「私たちを繋ぐ偶然 今は薄れてしまった

 降り続く雨は あなたの声 存在 を流していく

 あなたがいたから 乗り越えられた

 あなたがいたから 信じてこれた

 早くあなたに追いつきたい。。。」







☆Restart that gets rough〜荒くなる再開〜☆







「ってのでどう?」

、勝手に決めていいゆったやん」

「だって、が曲書くんだからの意見も取り入れなきゃ」

「うちはいいってゆったろ?」

「そうですけど〜」

「なんや?2人なにしてん?」




放課後、部活に入ることが必須の氷帝学園では教室に誰もいない。

それを利用して放課後に新曲を練ってたんだけど・・・




「侑士、女の子の事情につっこんでくるなや」

冷たいで・・・侑士泣いちゃいそうやわ・・・」

「勝手に泣いてたらええやん」

「うわっ!昔はあんなに優しいちゃんやったのに・・・」

「んな昔をだすな〜!!」




2人で漫才してるよ・・・

私は思わず笑ってしまった。




「ククク・・・」

「「何わらってんねん」」

「息ぴったり。仲いいんだね。ちょっと忍足君に妬いちゃいそう。私のなのに」




唖然としている2人。

双子みたいに息ぴったり。




、うちはのもんやで?こんな奴のは嫌や」

「俺かて、よりちゃんの方がええわ」

「侑士、あんたにははやらん!やってたまるか!が穢れる!!」

「そんな、忍足君をバイ菌みたいに・・・」

「バイ菌の方がまだマシっちゅうもんや」

「ヒドッ!グレるで〜」




ショックを受けてた忍足君。

本当に漫才してるみたい。




「で、2人は部活見学行かんでいいん?ココは部活必須やで?今週ぐらいまでに決めなあかんとやろ。
 そやったら、今日から見学せな全部は見られへんで?」




そういえば部活って運動部が21コに文化部が22コも氷帝にはあるんだよね。

でも、私達は合唱部に決めているの。

昨年も全国合唱コンクールで4位というすごい成績残しているから期待大なんだ。




「そや、2人とも決まっとらんかったらテニス部きいへん?」

「はぁ?嫌よ」

「なんでや、もテニスのこと知ってるやん」

「そうなの!?初耳」

「昔は俺とテニスで遊んだりしてたんやで」

「それは昔!!うちらは合唱部って決めてん!」

「そうなん?ちゃん」

「あ・・・うん。ごめんね」




一瞬忍足君の表情が曇った気がした。

そんなに残念だったのかな?




「そか・・・ちゃんがマネージャーになったら俺も燃えるんやけどな〜」

「だからは渡さんってゆってるやろ!!」

「お〜こわっ!跡部みたいや」




跡部・・・どこかで聞いたことのある・・・

どこだっけ?

ん〜思い出せない・・・




「あ〜!やっと見つけたぜ!!アホアホ侑士!跡部カンカンだぞ」




急に現れたのは赤い髪をしてて変わった髪型(おかっぱ?)をした男の子だった。




「岳人やん」

「岳人やんじゃないだろ!マジで跡部怒ってるぜー。俺怖くて近づけなかったし・・・」

「マジかいな・・・」

「侑士のせいだかんな!」




忍足君は「どないしよ・・・なんかいい言い訳なかへんかな」と一生懸命言い訳を考案してる。




「私たちも一緒に行こうか!?」

「?なんでうちらまで行く必要があんの!?」

「だって、私たちが話してたからだし・・・」

「んなの侑士1人怒られれば済むのよ」

ちゃんは優しいわ〜vはこれやから彼氏もできへんのやで」

「あんたには関係ないわっ」




私は一生懸命を説得して、一緒に行くことが決定した。

もなんだかんだ言いながら忍足君のこと心配してるっぽかったし。

テニス部に行く途中岳人君に自己紹介をした。

名前は“向日岳人”

岳人君は忍足君のダブルスのパートナーらしい。

なんかしょっちゅう跳んでるんだけど、あえてそこには触れないでいた。

も突っ込まなかったし・・・






コートが見えてくると、まるでそこは芸能人がいるようでした。




「なにあれ・・・」

「あ〜コートの周りの女の子やろ?ファンや、ファン」

「「ファン!?」」




あ、今度はと私がハモった。




「テニス部には芸能人でも入部してるん?」

「違うぜ。あれは正レギュラーや準レギュラーのファン」

「ってことは一般生徒にファンが?」

「そやで」

「ちなみに侑士のファンもいるん?」

「当たり前やん」

「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!世の中壊れてる!!」

「ちょっ、落ち着いて!」

「だって納得いかないやろ!こんな詐欺師にファンがいるやなんて・・・そうか!その詐欺の技術使こうて、女の子騙してるんやな!?」




ああ、もう言いたい放題だよ。

よっぽどは忍足君にファンがいるのが気に入らないらしい。


の叫び声でコートの周りにいた女の子たちが一斉に振り向いた。

そして、目がハートに変わった子がたくさん。

私たちに向けて殺気立った目がたくさん。




『忍足く〜んv』
『がっく〜んv』




2人の声を叫びながら2人の周りには女の子が集まりだした。

私は唖然としか見ることができなかった・・・

も同じく。




「おいっ!外野、うるせーんだよ。忍足、岳人、お前らもさっさとコートに入りやがれ!」




一瞬にして静まり返った。

今この場を静かにした人物は正直美形だと思った。

一瞬見惚れてしまうほどの。


恐らくあの人が“跡部”だろう。

私と、そして忍足君と岳人君はコートへ足を踏み入れた。

その瞬間空気が変わった。

まるでコートのフェンスで境界線が引かれているような、1歩踏み入れたことで空気の違いが身に染みてわかった。

その原因は“跡部”だろう。


周りの女の子は私たちがコートに入ったことで奇声を上げた。

ファンなんだよね、この人達の・・・

私達の侵入を許さないってことか。




「うるせえ!」




また“跡部”の一喝で静まった。

っていっても少しの間だけ。




「で?なんでこいつ等まで入れてきてんだよ」




ものすごい低い声で質問され、正直後ずさってしまった。

来なきゃよかったかも・・・

今頃後悔する私。




「あのっ、ごめんなさいっ」

「忍足達にどう取り入ったかはしらねぇが、入ってくんな」

「跡部っ違うで!」

「何が違うんだよ。どうせ、言い寄られたんだろ?」

いいかげんにせえや

「あーん?」

いいかげんにせえやってゆっとるねん!!




驚いた顔の跡部君。

それはそうだろうね、こんなに美形でもてるんだったら、こんなこと言われたことないだろうし・・・




「あんさんな、さっきから聞いとれば勝手な想像いいやよって。うちは侑士に取り繕うなんて一生せえへんし、しようとも思わへん!」

「ちょっ、、私達謝りに来たんだから・・・」

は黙っとき!こんな自己中には謝る気も失せたわ!もう帰るで!」




はドカドカとコートを出て行った。




「行っちゃった・・・」

「久しぶりに見たわ、の激怒」

「私はついこの間見たけど。ってそうじゃなくて、跡部さんですよね。あれはあなたが悪いと私も思います。
 今回は私達が忍足君と話してたことで部活に遅れたので、忍足君をあまり責めないでやってください。それじゃ」




私はそれだけ言うと、コートから出て行った。












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