と侑士が亡くなって、色々な人が嘆いた。
もちろん、親は泣き崩れる程に・・・


でも、誰も景吾やのことで泣いてくれる人はいなかった。
恨む人はいたとしても・・・


死んでも尚、ヴァンパイアへの憎しみを消せる人はいなかった・・・








〜VAMPIRE〜
ヴァンパイア









それから何百年・・・

ヴァンパイアなんてものが風化し、伝説となってしまった頃。




ここは氷帝学園。
お金持ちが通うとされる大きな学校。

校門には1台の車が止まった。
それに学生の全員の視線が集まる。
そして、執事らしき人がドアを開け1人、また1人と降りると沈黙が奇声に変わる。



『キャー!!跡部様よv』

『跡部だ』



そう。降りてきたのは、学校の牛耳を握るといっても過言ではない程の人物。
女の視線を一斉に集めたのは、



“跡部 景吾”



そして、男の視線を集めたのは、



“跡部 ”



この二人を氷帝学園で知らない者はいない。
それほどの人物だ。



そんな2人が双子というのは有名で、2人に憧れる人物は耐えることはない。










と景吾は堂々と学園内を歩く。
そして今日いつもと違ったのは、私服の2人組みを目にしたことだ。



「バカ侑士!」

「バカ言うなや。せめてアホっていってや」

「そこらへんもバカなのよ。・・・大体、制服の寸法の紙をいじるバカいる!?」

「ええやん。ちょっとしたお・ちゃ・めや」

「“お・ちゃ・め”じゃないわよ!おかげで転校に制服が間に合わなかったでしょうーが!」



視線を感じたと侑士は視線の元へと目を移した。
そこには氷帝学園では有名な“跡部”の2人が。


目が合った4人は時間が止まったかのように沈黙が流れた。




「・・・・えらいべっぴんさんおるんやな。この学校。なぁ」



いつもの調子を取り戻そうと侑士はおちゃらけたことを言うが、反応がない。
を見るとの頬には一筋の涙が。



「!?!?どないしたんや」

「えっ・・・あっ、わかんない・・・なんかこう・・・」

「胸が締めつられるような感覚に・・でしょ?」

「えっ・・・」



の言葉を代弁したのはだった。



「違った?」

「いいえ。その通り・・です」

「あなた名前は?」

「・・です」

「そう。私は跡部。なんか懐かしいかんじがするわ。あなたを見てると・・・
 そして、あなたを見ると・・胸が締め付けられる感覚・・・どうしてかしら」



2回目の“あなた”ではは侑士へと視線を移した。
侑士はまるで壊れ物を大事に扱うかのようにを見ている。
それは景吾にもあてはまっていて、を見てずっとそれから視線を外すことはなかった。



「それは偶然かいな。。。俺もちゃんのこと見てると締め付けらる感覚に陥ってしまってるんやけど・・・」



それはまるで初めて恋をした時のようで。
でも、それ以上の感情も溢れてきているのは確かで。















「景吾。あなたもなの?」



が景吾へと視線を移すと、景吾は1歩1歩と静かにに近づく。
そして、の目の前に来ると、優しくを抱きしめた。



「会いたかった・・・」



そう呟いて。



「私もです」



も呟き、景吾の胸へと体を預けた。
涙は止まることなく静かに流れて・・・










「ずるいわぁ・・・なんか毎回先を越されてる気が・・・って初めて会ったはずやん」

「ふふ。なぜかしら、私はあなたを見てると、落ち着いてきたわ。まるで全てを許している人といるみたい」

「それなら、これからずっと一緒にいようや。俺でよければ落ち着ける存在でいてやるで。
 いや・・・いて欲しいんや。俺が・・・」



侑士も景吾と同じように1歩ずつに近づき、抱きしめた。
はなされるがまま侑士に体を預けた。



「なんかすっごい嬉しいわ・・・初めて男を見せられた気すんねん」

「私も初めて弱い女になったかも・・・」



ヴァンパイアでは強気だった。
生まれ変わってもそれは変わらなかった。
信じられる人は少なかったから・・・跡部家の人間として弱みを見せてはいけなかったから。










“跡部の2人を虜にさせる男女が転校してきた”


その噂はあっという間に全校生徒へと伝わっていった。

















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