人 二人がいい』
観客席の中心にいる私。
そう、周りをスタッフで囲んでいたから、みんなからは見えてなかった。
少しずつ足を進めて舞台に向かう。
たくさんの人が手を伸ばしてくれた。
『あなたの名前 まるで覚えたての子供のように
何度も繰り返した
でもあなたは現れてくれない
私のこと忘れてしまったの?』
舞台に着くと、と笑いあう。
ここからはとのハモリ。
ピアノの前に立ち、私は歌い続けた。
『巡り合い それは偶然
巡り合い それは必然
神様がくれた 運命になる
また出会えて 初めて運命になると信じ続けよう』
間奏で景吾を探すと、すぐに目に入った。
忍足君とかといる。
景吾と目が合うと、お互いに笑った。
『信じる者に裏切られた時 人はどうするだろう
信じてた者に救われた時 私はどうするだろう
怒るの 喜ぶ 戻れるのかな
夢か 現実 見分けがつかない
私の名前 あなたにずっと呼んでてほしいのよ
まるで求めるように
駆けつけることができるぐらい
心の奥で叫びつづけて
巡り合い それは友情
巡り合い それは愛情
神様がくれた きっかけになる
また出会えて どちらかはっきりわかると信じ続けよう
あなたの名前 まるで覚えたての子供のように
何度も繰り返した
でもあなたは現れてくれないの
私のこと忘れてしまったの?
巡り合い それは偶然
巡り合い それは必然
神様がくれた 運命になる
また出会えて 初めて運命になると信じ続けよう
また出会えて 初めて運命になると信じ続けよう』
大きな拍手が沸き起こる。
『初めまして。Secretのメインボーカルを勤めさせてもらっていますと』
『ピアノとサブボーカルを勤めさせてもらっとるです』
『今日は、みなさん集まってくれてありがとう〜!!今日は私達も初めてみなさんの前に出るので緊張してますっ。
まず、みなさんに謝りたいと思います。今まで私達のこと秘密にしててごめんなさい。でも、これからはたくさんみなさんの
前に出たいと思ってます』
そう言ってまた曲がスタートする。
3曲ぐらい歌い終えた時に質問コーナーを設けた。
すると、いろんな人から手が上がった。
ここでは、氷帝の放送委員が協力してくれて、質問をうけていった。
そして、最も予想できた質問が出た。
“なぜ、今まで顔を出さなかったのか?”
『ある人を探してたんです。頼りは私の声だけだった。その人が私を探し出してくれることを祈りながら歌ったんです。
だから、歌詞は全て悲しいものになっていたと思います。その人に向けて歌った歌だから』
“その人は見つかったんですか?”
『はい』
みんなどんな人なのか知りたそうな顔。
“その人は現在近くにいるんですか?”
ほら、来た。
『はい。ものすごく近くにいます』
そこで質問は打ち切られた。
また、歌が始まる。
私は曲がなり続ける限り歌い続けた。
最後の曲が終わると、景吾と不二君が花束を持って舞台に上がってきた。
景吾は分かるとして、なんで不二君まで!?
私は舞台袖にいる水無月さんに目をやると、ニヤニヤしてた。
犯人は水無月さん、あなたですか・・・・
『どうだ?全員の前で歌った気分は』
『最高っ!みんな、ありがとー』
『緊張したわぁ。ミスらんかったから良かったけど、これでミスってたら恥ずかしいわ・・・』
『よかったぜ、』
『うちは?』
『には僕から。お疲れ様。すごく感動した』
『『ありがと』』
2組、花束贈呈の時に、唇にキスされた。
もちろん、女子からは奇声が沸きあがる。
不二君も景吾も人気があるのだから。
『いいか、の探してた人は俺様なんだよ。に手ぇ出してみろ。ただじゃおかねえからな。覚悟しとけよ』
『は僕の彼女なんだ。みんなこれから祝福してね』
よくもまあ、こんな言葉が出る人たちだこと。
景吾はともかく、不二君がこんな目立つところに出てきただけでも驚きなのに・・・
それから舞台は無事に終了し、私は景吾と残りの学園祭を楽しんだ。
移動中、たくさんの人に声をかけられたし、いろんな人が私達を冷やかした。
でも、景吾は気にしている様子は全くなし。
本当、景吾は自信に満ち溢れてるよ。
最後の後夜祭では景吾と2人、部室で甘い雰囲気をすごすことができた。
これからも幸せが続きますように・・・
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