景吾にまず家に送ってもらい、着替えを済ませてからまた景吾の車で景吾の家に向かった。









☆準備☆










景吾の家では景吾のお父さん、お母さんが待機していた。


今日の記者会見では3人出席することになっている。

もちろん私と景吾のお父さん、そして景吾だ。





「お疲れ様。最後の学校はどうだったかい?」


「ええ、いい思い出ができました」


「そうか。それは良かった。会見までまだ時間があるから景吾とゆっくりしていなさい」


「でも、会見の最後の打ち合わせは・・・」


「ありのままを言うだけだから打ち合わせはいらないだろう。それにいざとなれば私がなんとかするさ」


「ありがとうございます」


「じゃあ行くぞ」




景吾は私の手を握り、そのままリビングを出た。

向かう先は景吾の部屋。


2人で廊下を歩いているとメイド達からの視線が痛い・・・

メイドの中には若い人もいて、私に対して嫉妬の視線。

もちろん、そこで怯むわけにはいかない。

私も対抗して睨むなんてことはしない。

ただ、笑顔で応えるだけ。

睨み返したり、怖がった顔をすれば相手の思うツボだから。

睨んでいたメイドは私が笑顔で見た瞬間、驚いた顔をして逃げて行った・・・




「まったく・・・なんで私がこんな目に・・・」


「あーん?」




独り言のように呟いたら、景吾に聞えたらしい。

景吾にはバレたくない。

景吾の性格上、睨まれた。なんて言えば、メイドの子がクビになる恐れが出てくるから。




「何も言ってないよ」




とぼける私。

しかし、バレバレだったようで、景吾からそれで嘘ついたつもりか?と言われると同時に部屋に入った。




「嘘?ついてないよ」


「まったく・・・なんで私がこんな目に・・・だったか?」


「聞えてるんじゃん」


「俺様に嘘をつこうとするのがいけないんだよ」




勝ち誇った景吾の微笑み。

思わず見惚れてしまう。

私はこの顔が好き。

いつでも強引な勝ち誇っている景吾が私は好きなのだ。




「で、こんな目とは?」


「言わない」


、いい度胸してるじゃねーか。あーん?」




少し離れていた景吾がジワジワと近づいてくる。

それに比例して私はあとずさる。

部屋へ入ったばかりの私の後ろにはドアがあって行き止まり。

しかし私はそのドアを開けて逃げようとした。




・・・・ドアが開かない・・・・




そして上から声が。




「俺から逃げるつもりか?」


「イエ・・・」


「それは賢明な判断だな」


「アリガトウゴザイマス」




そう。景吾が上から扉を押さえていたせいで開かなかったのだ。

私はおもわずカタコトになってしまった。



後ろを向かされた私の目の前には景吾の顔がアップで映っている。

景吾はそのまま近づいて来て私にキスを落す。

もちろん私もそれに応える。




「んっ・・・はぁ・・んっ」




本当に景吾はキスが上手い。

腰が抜け始めた。

ドアに寄りかかろうとすると、一瞬唇が離れて景吾が囁いた。




「俺よりドアかよ。俺に寄りかかれ」




そしてまた唇が重なる。

ダメ。。。もう立ってられない・・・

そんな私を察してか、景吾は私の腰を支えてくれた。

すごいいい雰囲気が続く中、ドアのノックが聞えた。




コンコン




景吾は返事をせずにキスを続ける。




「誰・・か・・来てる・・んッ」


「シカトしとけ」


「ダ・・メッ・・・」




それでも景吾は辞めなかった。

しかし、扉の向こうから声が聞えた。




『景吾、今日は記者会見だ。キスマークは避けるように。あと、もう時間だ。2人とも着替えを済ませてリビングへ来るように。
 ああ、さん。さんの着替えは隣の部屋で準備しているから』




