は黙っとき!」




あの女は確かにそう言った。







☆It looks away from the truth〜真実から目を逸らす〜☆






ただの同じ名前か?

  “



俺様はさっきの女の言って行った言葉などほとんど聞いていなかった。

という女、俺様が思っているなのか?

でも、なぜ連絡をくれなかった・・・

はもう俺のことは忘れてしまっているのか?




「跡部、きいとるん?」

「あーん?」




ずっと考えていたところに忍足が割り込んできやがった。




「だから、は俺の親戚。あっ、っちゅうんは俺と同じ関西弁話とった方な。んで、もう1人がの親友のちゃんや」




やっぱり、俺の聞き間違いではなかった。

。あいつはというんだ。あいつと同じ。




「で、普通に話してて遅れたんよ。それで、自分らも俺を遅らせたからってわざわざ謝りにきたんや。
 跡部の思い違いっちゅうことや。後であやまっといてや」

「わかった」




俺は正直に答えた。

そのせいか忍足は俺が正直にわかったと言うとは思わず、驚いた顔をしてたがな。
















「ったくなんやねん!さっきの奴!!」

、落ち着こうよ・・・」

は頭にこないん?」

「そりゃ、頭にくるけど・・・でも、今イライラしたってしょうがないでしょ?」

は大人やな。自分を持っとる。うちはまだ子供ってことか・・・」

「そうじゃないよ。とにかく、部活見に行こう?こういうときは、歌って発散だよ!」

「そやな」




そう言って私とは音楽室へと向かった。

なんとかの気もまぎれることといえば歌だけだからね。





音楽室へ近づくにつれて歌声が聞こえる。

氷帝には個別に別れる部屋があった。

その音楽室へいくまでにたくさんのドアを見つけ、そこには1人か2人づつ入ってて歌やピアノを弾いてる人がいた。

音は全然聞こえなかったから、その部屋は防音なんだろう。



廊下から音楽室のドアから中を覗いてみると、ざっと60人はいた。

すごい・・・

さすがは全国4位なだけはあるかも。

私とはノックをして教室へと入る。




「すみません、入部希望なんですけど・・・」

「ああ。あなた達転校生の」




私たちがドアを開けたことで反応し、ピアノを引いていた先生と思われる人が私たちに近づきながら話しかけてきた。




です」

いいます」

「歌好きなの?」

「「はいっ」」

「そう。じゃあまずはお手並み拝見してもいい?」

「「はい」」




そう言うと、先生はピアノの前に立った。

部長と思われる子が私たちに楽譜を渡す。

誰もが知ってる曲のおかげで私とはスラスラと歌えた。

そして、周りから拍手がおこる。




「2人ともすごいわ。どこかのボイストレーニングでも受けてたの?」

「まぁ、はい」




だって私とは芸能事務所のボイストレーニングを受けてたんですから。

言えませんけど、いくら先生でも。




「じゃあ入部OKってことでええん?」

「ええ。OKよ」

「「よろしくおねがいします」」

「こちらこそ」




それから私達は入部が決まり、部員の紹介や部室等の使い方を部長から聞いた。

正直驚いた。開いた口が塞がらないってこのことなんだろうな・・・って思ったり。

だって、個別のトレーニング室は自由に使っていいらしいし、部室もかなり綺麗。

まぁ、合唱部だから道具とかあんまりないからだろうけど。

というか、部室ひろすぎっ!!と思った私たち。












部活時間も終了し、との帰宅中、あの人が目の前に。

あの人っていうのはの嫌いな人。

そう、跡部君。

を見るとあからさまに眉間にシワをよせている。




、手塚君みたい」

「そんなシワよっとん?」

「うん」




私はあえて気にしないで歩いていた。

でも、相手は誰かを待ってる様子。

彼女でも待ってるのかな?

そう思いながら横を通りすぎようとした時、腕を捕まれた。




「いたっ」

「あっわりぃ」




は私の声を聞いてさらに跡部君に対して怒りが増していた。




「なんや?まだうちらに用事あるん?」

「・・・・」

「だまっとったら分からんやろ」

「・・・すまなかった」

「「はぁ??」」

「ちっ」




今、謝った・・・

でも、最後舌打ちした。

いかにも跡部君は居心地悪そうな顔をしている。

たぶん、謝るなんてことあんまりしたことないんだろうな。




「・・・・まぁええわ。ちゃんと謝ってくれたし」

「ところで、お前」




は許してくれたらしい。

やっぱりは優しいね。


跡部君はというと、なんか私に用があるらしい。




「私?何か?」

「お前、もしかして・・・いや、やっぱりいい」




俺は聞くのをためらった。

もし、違ったら?もし、そうだったら?


俺はに対してひどいことを今日言ってしまった。

もし、俺が景吾だと知ればあいつは俺を幻滅してしまうのだろうか。

の中の景吾がいなくなってしうのだろうか。

俺は恐ろしくなった。

こいつがじゃなければいい。

そう思う自分がどこかにいた。




それに、こいつがだったらこいつはもう俺を探してないんじゃないか。

そうだったら俺は・・・・



そう思うと聞けなかった・・・














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