何時だろうか・・・
目が覚めた時には、すでに景吾の姿は見当たらなかった。

月だけが綺麗に光っていた。






〜VAMPIRE〜
ヴァンパイア







「景吾?・・・ったく、どこ行ったんやら」



山の上にある大きな屋敷。
誰も近づくことはない。そこはヴァンパイアの住処といわれている場所だから。

そこからヴァンパイアのは街を見下ろした。
ネオンの光が輝いていて、正直綺麗と口走りそうになる。

そんなネオンの中を飛んでいる影がの目に映った。



「景吾か。・・・っ!!!」



呟いた瞬間、一瞬にして影が消えた。
そして、それと同時に影の近くから発光したのをは見逃さなかった。



まさか・・・撃たれた



の頭の中にはイヤな予感がよぎる。

景吾は今の今まで見つかることはなかったはずなのに。
もしかして、今日は・・・どこかでパーティーがされているのか・・・
それならば警備が厳しいはずだ。
クソッ!!


はいても立ってもいれず、屋敷を飛び出した。










恐らく、撃たれたであろう場所に着いても景吾の姿は見当たらない。
そんな中、声が聞こえた。



『なんで、俺を助けた?』

『怪我人をほっておけるわけありませんから』

『変わったヤツだな。お前』

『よく言われます』



元々、耳のいいヴァンパイアとい種族。
すぐにどこか特定できた。


足に力を込めると、思いっきり飛び上がった。
それと同時に強風が巻き起こる。
窓を開け、入り込んだ。



「そこの女、景吾から離れな」



そこにいたのは、景吾と並んでも引けのとらない女だった。
でも、人間であることは確かである。
このままでいれるわけがないのだから、早く引かなければ。



っ!!」



景吾が自分の姿に驚いている。
それもそうだろう。自分は、滅多に街に下りることはないのだから。



「何してるの。景吾」

「わりぃ・・・撃たれた」

「帰って手当てするよ」

「手当ては・・・してもらった。でも、帰らねえとな」

「行くよ」

「ああ。・・・、助かった。じゃあな」



最後の挨拶。
景吾がお礼を言うなんて考えたこともなかった。
こんなにも親しい人間がいること自体、驚いたのだが・・・



「あのっ!!また会えますよね」

「・・・・」



会えるわけがない。
所詮は、人間とヴァンパイアなのだから。
本当は触れ合うことのない存在なのだから。




バンッ!!



部屋に響いた扉を思いっきり開ける音。
音に目をやると、そこには1人の男が立っていた。



!大丈夫か?」

「侑士!?」



侑士・・・懐かしい名前。
でも、侑士なんて名前どこにでもあるはず。

侑士と呼ばれた男は、私たちを見て驚いた顔をした。



「・・・ヴァンパイアちゃうよな・・・」

「ご名答とでも言うべきかしら」



そう答えた瞬間、睨まれた。
やっぱり、人間とヴァンパイアというのはそういうもの。



「マジかいな・・・、怪我は?」

「あるわけないじゃない。この人達は私のお友達よ」



友達!?まさかこの女、私たちを庇ってるのか?
ヴァンパイアの私たちを・・・



、嘘はええ。ヴァンパイアなんやろ?」

「ヴァンパイアだけど、私の友達なの!!」

「わかった・・・がそこまで言うなら信じるわ。あんたらも、さっさと退散せな警備の人が来んで」



この人まで、私たちを逃がすというの・・・?
そんなことありえない。人間が・・・
私たちの同類を殺した人間が・・・



「おい。引くぞ」

「あっ・・うん」

、また会おう」

「!!はいっ!」

「今回は感謝する。人間達」

「感謝はにすんやな。・・・・・・」



侑士の呟いたという声がやけにの中で響いた。
まるで、悲しむような声に。。。







・・・・これが初めて4人での出会いだった・・・・








屋敷に着くと、は首を差し出した。



「景吾、血吸ってないでしょ」

「これぐらい平気だ」

「そんな顔して言われても説得力ない・・・。いいから吸って」

「わりぃ・・」



景吾が私の首に噛み付く。
チクッと痛みがしたけれど、今の私にとってはあの侑士という男が気がかりでしょうがなかった。






あれは、もう10年以上も前。
夜の屋敷をうろついていると、湖にたどり着いた。
いつもここにはコウモリがいるはずなんだが、今日はいなかった。
不思議に思い、湖へ近づくと、そこには溺れている子供が。

私は本能のままにその子を助けた。
そして、街へと運ぶ。
その途中、子供は目を覚まし一言「お姉ちゃん、ありがとう。僕侑士。お姉ちゃんは?」と言い出した。
私は笑顔で「よ。もうすぐ家だから、寝てて」と自分でも信じられないぐらい優しい声で呟いたのだ。

それ以来、会うことはないけれど、侑士という子供を忘れることはなかった。
たぶん、その子も既に私たちぐらいの歳であるとは思うのだけれど・・・










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