景吾は“キスマーク”の言葉を聞いて舌打ちをし、私から離れた。

景吾のお父さんもシレッと言うからすごい。


私は一生懸命呼吸を整えた。

それに比べ、景吾は息すら乱れてない。

私もスポーツマンだったんだけどな・・・




「ということだ。隣の部屋行けるか?」


「一人で行けます!!」




私はドアの方を向こうとしたら、よろけた。




「あぶねッ」




とっさに景吾が受けとめてくれたおかげで倒れずに済んだんだけどね。




「だから言っただろ」


「ごめん・・・」


「顔がまだ赤いからな。まだ腰に力がはいらねえんじゃないかと思ったんだよ」


「誰のせいだと」


「俺か?充分俺のキスに応えてたクセに」


「うぅっ・・・」





それから5分ぐらいゆっくりして隣の部屋へと移動した。

そこにはメイドが5人程。

ものすごく顔が輝いていた。




「あの・・・よろしくお願いします」


「はいっ♪私達も女の子をメイクアップさせてもらえるなんて幸せです」




私はまず入浴からさせられ、そして着替えやメイクなどたくさんしてもらった。

なんでも跡部家は女の人が奥様しかおらず、奥様は美容関係に勤めていることから自分でメイクをされ、

メイドは手が出せないらしい。

そのことで私のメイクをすると決まった途端喜んだそうだ。


メイクアップが終わって全身が映る鏡を目の前に出され、見てみると、自分がもちろん映っているんだけど・・・

なんかいつもと違う。

綺麗に見えるのは私の目の錯覚でしょうか??




様、綺麗ですわ〜」


「本当v景吾様なら襲いかねないですわね」


「////」




跡部家は本当にシレッと恥ずかしいことを口にする。

それは、メイドにも移っているようだ。


私はリビングへ足を運ぶ前に用意をしてくれたメイドの方々にお礼を言った。





「いいえ、私達も楽しませていただきました。ありがとうございました。
 ぜひ、これからも様のメイクは私達に・・・」


「はい。よろしくお願いします」










リビングでは景吾と景吾の父が話していた。




さんは本当にいい子だ」


「当たり前だ。俺の選んだ女なんだからな」


「バカ息子が・・・」


「その親は自分だろ」


「全く・・・誰に似たんだか・・・。とにかく、さんを大事にするんだぞ」


「言われなくても分かってんだよ」





コンコンッ





「失礼します。様のご準備が整いました」




メイドが私をリビングへ招き入れる。

1歩足を進めると、景吾が私を見ながら黙っている。


えっ!?変???


そう思っていたら、景吾の両親が一言。




「まぁ。さん綺麗だわ。景吾にはもったいないくらい」


「本当、綺麗だ」


「///ありがとうございます」




変じゃないらしい。

それに対してホッとした。

景吾は我に戻ったように瞬きをして、私の方へ来た。




「じゃ、行くか」


「なんか言葉ないわけ?」


「あーん?言って欲しいのか?」


「もういいです。無理に言ってもわらわなくても」




本当、景吾の意地っ張り。

一言言ってくれるだけでも私は嬉しいのに。






結局、何も話さないまま車で会見場所まで移動した。


会場につくと、既にたくさんの記者の人だかり。

たくさんのフラッシュが目にくる。





「眩しい・・・」




私が独り言のように呟くと、景吾が私の前を壁のように歩いてくれ、顔にフラッシュが来なくなった。

自意識過剰かもしれないけど、景吾が私に気をつかってくれたのかと思うと嬉しくて、ついニヤけてしまった。



とりあえず、落ち着ける控え室へ移動。




「眩しかった〜」


「大丈夫か?」


「うん。景吾が前歩いてくれたし」


「///」




景吾は私が気付いてないと思っていたのか、私が言ったことに対して驚いた顔をした後、真っ赤になった。




『跡部様、様お時間です』



呼び出しの声が聞こえた。

今からが勝負です。

お母さん、お父さん行ってくるね。















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